104.近江渡来人倶楽部シンポジウム 在日韓国・朝鮮人の人たちが主宰する近江渡来人倶楽部が
「人口減少社会と外国人政策」というシンポジウムを開催。
パネラーとして参加。大谷正宏さんの司会で、藤正巌、坂中英徳、田中宏、山岡京、河炳俊の各氏と議論。
私の主張の概要は以下の通り。●日本は本来は移民の国。
江戸時代の鎖国が例外。
外国人比率5%くらいは問題ない。
日本の国際化のなかで、在日韓国朝鮮人の存在は貴重。
韓国朝鮮系日本人が集団としてあってよい。
たとえば、半島に本籍を残したままの帰化を認めてはどうか。●バブルの傷を癒すためにも、いましばらく、それなりの経済成長が必要。
そのためには、出生率の向上とともに移民や外国人労働者が必要。
また、日本人の生活向上のためには、福祉分野などで、
先進国型農業の維持や自然保護のためにも外国人労働者の積極的導入が望ましい。
アジア諸国にとっても、日本への出稼ぎで仕送りをすることが
経済自立への手がかりとなる。●(外国人参政権についての質問に対して)私は「与えた方がよい」と考える。
しかし、「与えなくてはならない」という議論はおかしいし、
そういう議論が反発を買って混乱を招いているのでないか。
世界各国をみても、参政権付与は「常識」とまではいえない。
欧州でもマストリヒト条約のさいに激論があって、
フランスでは憲法改正をして条件を付けて認めた。
国のあり方の根本に係わる問題としてとらえる視点は不可欠。
日本でも、懐疑的な指摘にもきちんと対応した上でこれを認めるべきである。●(3K的分野を外国人に頼ることがモラルハザードを引き起こさないかとの質問に対して)
たとえば、昭和30年代や40年代に東北から大都市に出稼ぎが行われた。
それについて、否定的に見る人たちがいたが、そうした考え方がおかしい。
あの時代には高速道路もなかったから、工場進出もできず、兼業はできなかった。
だから、冬の間、出稼ぎして仕送りし、それで、テレビを買ったり家をなおしたりした。
やがて、昭和50年あたりから工場が進出し出稼ぎをしなくてよくなったのだが、
それまでの間のつなぎになったのが出稼ぎである。
もし、それがなかったら、東北からの人口流出はもっと激しくなっただろう。
そういうことを否定的に見るのがおかしい。
外国人労働者がたとえば3Kに従事しているのを子どもたちがみて疑問に思うなら、
「あの人たちが日本で働くお陰で、日本人にとっても利益があるし、
貧しい国もだんだん豊かになっていくのだ」と正しく教えれば
モラルハザードを起こさないはずだ。MENU 105.連休中の出来事についての雑感 © 2001 Kazuo Yawata . All Rights Reserved.