2008.06.26
多発外傷の人が来た
当直の反省。
内科の一人当直。その日の救急当番病院は、地域の総合病院だったのに、 多発外傷の患者さんを引き受けることになった。
「自転車で転んだ患者さんです。軽症です。顔から出血しています」
その日の当番病院が忙しいとかで、「自転車で転んだ」患者さんがうちに来ることになった。 「内科の先生でも大丈夫です」なんて。
たしかにその患者さんは自転車で転んだんだけれど、その上を、 自動車に通過されてた。顔から骨見えて、足はあらぬ方向に曲がってた。血圧は触れたけれど、意識は怪しかった。
多発外傷を内科で診るの無理だから、慌てて当番病院に電話した。さすがに嘘言えないから、 正直に話したら、むこうは満床になった。目の前真っ黒になった。そんなはずないのに。
頭真っ白になりながら、ライン取ってモニターつけて、外科の先生と検査の人呼んだ。
待つまでの20分が、長かった。
ご家族の目は怖い
多発外傷の超急性期は、やることが無数にあるように見えて、やることありすぎて、 実質何もできない。命に関わるような外傷は、手術室が準備できないと手を出せないし、 骨盤を含めた骨折も、状態が安定するまでの間は、手を出せない。
データが揃って人が集まるまでの間、当直はだから、ラインとモニターつないで、あとは 傷口洗うことぐらいしか、「治療」っぽいことができない。
応援が来る前に、病院には身内の人がたくさん集まった。
あなたはどうして叔父の傍らで無為に佇んでいるのですか ? 痴呆なのですか ?
囲まれて、だいたいこんな内容のことを、100倍ぐらい怖くして、尋ねられた。
「今診察を行っている最中ですので、もうしばらく待合室でお待ち下さい」なんてひたすら拝み倒して、 その間ほんの数分だったんだけれど、それがもうとてつもなく長かった。
嘘はよくない
救急隊に、もしも全てを正直に言われてたら「無理です」なんて返事したけれど、 状況を事前に把握できてれば、もっとできることはあった。
「転んだ人」は軽症だろうなんて、重症運んでる救急車を待つ15分間、時間は出血した。
全身の骨に骨折を生じていること。出血のコントールがついてなくて、 救急車内ですでにショック状態であること。最初から分かっていれば、待ってる間に人を呼べた。
小さな病院は、レントゲン技師さんなんかは、基本的にオンコール。当直体制を 引くためには莫大なお金がかかって、小さな施設だと、検査にそこまでの需要がないから、 当直組めない。
技師さんに電話でお願いして、実際来てもらうまで20分。みんなが「正直」で、 正しい情報伝達が為されている前提ならば、20分という時間は十分に現実的なんだけれど、 嘘つかれると大変。
病院に救急車が到着するまで15分。患者さん診て技師さん呼んで、来るまで20分。 最初から本当のところ教えてもらえれば、患者さんの待ち時間は5分間にまで縮められた。
今回のケースは結果として上手くいって、20分の遅れというのは、致命的なことにつながらなかったけれど、 患者さんがたとえば緊張性気胸を起こしてたり、腹腔内に大量の出血を生じてたりしたら、 たぶん大変なことになっていた。
救急隊は、一刻も早く「誰か」に患者さん渡したい。本当のこと話すと、とくにそれがお酒飲んでるだとか、 傷だらけで血まみれだとか、そういう情報を正直に話すと、今の時代、どこの施設も「無理です」なんて 返事が返ってくる。だから「本当のこと」を話せない。
救急隊が「嘘をつく」ことが前提になってしまうと、受けるほうもまた、嘘をつかざるを得ない。 当直医は極限まで無能化して、たとえ「擦り傷です」なんていわれたところで、 「私無能だから擦り傷分かりません」なんて。
うちみたいな小さな医療圏ですらこうなんだから、もっと厳しい地域では、 とうの昔に信頼の輪が破綻してて、送るほうも、受けるほうも、きっと疑心暗鬼がすごいんだろうなと思う。
待つのはつらい
患者さんが落ち着くまでの外傷治療は、輸液入れて、落ち着くまで「待つ」のが基本。
「待つ」というのは、当事者として実際やってみると、本当にきつい。身内の方がたくさん集まってるときなんか、 目線が痛くてものすごく辛い。
「待つ」ことにだって意味があるんだけれど、外から見ると、状況は動かない。 患者さんが輸液に反応して、きちんと持ち直せば、もちろんそれでいいんだけれど、 「持ち直さなかったとき」の選択枝は、外傷の時は、あるようでいてなかったりするから、きっと厳しい。
目線に対する耐性は、患者さんの状態と、手元にある情報の量が決める。患者さんが落ち着くならば、 あるいは状態が悪くても、原因がある程度明らかで、やるべきことが見えてれば、 たくさんの目線と対峙しても、そんなに怖くない。目線に負けてしまうと、ご家族としゃべるのが 急激に辛くなって、その場所から逃げ出したくなる。逃げるところなんてどこにもないんだけれど。
外傷の初期に「待ち」を入れるやりかたは、だから実際に自分でやってみると相当な精神力を要求される。 「待った」結果で心が折れて、医師が状況を自分でコントロールできなくなるケースはきっと多くて、 たぶん日本のあちこちで、みんなルールを破って検査に走ってるはず。
CTは役に立つ
外傷診療のガイドラインは、「患者さんの声」を大切にする。
患者さん正しく問診して、正しく診察して、患者さんの状態が落ち着くまでの間は、 救急外来からは動かさないやりかた。血液検査とか、ましてや画像診断なんて邪道は、後回し。
機械の進歩だとか、患者さんとの信頼コストがすごい勢いで高騰していることだとか、 理由はいろいろだけれど、そんなやりかたは、これからきっと変わっていく。
多発外傷の患者さんは、来たときはもちろん、状態が安定していない。安定していないから、 患者さんは自分のことをきちんと語れないし、痛がってたり、酔っぱらってたりすると、 もっと語れない。問診とか理学所見とか、正確さが患者さんの状態に依存する検査は、 こういうとき信頼性を保証できない。
エコーはあんまり役に立たない。自分が下手なのが悪いんだけれど、体格がいい人だったり、 全身傷だらけでエコー当てる余地なかったりすると、もう分からない。
外傷の治療手段は、そのうちたぶん、「病院に来たらすぐCT」に落ち着くような気がしている。
たとえば「水槽の中を泳ぎ回る魚」を数えるのは、けっこう難しい。動いてしまって、 最初の数匹を数えたところで、もう分からなくなってしまう。泳ぐ魚を水槽ごと写真に撮って、 写真に写った魚を数えれば、こんな時うまく行く。
CTスキャンは、今ではもう珍しくもない機械だけれど、問診だとか、エコーなんかと違って、 客観的な画像を残せる。これを使って、「診断ライン」と「治療ライン」と、一人の患者さんに対して、 マンパワーを2系統、同時に走らせることができる。
CTスキャンは、昔は「死の門」とか言われてて、CT切ってる間に患者さん亡くなったとか、 珍しい話じゃなかったけれど、電子機器の進歩は速い。今の機械は、頭から骨盤まで 切るのに1分ぐらいで行ける。
何よりも、CT1回切るだけで、あふれんばかりの情報が手に入る。 診断するための、方針決めるための、何よりも、集まったご家族の目線圧力に 耐え抜くための、情報というのは、強力な武器になる。
コミュニケーションとしての外傷診療
外傷診療のコミュニケーション要素について、もっと考えられてもいいかなと思った。 まだ応援来なくて、救急外来に自分しかいなくて、いきり立ったご家族に囲まれて、 すごくそう思った。
それが擦り傷でも動脈出血でも、とにかくまずはガーゼで覆って、外から見える血を隠すこと。 バックボードとかネックカラーとか、血で汚れた道具を可能な限り速く外して、 雰囲気「治療されてる」感覚を、一刻も早く演出すること。
みんなが興奮して、現場をコントロールできなくなる事態を避けるためには、もしかしたら もっとも最初に後回しにされるべきなのは、患者さんの病気それ自体なのかもしれない。
男塾に出てきた王大人の治療手技、とにかく見える傷口に包帯ぐるぐるに巻いて、 「治療完了」を宣言するやりかたには、たぶん一面の真実を認めないといけない。
包帯巻くことそれ自体は、患者さんの予後には影響しないけれど、 その光景を見たご家族にとっては、たぶん「包帯の有無」というのは、その後のスタッフを見る目を変える。
それを「意味がないごまかし」と断じるのは間違いで、包帯の効果というものは、 患者さんと、その人を取り巻くご家族という系それ自体に対する治療効果として、 きちんと医師が論じないといけないものなんだと思う。
以前どこだかの事故現場で、子供さんが亡くなった。親御さんがそれを受け止められなくて、 「子どもの顔の傷を何とかしてくれ!」だとか叫んでて、 医師が「もう亡くなってます」なんて言っても全然効果なかったのに、 居合わせた看護婦さんが絆創膏を一枚、亡くなったその子の顔に貼ったら、 親御さんは、子どもの死を受け入れたのだなんて話があった。
外傷みたいな病気ですら、やっぱりコミュニケーションの問題からは自由になれない。
ひどい外傷の患者さん抱えた夜、こんなことを考えてた。
お疲れ様でしたね。疲れたでしょう。ですがお医者さんという仕事は人と対する仕事だと思います。
極論するならば、病気を良くすることより、患者さんの心を安心させながら死なせることが、お医者さんの…(…いや、ここまで書いて、それはお医者の仕事じゃないな、それは患者本人がするべき仕事だな、と思い直しました)。
ですけど、患者の家族を待たせているそのときの、お医者さんの顔つき目つき所作、ほんのちょっとした仕草、声質、喋る語彙、髪型、着てるもの、体の匂いまで、そのお医者さん自身の丸ごと全体が、その仕事を決定付ける要素の大部分になるのじゃないのかなと、思います。
それは何の仕事でも同じだと思っています。
別の言葉で言い換えれば、クライアントに、自分の益のためだけに嘘をつかない人だと、思わせられるかどうか。
私はいつも、それがコミュニケーションだと、自分では思っているのです。
Posted at 2008.06.26 9:37 PM by d
JATEC受けとくといいですよ。いや、受けるべきです。
http://www.jtcr-jatec.org/index_jatec.html
外科系の話で、むつかしいこと抽象的なこと考える必要はありません。外傷患者をみたら、条件反射的にラジオ体操のごとく体が動きだすようにしておくべきです。
これは、ほんとに、真面目なアドバイスです。御一考ください。
Posted at 2008.06.26 10:02 PM by moto
あと、小児の急な外傷死を、親に受容させるノウハウについては、PALSでもワンセッション設けられていますよ。トラブルの元になりやすいからだと思います。
http://www.jspicc.jp/pals/provider.html
最近は、初期診療ってのは、武術の型の様にパッケージ化されていて、off the job trainingで、他科医でも受講可能ですから、ありがたいことです。
逆に言うと、この種のステレオタイプに合致しない体操を披露すると、それだけで不信の目で見られかねないって時代になりつつあるんだと思います。
Posted at 2008.06.26 10:19 PM by moto
骨盤骨折があるようだったら、血圧があるうちに大腿動脈でシースを挿入しておいてください。
ショックになったらサルベージが難しくなります。
IA,IV取れるラインは何でも取っておきましょう
といっても、そんな対応してない病院で働いていたら、道具がなかったり、人がいなかったり、どのみちどうしようもないのだけれど。。。。。
救急隊の騙し方って、本当に酷いと思う
Posted at 2008.06.26 10:55 PM by Med_Law
患者さんの親族は医師の「何とかしている」感がほしいんだろうなあ。
これじゃあ、サービス業だ。
お疲れ様でした。本当に。
Posted at 2008.06.26 10:56 PM by 匿名
お疲れさまでした。そしてご苦労様でした。
Posted at 2008.06.26 10:57 PM by NSR初心者
ご苦労様です。
Posted at 2008.06.26 11:47 PM by はおはお
[…] の当番病院が忙しいとかで、「自転車で転んだ」患者さんがうちに来ることになった。 「内科の先生でも大丈夫です」なんて。 たしかにその患者さんは自転車で転… original article […]
Posted at 2008.06.27 1:00 AM by 次なるもの » Blog Archive » 多発外傷の人が来た - レジデント初期研修用資料
お疲れ様です。救急隊は本当に信用ならないですね。「意識清明なら患者としゃべらせろ」がこれからの正しい電話対応かも。
Posted at 2008.06.27 10:08 AM by ひで
正しいやりかたをやることが、現時点で難しくなってる場所が多いような。「正しいことできないので受けられません」は、受けるほうからすると正しいけれど、なかなかそう言い切れないことも多いですし。。
Posted at 2008.06.27 12:38 PM by medtoolz
空気読まないで書き込みます。
家族に聞こえるほどの大声で、救急隊を叱り付けましょう。
なにが軽症だ!
はじめから”交通事故の外傷があって内科で応需できそうもない”と 言ってくれてあれば
予め外科医と技師を呼んでおいたわ!
手遅れになったらおまえらが責任取れ!
今から家族に詫びいれて来い!
なんて怒声を浴びせましょう。
受け入れ側がはっきりとした意思表示をしなければ、家族の眼からは
助けられない医師が悪い
と思われつづけてしまいます。
まあ正直な状況を伝えられてどう対応するかまでは言えませんが。
Posted at 2008.06.27 2:08 PM by 通行人
>通行人さん
それは単なる責任転嫁で問題の解決にはならないと思います。
ベッドが空いていても重症患者を迂闊に受け入れられない病院と、嘘をついてでも受け入れてもらわなければいけない救急隊という関係が出来てしまっているのが問題の根源ではないでしょうか?
医師数の増加や、医師への不信感を払拭しない限りこういう状況は無くならないと思います。
Posted at 2008.06.27 3:11 PM by 素人
去年の記事も、しみじみ読み返させていただきました。
http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2007/08/post_523.html
Posted at 2008.06.27 5:31 PM by to
内科医なのに、多寡をくくって、“外傷”を受けてしまったことが甘かったですね。救急隊を断っておけば、仮に何かあっても、専門外 で切り抜けられたと思います。専門外には決して手をださないのが、今のJBMです。そもそも、先生にとって専門外の外傷を善意で受けたところで、普通の公立病院なら、収入も、名誉も、何もその分余分に得られないではないですか! 専門分野で地雷を踏んでも、まあ、ある意味、自業自得ですが、専門外であれば、それこそ、(医師にとっては)犬死 です。
Posted at 2008.06.27 11:47 PM by JBM
大変な思いをされ、お疲れ様です。
想像しただけで汗が止まりません。。。
>居合わせた看護婦さんが絆創膏を一枚
こういうことができる人をうらやましいというか、どうやるとそういうことを思いつくことができるのか、教えて欲しい能力だなと思います。
経験なのか、心配りなのか、人として元々持っているのか、育ちなのか。
Posted at 2008.06.28 12:49 AM by tomo
こんなものは、絶対に消防本部へ院長より厳重抗議をしていかないとダメですよ。それができないような(医者を守れないような)院長ならそんな病院は見限った方がいい。彼らはクレームが来なければまた同じ事を繰り返すでしょう。現場の抗議なんてのど元過ぎれば、、、くらいのもんです。現場の個々から組織間へクレームを引き揚げるのが重要ですよ。
受ける方は遅れたとか言われてとんでもないリスクを背負うことになりますが、救急隊で「たらい回し」で搬入できず死亡(後遺症)、なんていうのは地域の病院全体の問題として責任の割合が減ったり、システムの問題に昇華されていったりしますよね。
Posted at 2008.06.28 7:37 AM by ひんべえ
「犬の散歩中に転倒した方です。意識はクリアーです」(実はこの時点でJCSⅢ-100で、脳神経外科のある病院に2箇所断られていたことが後に判明)と言う患者が循私の勤務する環器専門病院に救急搬送されてきました。SSSか完全房室ブロック?と思いつつ、救急室に向かった私は、救急室でとんでもない状況に出くわしました。頭部外傷意識不明JCSⅢ-300の患者がベットに横たわっていました。夜間は直ぐにはCTもMRIも撮れません。一緒に散歩していた妻の話では、犬に引っ張られる形で、神社の階段を転がり落ちたそうです。救急隊員を家族の前で怒鳴りつけました。そして、救急搬送を断った脳神経外科の病院に電話すると、院長を呼んで、文句を言いました。すると、とんでもないことが判明しました。その病院では、電話に出た看護婦が万床を理由に、医師に連絡せずに、救急を断っていました。電話の向こうで、看護師を怒鳴りつける声が聞こえてきました。一つ返事でその病院が受けてくれました。その後、外傷性蜘蛛膜下出血で、緊急手術でその男性は命を取り留めました。救急隊にはもっと、正直になってもらいたいと思いました。
Posted at 2008.06.28 12:14 PM by 循内
お互いの腹の探りあいみたいな関係は、それでも今に始まったことじゃないですよね。。昔からの伝統文化。お互いそれ分かってて、ノリもそんなに変わってないのに、仕事がきつくなるこの頃。。
Posted at 2008.06.28 3:08 PM by medtoolz
ご苦労様でした.
救急隊には、JCS(or GCS)とVitalはルーチンで報告をする様、消防署長に申し入れをしたら、少しはこんなのが防げるでしょうか。
それでも、今は完璧な治療をしても、経過が悪ければ家族からはミスでは無いかと言われ、裁判官から違法扱いされる時代ですからね。
、患者に係りっきりでも「態度が悪い、言い方が悪い」と来る事もありますし。
やっぱり、関わらないのが一番か?
Posted at 2008.06.28 4:39 PM by DDE
お疲れ様でした。治療が上手くいって何よりでした。JATEC以前の問題、JPTECとかBTLSレベルの問題ですね。いやそれ以前に、そもそも救急隊に患者を助けるという気持ちがあるのか、疑問に思います。
今回の症例でもし患者が亡くなった場合、救急隊はトリアージミス(業務上過失)とか病院への虚偽の報告で罪に問われる可能性は無いのでしょうか?「トラウマバイパス」だって救急隊にとっての「求められる医療の水準」であるはずです。
僕も同じような怖い思いを何度かして、いまでは救急車を受け入れる前に何かひっかかる時は、患者と直接電話で話をさせてもらう様にしてます。
患者と話すことで、こちらが少し安心して受け入れられる場合もありますし、逆に患者に他院に行く方が良いと納得して頂けることもあります。
先生の勤務される地域はそんなこと言ってられないくらいの酷い状況なのでしょうが。。。
Posted at 2008.06.28 6:02 PM by shintagon
当地の救急隊は問答無用で当院に搬送します.
第1報 詳細不明です.
第2報 大人です.詳細不明です.
未だ搬送拒否できる病院に勤めることができません.
Posted at 2008.06.29 1:18 AM by doctake
お疲れ様でした。大変でしたね。
明らかな(意図的な?)救急隊のトリアージミスですね。救急隊が搬送してきた時にサインする例の用紙には、後で報告する事例としてチェックするところがあるので、こういう時には必ずチェックして後から本部から連絡させるようにしましょう。
救急隊は受傷機転で搬送先を判断するフシがあります。歩行中の転倒や、自転車事故は軽症と言われがちで何度も痛い目を見ているような気がします。どうでしょう。
Posted at 2008.06.29 2:24 AM by ときめー
医者としてはJATECのほうが優先ですが、JPTECも受けておくといいかもしれませんよ。こちらは、一日、受講料は8千円で済みます。
http://www.jptec.jp/
救急隊の側の心理が把握できるというか、どういうやり取りをすれば、お互いにとって妥当な解決になるいのかが、わかると思います。(わたしは先日受講してきました)
わたしは、美容外科の個人開業医で、救急にかかわる機会はまずないのですが、万が一(たとえば秋葉原の事件のようなことに遭遇して、否応なしに医者としてかかわってしまった場合)のための備えとして、スキルを維持することにしています。
最良の防衛策は、わたしのように現場からの逃散ですが、それでも完全とはいえないと思うので、そうしてるわけです。
まして、救急の外来に立つ方であれば、内科で専門外だから対応できなかった、では、いくら救急隊を罵倒したところで、地雷を踏んだときには正当化できないと思います。
救急隊との駆け引きを学ぶためにJPTECを、最低限の地雷を回避するためにJATECの受講を皆さんにお勧めします。
Posted at 2008.06.29 11:00 AM by moto
続き)
救急隊を罵倒するべきだ、との意見が優勢のようですが、喧嘩ってのは、能力が要ります。
めったに診ない多発外傷の患者を前に、救急隊罵倒する余裕があるものかどうか。。
説得力のある罵倒ってのは難しい、よほど演技力があるか、そもそも本当に救急の能力があるひとでないと、かえってヤブヘビではないでしょうか?
Posted at 2008.06.29 11:22 AM by moto