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あの人は今こうしている 村川透(ベテラン映画監督)

 早いものだ。あの人気アクション俳優、松田優作が急逝して19年。今も全国あちこちの映画館で“優作特集”が開かれ、またテレビCMに登場するなど、その人気は衰えを知らない。5日登場の村川さんは優作とのコンビで「最も危険な遊戯」「蘇える金狼」「野獣死すべし」「処刑遊戯」などの快作を撮った監督。今どうしているのか。

●「独特のユーモアと寂しさがある。」

「彼の出演作の監督だからってヨイショされるのは、どうも面はゆいんですよ」

 渋谷の喫茶店で会った村川さん、こういって苦笑した。

「ボクの才能なんてタカが知れてる。俳優や周囲のスタッフの助けがあったからやってこられた」が持論だそうだが、とはいえ、松田優作を語る際、村川さんの存在はやっぱり欠かせない。

 優作―村川のコンビが誕生したのは76年のテレビ映画「大都会」だった。

「ただカッコいいのではない。そこに独特のユーモアと寂しさがある。よーし、こいつを売り出そうとボクは夢中になったんです。まず型を壊すことから始めよう、と最初にボクが言った言葉の意味を彼はしっかり理解してくれました」

 それがアドリブを重視するスタイルに?

「そうなんです。彼の十八番たるアドリブを、他の監督は調子に乗るな、と切っちゃう。でも、ボクは逆に生かそうと思った。今でもそれは間違ってなかったと思ってます」

 優作映画は1本3000万円ほどの低予算で製作したという。

「スターにおカネをかけなくても、おもしろい映画はちゃんとできるって見本でしょう。それにしても、驚いたのは彼が膀胱がんで亡くなったときです。あれは平成元年の11月6日で、ボクが演出した2時間ドラマを撮り終え、それからひと月もたたないうちに亡くなったんですが、彼は周囲に自分の最期をまったく悟らせなかった。その覚悟のほどは見事というしかありません」

 それはアドリブを重視し続けた俳優が、人生の最期に放った痛烈なアドリブではなかったか。

 さて、優作亡き後、村川さんが買っている俳優は柴田恭兵だ。

「優作がそうだったように、柴田恭兵もアクション、とくに疾走する姿が実に見栄えする。その意味でもアクション俳優にうってつけの素材なんですね。ボクはこういうこと発見するとうれしくて、体内の血が騒ぎ出してしょうがないんですよ」

 柴田恭兵とは「大都会」「あぶない刑事」などでコンビを組んだ。また、柴田も村川さんを「恩人」と慕い、05年、村川さんの出身地、山形県村山市であった「村川透映画祭」にゲスト出演した。

「ボクがアクション俳優が好きなのは、自分自身がスポーツマン体質だからかな。本当は俳優になればよかったのかもしれません、ハハハ。体形も若い頃とまったく変わらず、昔の友人と会うと、キミはお化けか、と驚かれますし」

【2008年6月5日掲載】


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