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きょう北方領土返還要求集会 根室市と熊本市で
北海道根室市は29日、北方領土返還を求める集会を開催する。北海道の洞爺湖で来月上旬、主要国首脳会議(サミット)が開かれる機会をとらえ、毎年8月に行ってきた市民大会を前倒しして実施する。各国の首脳クラスや海外メディアに、この問題への関心を深めてもらうのが狙いだ。一方、熊本県北方領土対策協会などは根室市のこうした考え方に共感し、熊本市内で同じ日に県民集会を開いて連帯を表明する。
根室市内で行われる「北方領土返還要求根室市民大会」には、長谷川俊輔・根室市長や元島民に加え、内閣府の中川義雄副大臣や外務省の中山泰秀政務官らが出席する予定だ。このうち中川副大臣は産経新聞の電話取材に、「北方四島は日本固有の領土であり、取り戻すことが基本政策だ。サミット前に大会を開いて、そうした主張をしっかりと世界に伝えたい」と話した。
四島に住んでいた元島民1万7291人のうち、約55%はすでに死去、生存者の平均年齢は75歳を超えている(今年3月31日現在)。しかし、ロシアとの領土返還交渉が進展している様子はみえない。
熊本市内で県民集会を開く主催者側の1人、片岡正憲さんは「(カニかご漁船『第31吉進丸』の北方四島周辺海域での)漁船銃撃事件から2年後に北海道でサミットが開かれるというのに、北方領土問題について何も発言しないのはどうか。せめて2国間の協議ではきちんとテーマに掲げてもらいたい」と話している。