AP通信などによると、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は15日、国連の潘基文(バンギムン)事務総長との会談で、7月から日量20万バレルの原油増産を計画していると語った。サウジは5月に30万バレルを追加増産しており、7月には日量970万バレルに達する。
サウジ西部のジッダを訪問した潘事務総長は、記者団に「(サウジは)現在の原油価格は異常だと認識しており、適正価格に戻す用意がある」と述べた。ロイター通信によると、日量970万バレルは81年夏以来の高い生産レベル。
22日にはジッダで産油国と消費国が原油相場の安定化を図る国際会議が開かれる予定。追加増産の表明は、会議を前に世界最大の産油国としての存在感をアピールする狙いがありそうだ。
サウジは5月中旬、ブッシュ米大統領の訪問を受け入れた際、日量30万バレルの増産実施を表明した。しかしブッシュ大統領は規模が不十分との認識を示し、当時1バレル=130ドル手前だったニューヨーク原油相場はその後も上昇を続け、今月6日には139・12ドルをつけ最高値を更新した。
消費国側は大量増産を求めているが、サウジも加盟する石油輸出国機構(OPEC)は「供給は十分」との立場を崩していない。(カイロ共同)
毎日新聞 2008年6月16日 10時19分(最終更新 6月16日 13時51分)