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北への政府の対話路線で板挟み 中山恭子補佐官、窮地に (1/2ページ)
福田康夫首相が北朝鮮政策で「対話路線」へ舵を切る中、「圧力路線」で進んできた拉致問題担当の中山恭子首相補佐官の立ち位置が難しくなっている。「圧力路線」を訴える拉致被害者家族らからは厚い信頼があるが、福田内閣を支える立場でもあり、両者の板挟みにあっている。
6月29日、埼玉県川口市で開かれた拉致問題早期解決を訴える集会。米国が北朝鮮へのテロ支援国家指定解除の手続きを始め、日本政府も追認したため、拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さんが「(拉致問題解決の)熱意が感じられない」とするなど、政府を批判する発言が相次いだ。
集会に出席した中山氏は「被害者全員の救出という日本政府の方針は変わっていない。早期解決に向けて気を緩めずに頑張る」と弁明に回る形になった。
中山氏は、小泉政権下で初の日朝首脳会談があった平成14年9月から内閣官房参与に就き、一時官邸を離れたが、18年9月の安倍内閣発足とともに首相補佐官として拉致問題を担当してきた。14年に拉致被害者5人が帰国した際は「北朝鮮との約束」を理由に北朝鮮へ戻そうとした当時官房長官だった福田首相らに対し、官房副長官だった安倍晋三前首相らとともに阻止したことなどで、家族会らとの関係を構築していた。