「水商売」に捜査のメスが入る


「糖尿病に効く」飲料水販売の社長逮捕 薬事法違反容疑(朝日新聞) - goo ニュースについて.

 ショッピングセンターやスーパーの入り口に「純水」とか「海洋深層水」なんかの自動販売機が置いてあって,ついつい宣伝にだまされて「水」を買ってしまう人は多いだろう.ところが,この「水」,水道水とほとんど水質は変わらないのだ.まじめな議論は 山形大学理学部のお姐さま がやってるので,この url を読まれて下さい.

 高校で化学を真面目に勉強してこなかった人はたいてい,このウソにだまされてしまう.まず,顧客は「純水」「深層水」専用の高価なポリ缶を買わされる.そして大ていの場合,そのポリ缶を隣の水道水でよく洗わされる.この段階で,すでにポリ缶は汚染されてしまうのである.つまり,水道水はポリ缶の内部を溶かしてしまうのだ.これに気付かない人は非常に多い.この記事を読んで,お店の詐欺行為に気付いた人は,最寄りの「消費生活センター」並びに警察署の「生活安全課」で相談されると宜しいかと思います.

 水というのはほとんどの物質を溶かしてしまう溶媒で,ポリ缶と言えども例外ではない.私も学生時代に「ほんまもんの純水」を作るので,えらい苦労をした経験がある.つまり,大学の研究室並みの設備がないと,ほんまもんの純水やら深層水は作れないのだ.

 それと,大てい自販機の横には屁理屈を並べたマンガが置いてある.そのマンガにはフィルターを何回も通すことで水道水が純化されて「純水」や「深層水」になるという説明がしてあるが,これもまた真っ赤なウソなのである.

 コーヒーをよく飲む人は,コーヒーフィルターのはじっこにコーヒーの黒い色素がついていることに気が付くだろう.そう,フィルターで漉したコーヒーの成分の一部は,コーヒーフィルターの隅っこに逃げていってしまっているのだ.だから,私たちはコーヒーメーカーでコーヒーをたてる時,勿体ないと思いつつも,その黒く色がついた部分をつまんで,豆かすごと捨てて (乾燥させてトイレなんかの脱臭剤にすると良いです),新しいコーヒーフィルターを取付けるのだ.

 つまり,常に「純水」「深層水」の状態を保つためには,イオン交換樹脂という高価なフィルターを一定時間ごとに交換しなければならないし,そのたびに機械を停める必要がある.さて,お近くのスーパーのインチキ水の自動販売機には「フィルター交換中」という表示は出ているでしょうか(笑)

 ここで取り上げた「ノニジュース」なるインチキ「民間療法」も似たようなものだ.インドネシアではノニの実つまり繊維も一緒に食べて民間療法にしているのである.言ってみれば,私たち日本人がゴーヤやキウイフルーツやパイナップルやスイカや夏みかんやリンゴを食べているようなものだ.繊維分を大量に摂取することで小腸からの糖分の吸収を妨害する,それ以上の効果はないのである.ウソだと思ったら,糖尿病が専門の内科医に聴いてみるが良い.この5月に有楽町で行われた日本糖尿病学会の懇談会でもこの話が出て,隣のビルの朝日新聞の記者が取材に来ていたのを覚えている.

 皆さん,くれぐれも「健康」話に,軽々と乗ってはいけない.私は現在2級の視覚(身体)障害者で,糖尿病に罹って15年,その合併症の緑内障が悪化し,ついに右目が失明近くなった.そんなとき,学生時代に生物学や医学を習って良かったと思っている.「健康のありがたさ」ではなく,「失われた健康に付け入る犯罪者をはねのける勇気」である.いくら「健康」であっても,いつかは人間は死ぬ.生物である限り,死なないのはガン細胞だけだ.なぜ,こんな単純なことにみんなは気付かないのだろう.先日も私の親父と同世代の老人が心臓手術で大金を使い果たし,家族から早く死ねと思われているてな妄想を抱いて,可愛い孫娘まで一家全員を殺してしまった事件があった.動物学者の本川達雄氏ではないが,ホ乳類ならすべて,生まれてから心臓は20億回で停まるようなシステムに,鳥類なら呼吸を3億回吸えば死ぬシステムに,脊椎動物なら一生に1kgの体重当たり 15億Jのエネルギーを消費して死ぬシステムになっているのである.

 しかし,私が他のブログでこのような意見を述べると,様々なハンドル名を使って悪口を言う,無知で権力亡者の団塊がいる.この男には一目会って偽物と分かったので,ウソの履歴しか教えていない.しかし,それを未だに根に持っているから,彼の精神年齢は知れたものである.実は彼も「純水」論議や「深層水」論議や「ノニジュース」論議では私と同じ見解を持っている.つまり,化学の分野ではお互いに相互理解しているものと考えている.ところが「彼の専門」(と言っても,大学院博士課程できちんとゼミで洋書で習ったのかどうかは不明)に突っ込むや否や,猛然と反撃をしてくる.いつだったか,彼がラテン語やギリシア語コイネー方言を知らないことを突っ込むやいなや,彼は事実を曲げて,私が間違いを言ったなどとプライド丸出しに攻撃してきた.自分はラテン語もギリシア語も知りませんでした,と素直に外国語の能力のなさを告白すればそれで済む話だ.何も謝れとも土下座しろなどと私は書いてない化学者ならば対等の立場で話をするべきで,さらに引用した文献もさらしてお互いに知識を深め合うのが年上の彼の態度ではないだろうか

 私は幼少の頃から数学や物理や化学が大好きで,化学者だった祖父の「天才教育」のおかげで高校に入る頃には工学部レベルの数学や物理はマスターしていた.ただ,物理や化学とは人間の目を通して自然を解釈する行為だったから,人間そのもの,生物そのものを相対化することができないことに気が付いた.どうしてかは,岩波文庫のジャン・ペラン『原子』を読まれて下さい.つまり,物理学中心の自然科学は人間が自然を搾取して勝手に解釈しているだけの話なのである.

 グリーンピースが取り押さえたクジラの肉について訴訟騒ぎが起こっているが,果たして本当に悪いのはグリーンピースなのか,それともクジラを殺した人たちなのか.私は後者だと思います.人間のやった行為を相対化した,生物学的歴史観から見れば,人間同士の価値観の争いよりも,人間とクジラという異なる種類の動物の価値観の争いの方がずっと「環境」に影響します.しかも,調査捕鯨が安倍晋三という政治家の圧力のもとに「公的事業」の一種として行われてきたという事実を考えれば,グリーンピースの刃の行く末は安倍晋三とその弟・岸信夫へと向けられることは必至でしょう.

 山口県内のJRの駅の売店ではフグと鯨肉の加工品が山と積まれている.つまり,山口県内の人々には,クジラを食うことに対してまったく罪悪感がないことが分かる.要するに「価値観」の問題が上記のグリーンピース訴訟問題なのだ.同じことは最初に取り上げた「水商売」にもそのまま言える.「北朝鮮拉致」問題も実は価値観の問題に過ぎず,「拉致」された人々も,その家族も全員統一協会=勝共連合=Power for Livingの信者で,彼らは30年前に北朝鮮に密入国した文鮮明教祖へありがたく家族を献上したに過ぎない,ただそれだけの話なのに,どうして北朝鮮を悪く言うのか,私にはさっぱり理解不能である.
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コメント
 
 
 
ちょっとつけたし (kaetzchen)
2008-06-28 15:24:48
goo の記事に引用されてなかった部分です.

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 両県警は16日、店頭で同様にPRして販売していたマックスの幹部社員2人を薬事法違反(承認前の医薬品等の広告)の疑いで逮捕し、仕入れ先などを調べていた。

 ノニは熱帯、亜熱帯地域に自生する木で、インドネシアでは果実が民間薬に利用されているという。
 
 
 
新潟・アサヒコム (kaetzchen)
2008-06-28 15:25:49
に詳報が載っていましたので引用します.

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http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000806180005

14店舗27品目でも違反
2008年06月18日


入り口に張り出されたおわび文を読む客=17日午後6時9分、新潟市中央区白山浦のドラッグマックス白山駅前店

 県内にドラッグストア20店を展開する「マックス」(新潟市中央区、井浦康晴社長)の薬事法違反事件で、県と新潟市が立ち入り調査した結果、問題とされたジュースのほかにも14店舗の
計27品目に違反があったことが分かった。商品の不適切な広告記載が常態化していたことが明らかになった。


              ◆


 立ち入り調査は、13日に実施された。問題とされた「NONI原液ノニジュース」は、すでに店頭から撤去されていたという。が、ほかにも、新潟市内などの店舗では、医薬品としての認可がないのに「疲労回復」をうたって清涼飲料水が、「メタボに効く」などとうたってブレンド茶などが売られていた。


 医薬品としての効果が認められていないにもかかわらず効果があるかのように表示するのは、薬事法違反(未承認医薬品の広告、誇大広告)に当たる。


 県と同市が口頭で同社を指導したところ、違反広告は即日撤去されたという。県は「同社の今後の様子をみる」とし、現時点での行政処分は考えていないとしている。


 同社は17日、社長名で「多大なご心配、ご迷惑をお掛けいたしました」などとする謝罪文を出した。問題とされたノニジュースについては「品質に問題はない」としながらも、返品や返金に応じる考えを示した。一方で、「社内で話が出ていない」(営業本部)などとして記者会見を開かずにいる。


 県警の調べでは、幹部社員2人は同社がチェーン展開するドラッグマックス五泉店で、問題とされたノニジュースを店頭に並べ、「糖尿病、高血圧、リウマチ、うつなどの方にも効果が出ているといわれます」などと書いたチラシや掲示物を出した疑い。


 同社は福井市の製造会社から仕入れたノニジュースを1本3980円(900ミリリットル)で店頭やインターネットなどで販売していた。現在は店頭から撤去し、HP上でも販売は中止している。


 ドラッグマックス五泉店近くの薬局に17日、買い物に来ていた五泉市の無職女性(60)は「年を取ると健康に気をつかう。商品の表示を気にするので、間違った表示はしないでほしい」と話した。


 ノニは熱帯から亜熱帯の地域に自生する木で、インドネシアなどでは果実が民間薬として利用されているという。
 
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