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ブームだったのに… 「バイオポスドク」に受難の季節 (2/3ページ)

2008.6.28 21:47

研究職は削減の一途

 ポスドクなどの余剰博士問題は、世界競争力を高めるため文部科学省が進めた「大学院重点化政策」に端を発する。博士課程の在籍者数は、就職氷河期とも重なり、この12年間で2.5倍に増加した。

 その一方で、18歳人口の減少を見据えた大学のスリム化に伴い、博士らが本来就くはずの研究職は削減の一途をたどり、ポスドクは1万5496人(平成17年度)にまで膨れ上がった。そのうちバイオポスドクは6471人を占める。

 「国の施策は10年先を見据えてやったとは思えない」。こう厳しく批判したのは、バイオサイエンス研究の権威、新名(しんみょう)惇彦(あつひこ)・奈良先端科学技術大学院大学名誉教授。

 新名さんは昨年、「ポスドクとバイオ系企業との連携」と題した事例研究を行い、バイオポスドクの現状を分析したが、そこからは、行き場を失ったバイオポスドクの悲哀がうかがい取れる。「これだけ増えてしまった以上、ポスドクは(研究継続をあきらめ)普通に就職することもやむをえない」と新名さん。

 しかし、その責任を国だけに帰することはしない。「企業にも、大学にも、そしてポスドク自身にも問題があった」

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