◇みんなでアジサイ植えたよ
三重県熊野市立五郷小学校(田垣内始校長、四十四人)の全校児童が、環境体験学習の一環で、五郷町を流れる湯ノ谷川の源流に、ヤマアジサイの苗木約百五十本を植えました。
きれいな水の源になり、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)も吸収する森林を作ることを通じて、「里山の大切さを多くの人に知ってもらいたい」と考え、実施しました。
ヤマアジサイを植えるのは今年で三回目。約十センチメートルの苗木は、同町で林業を営む辻本力太郎さん(69)が昨年六月から育ててきたものです。過去二年間の植栽で、いまでは幅約五メートル、長さ約二百メートルの花壇になりました。花は白、黄色、紫など約十五種類あり、今年植えた苗木は来年から花を楽しめるそうです。
この日、辻本さんは「広葉樹の山づくりをしています。広葉樹の葉っぱは、秋になると地面に落ちて腐葉土になり、土の中の微生物や昆虫を育てます。そうすると、山の保水力も強まり、自然が豊かになります」と説明しました。
また、ヤマアジサイを植える時の注意として「石があったら取り除き、定規で測って雑草が出てこない七十センチ間隔で植えてください」と話しました。児童たちはスコップを手に、間隔を測りながら苗木を植えました。
一年生の宇城夢さんは「ヤマアジサイを初めて植えた。楽しかった」とにっこり、五年生の津本裕也君は「大きくなってと願いを込めました。花が咲くのが楽しみです」。また、田垣内校長先生は「植樹を通して環境のことをいろいろ考え、山を大切にする大人になってほしい」と話していました。