綾待 悟(仮名)さま
初めまして、あかへびと申します。
今、貴方が自らの過ちに気付き、自発的に謝罪を申し出てくれた事に無常の喜びを覚えずにはいられません。
貴方の勇気有る行動こそが、私が真に望みながらも成し得なかった1つの到達点なのです。
それは今までの苦労、これからの辛苦すらも癒すほどの本当に喜ばしい出来事です。
本当に有り難う。
私への謝罪に、心からのお礼を申し上げます。
貴方にしてみれば誹謗中傷した相手に礼を言われる不思議に首をひねる事でしょう。
ですが良く考えればすぐ分かるはずです。
若人の成長を喜ばない大人がいるでしょうか?
自らが犯した過ちに気付いて前非を悔い、真剣に許しを乞うて首を差し出す若者を容易く切れる大人がいるでしょうか?
取り返しのつかない大罪を犯したのでは有りません。
貴方がした事は、大人になる過程で誰もが通過する、数有る過ちの1つでしかないのです。
私達、大人はそれを知っています。
私達自身が同じ類いの過ちを犯し、それを許されて生きているのです。
かつて許された私達が、貴方を許さない道理は有りません。
過去から未来へと。
許せる過ちは許し合って、私達は共に社会を形成して生きて行くのです。
『行く』とは、決して『逝く』では有りません。
私達は無数に存在した先達の背中から学び、そして無数に生まれ育つ後進に背中を見せて未来へと進むのです。
貴方は絶望しなかった。
私に切り捨てられる恐怖と戦いながら、自身の過ちと対峙して責任の何たるかを自覚した。
これを成長と言わずして何でしょうか。
私は、この瞬間を目撃できた事を感謝せずにはいられません。
困難を極める私の戦いには確かな意味が有りました。
その事実を貴方の勇気が証明してくれた。
こんな嬉しい事は他に知りません。
そして叶うなら。
今すぐにでは無く、遠い将来で構いません。
いつか、どこかの誰かが不幸でいたら。
誰かの助けが必要ならば。
貴方の力で助けて下さい。
どうか宜しくお願いします。