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中国・貴州で数万人デモ 強姦捜査に不満、警察と衝突

2008年6月29日20時27分

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 【香港=奥寺淳】29日付の香港紙明報などによると、中国貴州省甕安(おうあん)県で28日午後、少女(15)に対する強姦(ごうかん)事件をきっかけに抗議デモが発生した。数万人の住民と警官が衝突し、警官の発砲で住民1人が死亡。公安当局の建物や車両などが放火された。中国で今年起きた最大規模の騒乱とみられる。国営新華社通信も報じており、中国政府も事態を重く見ている。

 明報などによると、少女は首を絞められ、遺体は川で見つかった。この事件で、警察は容疑者2人を逮捕したが、翌日釈放した。遺族が死因を詳しく調べるよう抗議したところ、少女の叔父らが殴られて病院に運ばれた。これを知った少女の同級生や住民らが次々と警察に詰めかけたという。明報によると、容疑者に公安幹部の息子が含まれていたという。

 香港の人権団体「中国人権民主運動情報センター」によると、騒乱鎮圧のため武装警官など約1500人が出動。抗議デモに参加した人の情報として、少なくとも住民200人が拘束され、150人がけがをして病院に運ばれたという。

 「役所で焼き打ち事件があった」と伝えた新華社通信は、事件の背景として、少女の死因鑑定に不満を持つ人の一部が真相の分からない大衆を扇動し、少数の不法分子が事務所や車に火をつけた、と指摘。また騒乱の規模などには触れず、地元当局によって事態は沈静化したと報じている。

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