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普天間爆音訴訟 沖縄の負担軽減を進めよ

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の周辺住民三百九十二人が、ヘリコプター部隊を中心とした米軍機の騒音で健康被害を受けたとして、国に対し夜間・早朝の飛行差し止めと過去や将来にわたる損害賠償を求めた訴訟の判決が那覇地裁沖縄支部であった。

 判決は、国に対し原告全員に総額約一億四千六百万円の賠償金を支払うよう命じたが、飛行差し止めと将来の賠償については請求を退けた。一部とはいえ、同飛行場の騒音被害を裁判所が認定したのは初めてだ。判決を受け、国は一層の騒音対策に取り組まねばなるまい。

 市街地に立地する普天間飛行場は、「世界一危険な基地」と言われ、沖縄県の基地負担の象徴となってきた。二〇〇四年、飛行場に隣接する沖縄国際大の構内に大型輸送ヘリが墜落し、不安が現実のものとなった。判決理由では「沖縄国際大への墜落が、近隣住民の精神的被害を増大させたと推認できる。国の防音対策も不十分」と断じた。当然の指摘だろう。

 一方で、原告側が最大の争点に据えた深夜・早朝の飛行差し止めについて、棄却理由は「国は米軍の活動を制限できる立場にない」とした。過去の判例を踏襲したもので、物足りなさが残る。

 一九九五年の少女暴行事件で県民の反基地感情が高まった。翌九六年、当時の橋本龍太郎首相の下で、日米両政府は代替施設の完成を条件に、普天間飛行場の五―七年以内の返還に合意した。

 移設先として、政府と県は名護市辺野古の沖合に軍民共用空港を建設することとし、九九年には計画を閣議決定した。ところが、反対派住民の座り込みなどでボーリング調査が中断して足踏み状態になった。

 その後、米軍再編に絡んで日米両政府は二〇〇六年五月、名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部でV字形滑走路の建設を決定した。しかし、少しでも沖合へ移動させたい県との一致点は、いまだに見いだせていない。

 日米両政府が普天間飛行場の返還に合意して既に十二年が経過した。その間、同飛行場の移設も含めた米軍再編を一四年までに完了することで合意した。しかし、再編は進まず、今でも在日米軍専用施設の約75%が沖縄に集中したままだ。米兵による不祥事も相次いでいる。

 今回の判決を機に、国や関係自治体は普天間飛行場の移設問題を着実に前進させるべきである。住民の不安解消のために、沖縄の負担軽減を図ることが重要だ。


GW廃業 派遣の在り方広く見直せ

 日雇い派遣大手のグッドウィル(GW)が七月末をめどに廃業することになった。違法派遣を繰り返したとして罰金刑が確定したため、厚生労働省が事業許可を取り消すのに伴う措置である。

 GWには約四千人の従業員と、一日平均で約七千人の派遣スタッフがいる。廃業に当たっては混乱を最小限に抑える対策が欠かせない。厚労省はハローワークなどに特別相談窓口を設け、仕事を紹介する。きめ細かい対応を望みたい。

 日雇い派遣は、派遣会社に登録すればメールなどで指示を受け、一日だけの契約で職場に派遣される。労働者派遣法の規制緩和を背景に急拡大した。

 企業にとっては効率的に人材を確保でき、労働者は手軽に職場を選択できる。しかし、違法な二重派遣や不明朗な給料の天引きなど問題が相次いでいる。雇用の不安定さや低賃金のケースが多いことから「ワーキングプア(働く貧困層)」の温床になっているとされる。

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件の容疑者が派遣社員だったことに関連し、舛添要一厚労相は、まず日雇い派遣について原則禁止の方向で検討する方針を表明した。

 今後は「禁止の範囲」が焦点となろう。労働者派遣法は当初、派遣対象を通訳など専門性の高い十三業務に限っていたが、一九九九年に原則自由化した。一概に日雇い派遣が悪いとは言えないが、やはり対象はできるだけ限定すべきだろう。

 日雇い分野に加え、一般派遣の在り方も見直しが求められよう。対象業務は日雇いと同じだ。規制緩和は主に経済界の意向を反映した措置だが、社会の不安定化を招いた一因とされる。労働者保護の視点を重視し、議論を深める必要がある。

(2008年6月28日掲載)
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