4月21日から3期市民記者編集委員(黒須みつえさん、西脇靖紘さん、湯浅秀昭さん)のプロジェクトとしてスタートしました、「ニュースのたねを育てようプロジェクト」(以下=たねプロ)。このプロジェクトは、「ニュースのたね」として本掲載に至らなかった記事を本人の推薦、または3期編集委員が持ち回りでピックアップし、編集部から掲載に至らなかった「理由」を「市民記者⇔編集部ホットライン」記者クラブ内に掲載、編集委員と記者の間で共有し、毎週の記事で報告してきました。
目的は、今まで明らかでなかった「ニュースのたね」の理由を明確にすることで、原稿の向上と掲載基準を透明化することでした。 6月27日の西脇さんの『[たねプロ第9弾]「楽天市場」の落とし穴!』で「ニュースのたね」をピックアップが合計8本を数えました。今月で「たねプロ」を終了するにあたって、ひとつの区切りとして、今までピックアップしてきた「たねプロ」を見直して、掲載に至らなかった理由を検証してようと思います。検証することで、今後の記事を書く上で少しでも参考になるのではと考えました。 ピックアップされた「ニュースのたね」記事、全8本を見みると大きくわけて掲載に至らなかった理由が、大きくわけて3つに分けられます。 1.記者が考察した根拠がない 2.読み手に不親切な文章 3.どこかで読んだオピニオン記事 それでは、1つずつ検証してみましょう。 1.記者が考察した根拠がない 編集部からの「ニュースのたね」になった理由で、一番多かった理由です。記者が考察した内容「~と考える。~思った。」などの文章は、その根拠となるものを具体的に文中に示さないと、「なぜ、そう考えるのか」と読者が疑問を持ちます。 例えば、第4弾で取り上げた『ネットカフェ難民を助けるカフェ』では、文中に具体的なファクトを示していないので、全体的にぼんやりした記事になっていました。第5段落に「こうした活動が広まれば増える一方のネットカフェ難民の抑制に多少は効果がありそうだが……」と記述があります。記者がなぜ、そのように考察したか、根拠となる部分がありませんでした。ネットなどで知り得たニュースの感想をそのまま記事にするのではなく、記者が考察した根拠を記事に示さないと読者には伝わりにくいことがわかりました。 第6弾『ひろゆき vs. 切込隊長 隠れた争点』では、第7段落「2ch運営のためのスポンサーや各種アイデアを紹介したというインターネットプランナーの御堂岡啓昭氏は、山本氏側の論理を「とんでもないこと」と指摘する。」とあります。この文章では「とんでもないこと」と記者が指摘した根拠が記事中になく、全体的にあいまいな文章となっていました。 また、第8弾の『大学でもエコ』では、第11段落に「プリンタに紙が積もらなくなった」と文中にありました。前の部分を読んだとしても、これだけでは、今までのプリンタの状況が読者にはわかりません。以前、大学のプリンタの使用状況はどうだったのか? 記事中の使用制限について、結果的にどれくらいのコスト削減になったのかなど、根拠となる具体的なデータや実例を提示することで、読者に伝えたい問題点が明確になるのではないでしょうか。 ここで注意する点は、根拠となったニュースの引用方法です。お知らせ欄に「他ソースの情報の正しい利用法について」として方法や注意点を例にあげていますので、今後の参考にしてください。 2.読み手に不親切な記事 この理由も、多かった理由のひとつです。この理由に当てはまる記事として、第1弾の『門真という町で起こった「160分の159」の不思議』があげられます。12段落目「「自由という言葉 洗脳」などというキーワードで検索すると、私の言う意味がわかるだろう。」とあります。記者自身の言葉で単語の説明がなく、読者にとって不親切な文章になってしまいました。 全体的に文章が「ぶつ切れ」になってしまったのは、第5弾の『東京都内の犯罪事情』でした。この記事は、記者の言葉だけが並べてある文章となっています。記事に流れがないので、読者にとって大変読み難い記事になってしまいました。 第2弾『日英国際対決の電源開発株問題』では、第7段落「あしらわれた印象しかもたない返答だ。」、第8段落「……あきらめるような企業ではないと思う。」と記者の考察が書いています。しかし、その考えの根拠となった部分を示す前に、次の議論に展開をしているため、読者にとって読みづらい文章となってしまいました。 『「たねを育てようプロジェクト」から見えてきたもの(下)』に続く
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