あの人は今こうしている　千葉マリア（ベテラン歌手）

　２９日登場の千葉マリアさんは７０年代から８０年代にかけて活躍した歌手。「薔薇の涙」でデビューし、「私がいなけりゃだめな人」「東京ジプシー」などがヒットした。また、その一方で俳優の松方弘樹と愛人関係にあったことを公表し、芸能マスコミをにぎわせ、ワイドショーの常連だった時期もある。しかし、最近は露出が減った。さて、今どうしているのか。

「３年前に薬物依存に苦しむ人や家族をサポートする『サルビア家族会』というのを立ち上げましてね。最近はその活動に力を入れてます」

　東急東横線祐天寺駅近くの喫茶店で会った千葉さん、まずはこういった。

「実はウチの長男（３７）が薬物依存だったんです。１９のとき薬物に手を染め、それがどんどんエスカレートして、最後は警察のお世話になっちゃった。その長男が今は立ち直り、千葉の袖ケ浦で『日本ダルクトゥデイ・ハウス』って薬物依存者の支援施設の施設長をしてるもんだから、ワタシもこの問題にタッチするようになりました」

　家族会は現在、１５家族を抱えている。

「薬物依存は親子関係の不全が原因という側面もある。そんなことで立ち直るには家族の協力が欠かせないです」

　そういえば、家庭が崩壊していた、あの有名女優の息子も薬物依存で何度も逮捕された。

「歌手としては年１回のチャリティーコンサートが一番のイベントですね。ワタシの歌でみなさんを励ますことができたらと思って６年前から始め、去年は長男が琉球太鼓の団体を呼んでくれたおかげで盛り上がりも格別でした。あと、最近は『きみまろの「やってられなぁーい！？」』って綾小路きみまろさん作詞の曲をワタシが作曲したのがきっかけできみまろさんとジョイントコンサートをしたり、ダルク（薬物依存リハビリセンター）の応援歌でもある『春を信じて』って曲を書くなど作詞作曲でも忙しくしてます」

●「松方弘樹さんには、ホント、感謝しています」

　さて、千葉さんで忘れられないのが松方弘樹との愛人関係だ。８７年に公表し、２人の間に子供までいて世間を驚かせた。

「松方さんとは京都のクラブで歌ってたときに知り合いました。子供が成人するまできちんと養育費を払ってくださった。ホント、感謝してます。その次男も２３歳になり、今はワタシのマネジャーでガンバってます」

　愛人問題でマスコミをにぎわせた後、今度は病魔に襲われた。

「１３年前ですね。ある日、お腹が痛くなり、それも尋常な痛みじゃないから病院に駆け込んだら、子宮がんだった。手術は成功して見ての通りに元気になったけど、術後５年ほどはいろいろ後遺症が出てつらい思いもしました」

　目黒区内に次男とふたり暮らしだ。

「今のワタシの支えになってるのは、やっぱりサルビア家族会の活動。いつか親子で寝泊まりできる薬物依存のリハビリセンターを建てる。それが夢なんです」

【2008年5月29日掲載】