家の前を通る市道で車道の幅が狭められて、十日ほどになる。毎日観察しているのだが、確実に車の速度が落ちている。
道は、これまで住宅街の端で行き止まりだった。だが、近く延長されて幹線道とつながる。そうなると交通量が増え、事故の危険も増すことが予想される。安全の向上策として道路改良が行われた。
住宅のある側の路側帯が一・五メートルほど道路中央寄りに寄せられ、車道幅は正味で四メートル弱になった。対向車がすれ違うのがやっとで、スピードを落とさざるを得ない。以前に比べ、平均で時速十〜十五キロ程度は違うように思う。
狭い日本、歩いている子どもやお年寄りのすぐ脇を車が猛スピードで走り抜ける風景がいたる所にある。住宅街の中など人と車が混在する生活道路では特に、交通法規の上だけでなく道路構造自体、もっと人優先であってよい。
警察庁の「生活道路事故抑止対策マニュアル」は生活道で車を走りにくくし、速度を抑える必要を強く訴えている。路側帯を蛇行させる、道路の一部が盛り上がって見えるように塗装するといった工夫事例もあり、なるほどと思った。
身近な生活道の問題一つとってみても命を守るための投資が必要なことが分かる。一般財源化がいわれる道路特定財源の使い道は慎重な議論が大切だ。