中国でまた大規模な暴動です。今度は少数民族問題ではなく、犯罪捜査をめぐる市民の怒りがきっかけになりました。中国南部・貴州省で警察と市民が衝突し、警察の発砲で市民1人が死亡し、150人がけがをしました。
火のついた貴州省の警察署。押しかける群衆。襲撃され、ひっくり返されているのは警察車両です。
住民1万人を巻き込んだ大規模暴動のきっかけは、女子中学生の遺体が川で見つかった事件でした。
遺族は、女子生徒が乱暴されたうえ殺害されたと主張したのに対し、警察は女子生徒が自殺したと断定。容疑者を逮捕翌日に釈放。遺族の抗議に警察は暴力で応じました。
「後ろにいた数人の男が、私を追いかけてきて殴った」(女子生徒の叔父)
さらに、釈放された容疑者の1人が警察幹部の息子という情報があり、警察不信が爆発しました。
「警察は、容疑者が無実だと言う。容疑者は権力のある人に守られているかもしれないが、被害者は違う」(住民)
中国で起きた抗議活動としては今年最大規模とみられますが、国営新華社通信は暴動について、「一部の人が真相を知らない大衆を扇動した」と伝え、このニュースを扱ったインターネットサイトは次々と閉鎖され始めています。(30日17:16)