地球温暖化の影響で北極の氷は今年の夏、9月までに消滅する可能性が非常に高いと、米国の研究者が警告した。この夏の北極圏の氷を左右するのは今後数週間の天候次第で、氷が残るか消滅するかは五分五分の可能性だとしている。
米国立雪氷データセンターの研究者マーク・セリーズ博士によると、北極圏の氷はここ数年でどんどんと薄くなり、昨年の夏には観測史上、最も薄い状態になった。そのため、これまで流氷や氷山のため使えなかった北西航路が、砕氷船なしで航行可能になっていたという。
また、数年前までは、夏に北極の氷が消滅するのは2050年から2100年ごろと考えられていた。最近ではこの予測が2030年ごろと見直されたが、現実にはこれを上回る速度で氷が減少していると指摘している。
過去数十年で北極の氷は徐々に減ってきているが、進行している急激な減少は周期的なものではなく、地球温暖化の影響が強いとしている。
さらに、低温な気候が数年続けば、一時的に氷の量が回復することはあるかもしれないが、現在の状況が続けば、北極から氷が消滅することは避けられないと
いう。