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人民元、台湾でも流通へ

 台湾で馬英九総統が就任して以降、雪解けムードが広がる中国と台湾の間で経済協力の動きが加速している。

 中国の新華社通信によると、台湾行政院(内閣)が26日、人民元現金の売買業務に関する規定を閣議決定したことで、台湾全土の市中銀行は30日から人民元の両替業務を開始する。これにより、台湾人、台湾を訪れる中国人、外国人を問わず、1回2万元(約30万9000円)まで人民元の交換が可能になる。

 今回の措置は7月4日から始まる中台間での定期チャーター航空便就航で台湾を訪れる中国人観光客の便宜を図ることが目的だが、台湾で中国の人民元が自由に流通するという点で中台間の「通貨統合」の出発点と位置づけられる。

 台湾は2005年10月に中国福建省と隣接した台湾領の金門島と馬祖列島に限り、人民元の両替を認めた。ただ、台湾の銀行は人民元の買い取りだけが認められていた。台湾当局はまた、中国の機関投資家が台湾株式市場に間接投資することを解禁し、台湾の金融機関が中国株に投資する際の制限も緩和することを決めた。

 中台間の経済協力活発化は、馬英九総統が台湾の経済再生に向け掲げた「両岸共同市場」構想に従って推進されているものだ。台湾は直行航空路の開設で中国人観光客が訪れれば、毎年2兆ウォン(約2000億円)程度の観光収入と4万人分の雇用創出が可能と試算している。

北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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