下関市の嶋倉剛教育長(44)が、朝鮮半島に対する日本の植民地支配について「歴史的事実に反する」と発言した問題で、江島潔下関市長は三十日、記者会見で「発言が報じられた後、教育長は(植民地支配と侵略を認める)政府見解を尊重すると表明しており、わたしから謝罪や訂正を求めることはしない」と述べた。
一方で江島市長は「学校の補助金を求める際に、過去の問題を持ち出すのは筋違いだという教育長の考えには一定の理解ができる」とも語った。
嶋倉教育長は文部科学省のキャリア官僚で、今年五月、下関市に赴任。六月二十六日、補助金増額の陳情に訪れた山口朝鮮学園の理事長らが「植民地支配により日本に渡航せざるを得なかった朝鮮人の子弟が通っていることを踏まえてほしい」と求めたところ、教育長は「植民地支配という部分は歴史的事実に反するので受け入れられない」と発言した。
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