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相模原市の線引き素案/旧3町選出議員から批判相次ぐ
- 政治・行政
- 2008/07/01
相模原市は三十日、旧津久井郡三町に導入を予定している都市計画法上の区域区分(線引き)の素案を同市議会に説明した。JR中央線相模湖駅前などが市街化区域に線引きされたことで、市議からは「集中的な都市基盤整備で、にぎわいが戻るのでは」と期待する声が聞かれた。一方、「市は都市計画税など増額分の使途を全く説明していない」「旧三町の市街化調整区域だけに開発規制緩和策を導入するのは不公平だ」などとする批判が相次いだ。
線引き素案は二十七日、市が同市都市計画審議会に諮問。この日は非公開の同市議会全員協議会で、主に具体的な区分や線引きによる増税緩和策、開発規制などについて説明した。
津久井地域のある議員は「駅前開発が進むのではないか」と予測。相模湖町地区の観光客は現在、年間約六十万人でピーク時の六分の一に減少しており、「開発が可能な市街化区域に線引きされることで、新たな観光施設や公共施設を建設する条件が整う」と期待を込めた。
市街化区域への線引きが農地の固定資産税を増額させ、新たに都市計画税も課す点について、「市は増額分の試算をあらかじめ公開した上で、少子高齢化策や下水道、道路建設などについて優先順位を示すべきだ。増税だけでは市民は納得しない」と別の市議。
一方、市街化調整区域の開発規制を緩和する市の独自策について、ある議員は「中山間地には多い十数戸の集落では住宅建設すらままならなくなる。実態に即していない」と語気を強めた。
このほか、線引きが既に実施されている旧相模原市、旧城山町選出の議員からは「旧二市町にも緩和策を導入しなければ不公平だ。全市民の納得は得られない」と、懐疑的な見方が示されたという。
議会閉会後、加山俊夫市長は「税の増額分は津久井地域の観光開発や工業団地などに投入し、定住人口増に取り組む」とする一方で、こうした方針が市民に伝わっていないことを認め、「政令市移行の説明会などでも、まちづくりの方針を伝えていく」と釈明した。
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