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【コラム】 IPアドレスが枯渇すると、インターネットはどうなるの?

IPアドレスが枯渇しつつある…らしい。総務省などの予測によれば、2010年ごろには足りなくなる可能性があるという。アレ? もう数年後の話じゃないですか! 

IPアドレスは、ひらたくいえばネットワーク上の住所のようなもの。たとえば、自宅からインターネットに接続する際には、インターネットサービスプロバイダ(以下、ISP)から、自宅のルーターにIPアドレスが割り当てられる仕組みになっている。この住所があるからこそ、様々なサーバなどにアクセスすることができ、インターネットは成立しているわけだ。

だが、このIPアドレスは数に限りがある。最初に約43億のアドレスしか管理できないシステムで作ってしまったからだ。枯渇したら、これ以上インターネットは広がらない、ということなの? だったら大問題なのでは!? 日本国内でIPアドレスの管理を行っている日本ネットワークインフォメーションセンターの前村昌紀氏に話を聞いた。

「現在のIPアドレスは、ほとんどがIPv4というプロトコル(通信手段)を使っています。枯渇しつつあるのは、このIPv4アドレスなんですよ。すでに、IPv6という次世代IPプロトコルがあって、これなら桁違いに大量のアドレス(340億の100兆倍の100兆倍!)を確保することができます」

さすが。それなら、まったく問題ないですね。良かった、良かった。

「いや、そう単純でもないんです。IPv4とIPv6には互換性がない。つまり、IPv4の人は、IPv6上にあるサイトは見られない。逆に、IPv6の人は、IPv4上にあるサイトが見られない。現状、ほぼIPv4でインターネット空間が形成されているわけですが、新しくIPv6のインターネット空間を作って相互乗り入れを可能にしなければ、これからIPv6アドレスを割り当てられる人は困りますよね。ところが、ISPなどのネットワーク事業者からすると、そう簡単なことでもないんです」(同)

今、IPv4のアドレスを割り当てられている個人ユーザーは、とりあえず安泰なんですか。今後、IPv4アドレスを割り当てられなくなる可能性があったりするのでしょうか?

「たぶん大丈夫だとは思いますが…今、インターネットにつなげる環境にある方は、即座に困ることはないでしょうね」(同)

ホッ。では、僕が愛してやまない、あんな掲示板やこんな動画のサービスなんかも今まで通り使えるんですね。あらためて、良かった、良かった。

「ただ、IPv4アドレスが枯渇する以上、IPv6のサイトが徐々に増えてきます。長い目で見れば、いずれIPv4の方が少数派になるので、どうすればスムーズにIPv4からIPv6に移行できるかが課題になっているんです」(同)

もしIPv6サイトで、ものすごく魅力的なサービスが出てきたとしても、IPv4アドレスを使っているユーザーは利用できないってこと? そ、それは困る!

「実際にはそうならないように、IPv4からIPv6に変換するトランスレータをISPが導入するんじゃないかという予測もあります。ただ、これがもし実現しても、多少サービスに制限はかかってしまうでしょうね」(同)

どうやら他人事では済まなさそうなIPアドレス枯渇問題。その動向には注目しておいた方が良さそうだ。
(R25編集部)

IPアドレスが枯渇すると、インターネットはどうなるの?はコチラ

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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