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「SYRIEZ ON LINE」は、アックスコンサルティング発行の会計人のためのコンサルティング情報紙「月刊シリエズ」編集部が配信するオンラインマガジンです。

高齢化社会をどう活用すべきか [関連情報]

2005年02月24日

20050224.jpg総務省統計局は今週21日(月)、「平成16年10月1日現在推計人口(確定値)」を発表しました。それによると、65歳以上では平成15年より565人増加しているもの、65歳未満では逆に人口が減少していることが分かりました。65歳以上の高齢者の人口は年々増加の一途をたどっており、少子高齢化が改めて浮き彫りになりました。

まさしく事態は深刻ですが、いつの時代も変化はチャンスに変えることができます。会計事務所の立場から見て、この高齢化社会はどのようにチャンスに変えることができるでしょうか。

ひとつはマーケットとして高齢化市場をどのように攻略するかということです。相続を中心とする業務の組み立てですでに明確な戦略を描いている事務所もありますが、高齢者向けのファイナンシャルサービスはまだまだ参入の余地があります。資産家層だけでなく、一般の高齢者も射程に入れればビジネスチャンスは大きく広がっていきます。

また、高齢者を対象とするビジネスを展開するさまざまな企業とタッグと組むという方法も考えられます。いずれにしてもこの大きな市場を無視して、今後の会計事務所のビジネスを発展させることは難しいでしょう。

もう一つの視点は会計事務所における高齢者の雇用です。定年を迎えた人でもまだまだ十分に余力を残している人は数多くいます。その中には会計事務所の経験がある人や長年企業の会計に従事していた人などもいます。こうした人々を活用することも、これからの人材戦略になるのではないでしょうか。

団塊の世代が65歳を迎えるころ、日本の高齢化はピークに向かっていきます。これをネガティブに捉えるのではなく、プラスに活用することこそ次の時代を作ることになると思われます。

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職員の退職をどう防ぐか [事務所経営]

2005年02月17日

職員の退職をどう防ぐか会計事務所も規模が大きくなってくると必ず職員の退職の問題に直面します。有力な職員の独立、はたまた集団脱藩などといった事態を経験した事務所も数多くあります。最近でもこうした話を耳にする機会は少なくありません。

こうした事態は避けられない側面もありますが、それでも事務所の運営やコミュニケーションの取り方によっては被害を少なくすることができると思います。実際、そうした経験をした事務所では、そのときの反省から職員を経営に巻き込むように運営を変えた事務所が多くあります。

例えば、ある事務所では全員参加の研修を毎日行ない、職員全員に発言を促すことでコミュニケーションを図り、最終的には経営の意思決定も全員で行う体制を築きました。また、別の事務所では職員の評価を所長一人が行うのではなく、他の職員も参加させることにより、責任と権限を与えています。

このように職員を経営に巻き込んでいくことは重要なことですが、その前の段階で現状のスタッフのモチベーションのレベルを調べておく必要があるかもしれません。いわゆるモチベーションサーベイと呼ばれるこの調査では、事務所と職員一人ひとりとの距離や関係を測ります。なぜこの事務所で働いているのか、現状の事務所をどのように見ているのか、何が仕事の障害になっているかなど、職員のありのままの考えを聞くのがこのサーベイです。

会計事務所の間でも最近はCS調査を行うところが増えてきましたが、このモチベーションサーベイはいわば所内のES(社員満足)調査にあたります。できれば全員参加でフランクに話し合う場を設けることが理想ですが、それが無理なら無記名のアンケートなどを実施してみてはいかがでしょうか。

いずれにしても現状を正しく把握できなければ、改善の方策も見えてきません。(月刊シリエズ編集部)

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「法人税全表」とアウトソーシングを活用して、バーチャル会計事務所を目指す事務所経営の事例 [PR]

2005年02月10日

「申告書が簡単にできるから『法人税全表』は手放せません」

公認会計士の赤坂満秋氏は、これまでの会計事務所経営の領域を超えた「バーチャル会計事務所」を目指している。こうした「一歩進んだ事務所経営」に欠かせないのはソフト「法人税全表」だと語る。赤坂氏のソフト活用術を聞いた。

バーチャル会計事務所の根幹をなす『法人税全表』「法人税全表」

「私が目指しているのはこの『法人税全表』とシステムを使ったバーチャル会計事務所です」と語るのは公認会計士の赤坂満秋氏。

「クライアントからもらうデータはそのまま外注先である主婦のパートの方々に送って処理し、私はその会計データをこの『法人税全表』を使って申告書まで作ります。このソフトを使うと申告書があっという間にできてしまうのでほんとに重宝しています。ネットを活用することで会計データの作成のために事務所を借りて従業員を雇う必要がなくなる、こんなバーチャル会計事務所を目指しています」

赤坂氏は常時3人、繁忙期にはプラス3人の外注先の主婦と契約している。業務の流れは以下のとおりだ。まず、関与先から直接外注先に電子データを送り外注先の主婦はこれを会計ソフトにインプットする。まとめられた会計データを赤坂氏が必要に応じて毎月関与先にレビューする。基本的には外注先の主婦が最終の決算処理まで行なう。当然外注先の主婦には相応のスキルが求められるし「訓練するのがたいへん」(赤坂氏)という側面もあるが、赤坂氏は企業と提携して地方に外注先を求めることでアウトソーシング先で困ることはないと考えている。こうした会計事務所の新しいかたちを構築する上でも『法人税全表』は有効なツールになるのだ。

ほかのソフトではできない「残り2割の業務」で威力を発揮

「以前は申告書を書く際に税務署に行って別表を取ってこなければいけないということがありました。たまにしか使わない別表や届出書は普通のソフトには入っていませんから。ほかのソフトでは使用頻度の高い別表に絞っています。絞り込んだこれらの別表で8割の業務は支障なくできると思います。しかし、残りの2割の業務の手間がたいへんなのです。そしてもうひとつの大きなメリットは間違いがないということ。人の手で作った申告書は間違うこともないとはいえません。しかし私の場合『法人税全表』を使い始めてから一度も間違えたことはありません。今朝も知人の会計士と話していて法人税全表を使い始めてから一度も間違えたことがないと話したらビックリしてすぐに買うといっていました(笑)」

赤坂氏の感覚では手書きで1週間かかっていた業務が半日で済むようになったという。また、このソフトを職員が使うことで所長税理士の仕事が軽減されるという。

「私は自分で使っていますが、職員を何名か抱えている税理士事務所では職員が法人税全表を使って申告書まで作れるようになることで所長の負担は相当減ると思います。また、申告書のかたちをしているので職員に使わせやすいですから。職員がこのソフトを使って短縮できた時間をお客様に向かって使えるのは事務所単位で考えると大きなメリットといえるでしょう。税理士に限らず仕事は仕事から生まれると思うのです。お客様と会っているそのときに仕事を依頼される。事務所で申告書を作るのは作業ですからいかに省力化するかを真剣に考えなければいけないと思います」

法人税全表を使うことで決算書を作る手間、チェックの手間がはぶけること、所長はもちろん、職員の作業時間が短縮できることから会計事務所経営にも大きく寄与すると言っても過言ではない。

法人税全表・表1

「申告書のかたちで入力できるから職員も使いやすいと思います。申告書を書く時間は相当短縮できます」と赤坂氏。(クリックで拡大)

法人税全表・表2

連動関係を見ても分かるように地方税とも連動しており他府県に営業所を構えるような中堅企業の場合に『法人税全表』を使うメリットは大きい。(クリックで拡大)

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欠損法人の比率が高い中小企業 [関連情報]

0210.jpg国税庁は先週4日「平成15年度会社標本調査結果(税務統計から見た法人企業の実態)」を発表しました。それによると、平成15年分の法人数は255万3,135社で、前年より3,048社(0.1%)増加しました。

この数値だけを見ると、法人マーケットは拡大しているように見えますが、法人数の伸び率は平成5年分で前年比2%台を記録して以降、平成6年分以降は1%台に、平成11年分以降は1%を切っています。平成14年分は0.0%、そして今回発表された平成15年分が0.1%ですので、伸び率は極めて鈍化していることが分かります。

また、法人数を資本金階級別に見ると、伸び率が高いのは資本金1,000万円未満の企業で、14年分が1.2%、15年分が1.3%それぞれ増加しています。これに対して資本金1,000万円以上1億円未満のゾーンを見ると、平成14年分が‐1.4%、平成15年分が‐1.3%と、逆に減少しています。さらに、資本金1億円以上10億円未満と10億円以上の企業では微増となっています。

つまり、全体としては微増傾向にあるが、増えているのは資本金1,000万円以下の零細・小企業で、1,000万円以上1億円未満の中小・中堅企業は減少しているわけです。会計事務所の主要な顧客となる中小・中堅企業が減少していることに注視すべきでしょう。

欠損法人の割合は68.1%で、平成14年分の68.9%、13年分の68.3%と比べると、わずかに改善されています。さらに、これを資本金階級別に見ていくと面白い現象が発見できます。資本金1,000万円未満の企業では欠損法人は69%、1,000万円から2,000万円未満の企業では76%、資本金2,000万円以上5,000万円未満の企業では47%となっています(いずれの数値も連結子会社を除く)。

資本金1,000万円以上2,000万円未満の企業は全体の33.5%を占めていますが、このゾーンの欠損法人の割合が最も高く、次いで全体の46.1%を占める資本金1,000万未満の企業が足を引っ張り、資本金2,000万円以上の企業では概ね欠損法人の比率が低いという結果が出ているのです。

会計事務所の主要顧客が苦戦していることがこのデータからははっきり読み取れます。会計事務所の法人マーケットは、依然厳しい状況にあるといえます。

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戦略と計画なくして勝利なし [事務所経営]

2005年02月03日

戦略と計画なくして勝利なしここ数年、会計事務所の間でも経営計画を立てる事務所が増加しています。とはいえ、全体から見ればこれはまだ少数派というのが実情のようです。中には「以前は作っていたが、今は日常業務に追われて時間がない」という事務所もあります。しかし、大変革期を迎えた今ほど経営戦略が重要な時代はないでしょう。

戦略なき経営はもはやこの業界でも通用しません。自らが実現しようとするビジョンとそこに至る明確な道程を描いた計画、そして具体的な行動が伴った事務所のみが勝利を得るのではないでしょうか。

ここのところ独立を断念する税理士が増えています。これは独立後のビジョンと計画を明確に描けないことによるものです。反対にここ数年間に独立した若手会計人を見ると、彼らの大半は明確な目標と戦略を描いています。従来の会計事務所にはないコンセプトや独自の営業戦略を持つ会計人もいます。おそらくはそうした事務所がこれからの業界を変えていくのでしょう。

現状はそれなりの成功をおさめている事務所の中にも危険な兆候が見られます。例えば、職員1人あたり1千万円以上の売上がある事務所でも、その売上構成を見ると上位1割の顧客が売上の6割を占めているといった例もあります。この上位1割の企業に変化が起これば、その基盤は崩れ落ちる可能性があるわけですから、これは安定的な経営状況とはいえません。

会計事務所の顧客層はよく2:6:2などと呼ばれますが、成功を収めた大型事務所を見ると1:2(3):7(6)という構造になっているところが少なくありません。つまり、いわゆるAクラスの層が1割、2~3割がBクラス、そして残りの6~7割がCクラスというわけです。報酬額が低い顧客が6~7割という構造は、一見すると収益性が低いようにも見えますが、実際にはそうでもありません。

こうした事務所の所長はCクラスのサービスをどのように改善するかだけを常に考えているといいます。普通ならばBをAに、CをBにいかに格上げするかと考えがちですが、それでは経営の安定にはつながりません。それよりは大多数を占めるCクラスの業務を効率化したり、倒産・廃業を最小限にとどめる努力をすることのほうが安定に結びつくわけです。

経営戦略とはこうした構造を意図的に作り上げることです。もちろん、AやBだけに特化することも可能ですし、現に成功を収めている事務所もあります。重要なことは結果ではなく、狙い、すなわち戦略にあります。

誰を相手に仕事をしていくのか。これからの会計事務所にはまず明確な対象と目標が求められます。

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