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【渋谷・温泉施設爆発1年】施工の大成建設側、ガス充満対処法伝達せず (2/2ページ)
このニュースのトピックス:火災・爆発事故
ただ、別館の周囲は高級住宅街のため、住民に配慮して単純な排出方法が避けられたとみられ、配管はわざわざ区道の地下を通って本館の6階にまで至り、そこからガスが排出されるという「構造上の問題点」があったことも判明。配管が上下するため、谷間の部分に水が必然的にたまってしまうことから、大成建設や下請けの大成設備は、この部分に水抜き栓を取り付けていたという。だが、大成建設側から管理会社や施設側に水抜きの必要性が伝えられず、開業から事故までの約1年半の間、一度も水抜きは行われなかった。
このため、配管に水がたまってガスが排出されずに逆流。密閉性の高い地下の機械室に充満し、配電盤のスイッチの静電気などで引火したとみられている。
捜査1課は、大成建設側が水抜き栓を取り付けた時点で、爆発を起こす危険性を十分認識していたとみており、伝達されなかった経緯を調べている。
■渋谷温泉施設爆発事故 平成19年6月19日午後2時半ごろ、東京都渋谷区松濤の女性専用温泉施設「シエスパ」別館(B棟)の地下機械室で爆発があり、1階更衣室で休憩するなどしていた日詰真理さん(51)と藤川広美さん(22)、千財明菜さん(23)の女性従業員3人が死亡し、従業員2人と近くを通行中の男性(28)が重傷。区道を挟んだ本館(A棟)でも、従業員ら5人が軽傷を負った。