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北への政府の対話路線で板挟み 中山恭子補佐官、窮地に (2/2ページ)
安倍内閣時代は安倍氏のほか麻生太郎外相(当時)らとも圧力路線で歩調を合わせられた。だが、福田内閣になると、首相以下、高村正彦外相や藪中三十二外務事務次官と対話重視の陣容に替わり、圧力重視の町村信孝官房長官や外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長も、今のところは福田首相に合わせている。
拉致被害者の再調査と経済制裁解除をめぐっては、町村氏らが「再調査の実質的な開始から結果を見ながらどのように解除するかを決める」とするのに対し、中山氏は「拉致した人を探し出し、帰国させる動きがはっきりするまで解除してはいけない」と訴え、ずれが生じている。さらに「外務省内で中山氏に情報を伝えない動きがある」(同省筋)との指摘もある。
政府の姿勢に「拉致問題が取り残された」と不満を募らせる家族会らにとって、中山氏は今も「頼りになる存在」(拉致議連関係者)。それだけに「政府と被害者家族らとのパイプ役」を自任してきた中山氏がさらに窮地に立たされる可能性もある。