場面カット
小島大和 公開期間:2008/6/30〜2008/7/6

使用楽曲
「ボインVSボイン」

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インタビュー ジャズと筆書きのインパクト 小島大和

場面写真1
場面写真2
場面写真3
本人自画像
▲本人自画像

 「ボインVSボイン」を選んだのは、ジャズっぽい感じが好みだったからです。ジャズっぽい感じに、和風のテイストを合わせたらおもしろいだろう、というのが発想の発端です。ほかの人より目立つならこれだろう、という目論見も多少ありましたね。

  目標は、作画に関してはひとりで描くこと。きっとみんな動かしてくるだろうから、こちらはラストを除いてできるだけ止め絵にして、か、その分一人で描ききろうと決めました。

  キャラクターを描くのに使ったのは筆です。それまで一度も使ったことはなかったんですが、自己流で作画用紙に描いていきました。作品の雰囲気を考えて、墨は薄墨を使っています。キャラクターもかなりアレンジを加え、あえて気持ち悪い感じで描いてるんで「こんなの私の好きなカミナじゃない!」ってきっと言われるだろうなぁなんて思いながら描いてました(笑)。

  美術は、友達で美術をやっている大久保錦一さんに頼みました。最初にテイストの方向を打ち合わせて、それに沿って描いてもらいましたが、お任せのところもあって、襖絵にクワガタやクレーン車を描いてきたのは「おもしろいな」と思いましたね。

  逆に個人的な反省として、もうちょっとなんとかしたかったのは撮影さんへの指示ですね。スライドの指示一つとってもなかなか的確にお願いすることができなかったので、そこについては申し訳なかったと思ってます。これは今後の課題です。

  いちおうストーリーらしきものを考えていないわけではないんですが、そこにポイントがある作品ではないです。見せ方もできるだけ細かく映像を区切ってシャッフルするように並べるようにしています。その中には、ストーリーとは無関係になんとなく絵柄がおもしろいから描いちゃって入れたカットもたくさん入っています。むしろ好き勝手に脳内でつないでいってストーリーや世界観を妄想してもらえたらなと思います。ただ、ラスト近くのグレンラガンが出てくるあたりからは、ちょっと流れのままになっているので、もうちょっとバラバラにシャッフルしたかったな、と思います。

  とりあえず作画を一人でやりとげる、という目標は達成できたので満足しています。
シルエットで緊縛された人が出てくるカットは、「和風テイストならやはり緊縛だろう!」と思って描いたんです。でもラッシュをスタッフみんなで見た時には、ちょっと恥ずかしくていたたまれませんでした(笑)。個人的にうまく描けたと思うのは「紅蓮邏巖を呼び出す男の子」ですね。

  ここまで好き勝手できる機会は滅多にないので、参加できてよかったです。またこういう作品を作る機会があれば是非やりたいです。(談)


こじま・ひろかず
天元突破グレンラガン・第23話作画監督/各話原画
主な作品に『フタコイオルタナティブ』(原画など)、『コヨーテラグタイムショー』(キーアニメーターなど)、『トップをねらえ2!』(原画)など


(C)GAINAX・中島かずき/アニプレックス