県と県内4市1町は公立病院の収支改善や医師確保を図るため、県立2病院と県離島医療圏組合が運営する9病院の計11病院を統合運営する企業団を来春にも設立する。離島の五島、対馬、新上五島の3市町に各3カ所ある公立9病院については将来的に各市町1カ所ずつ設定する基幹病院に集約化を図り、残る6病院は分院や診療所にするという。
■五島、対馬、新上五島 基幹病院に集約化
対象は離島の9病院と、県立島原病院(島原市)と県立精神医療センター(大村市)。
県と各市町は昨年10月に企業団設立の方針を確認。これを受けて新上五島町は医療関係者や住民で検討委員会を設けて協議し、基幹病院を上五島病院とし、有川病院を上五島病院付属の無床診療所に、奈良尾病院を60床から19床に減らし診療所とする報告書を今年3月にまとめた。
五島市は7月に検討委員会を設置する予定で、対馬市も同様の検討委員会が10月にも答申を出すという。県と各市町は9月にも各議会に企業団設立を提案する方針。
2006年度の病床利用率でみると、新上五島町の奈良尾病院が49.4%、同町内の上五島病院が85.0%などと差があるのが現状。離島病院の中には常勤医師2人が24時間態勢で勤務している病院もあり、医師の適正配置も課題になっている。
=2008/06/29付 西日本新聞朝刊=