賃貸仲介不動産大手の株式会社エイブル(平田竜史社長)は2008年6月18日、景品表示法の規定に違反しているとして、公正取引委員会から排除命令を受けた。
自社ウェブサイトや賃貸住宅情報誌、ウェブサイト「CHINTAI NET」上の賃貸物件広告が景品表示法に違反すること(おとり広告、優良誤認)を理由とする。9店舗で18件もの違反が見つかっている。 具体的な違反内容は以下の4点だ。 第1に最寄り駅までの距離を実際は徒歩26分であるにもかかわらず、徒歩16分の地点に所在するかのように表示した。 第2に建物の建築年月日を実際よりも新しい日にちで表示した。1979年2月築を1996年5月、1990年10月築を1997年8月に表示した。 第3に存在しない物件を賃借できるかのように表示した(おとり物件)。 第4に賃借中の物件を賃借できるかのように表示した(おとり物件)。 記者自身、不利益事実不告知で売買契約を取り消した東急不動産(販売代理:東急リバブル)の分譲マンションを購入する前はエイブルの仲介で門前仲町の賃貸マンションに居住していた経験がある。 部屋を探す際にウェブで条件に適合した物件を見つけ、エイブルに問い合わせたが、先に契約が決まってしまったということで上記マンションを紹介された経緯がある。最初の物件は「おとり物件」だったのではないかという疑念がよぎる。 この種の問題は1社だけの問題ではなく、業界的な体質であることも少なくない。耐震強度偽装事件や古紙偽装問題、食品偽装事件なども思い出される。 業界の体質に問題!?(写真はイメージ、ロイター) 第1に2005年の錦糸町営業所の媒介広告で、間取り、用途地域、駐車場料金に虚偽があった(参照「不動産広告にだまされないように」)。 第2に2007年12月末から翌年2月にかけての東陽町営業所の媒介広告で、駐車場料金、間取り図、管理会社名、近隣のスーパーマーケット名に虚偽があった(参照「東急リバブル、虚偽広告でお詫び」)。駐車場料金の虚偽は前回と同じである。 東急リバブルの虚偽広告に対しては、2件とも公正取引委員会に情報提供した。公取委はともに東急リバブルが加盟する社団法人首都圏不動産公正取引協議会において改善措置を講じさせた。 2008年5月8日付のオーマイニュース週間市民記者賞の講評では「自分の身近な体験が、マスメディア報道をきっかけに、後から注目を集める(ニュースになる)」記事が評価された。 手前味噌になるが、東急リバブルの虚偽広告を報じた拙記事も時代に先んじた問題意識によるものと自負している。 まだまだ不動産業界は健全な消費者感覚とは乖離している。今後も消費者の立場から不動産業界の問題に注目していきたい。 参考 公正取引委員会「株式会社エイブルに対する排除命令について」 株式会社エイブル「公正取引委員会からの排除命令について」
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