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原油高ショックで韓国経済が急減速(上)

 原油高ショックが長期化し、韓国経済が危機に直面している。経常赤字が拡大し、物価が急激に上昇。さらに消費者心理が急速に冷え込み、主要経済指標に一斉に黄信号がともった。その上、2カ月以上続いている米国産牛肉の輸入問題と一部野党のデモ参加により国会の開会が遅れ、出資総額制限撤廃など一連の経済再生関連法案に成立のめどが立たず、企業の投資意欲も低下している。海外では牛肉輸入反対デモが韓国経済に悪影響を与えるとの分析が出始めた。

 27日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)では、米国産標準油種WTIの中心限月8月物が時間外取引で史上最高値の1バレル=142.26ドルまで上昇し、心理的抵抗線の140ドルを突破した。

 石油輸出国機構(OPEC)のヘリル議長(アルジェリア・エネルギー鉱業相)は、「今夏の原油価格は150-170ドルまで上昇することがあり得る」との見方を示した。原油高の影響で韓国総合株価指数(KOSPI)は前日比33.2ポイント(1.93%)安の1684.45ポイントで引け、3カ月ぶりに1700ポイントを割り込んだ。

 韓国銀行は同日、原油高騰で5月の経常赤字が3億8000万ドル(約403億2500万円)を記録し、昨年12月から6カ月連続で赤字を記録したと発表した。1-6月の累積経常赤字は71億7000万ドル(約7608億8000万円)に膨らんだ。

 格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスのトーマス・バーン副会長は、ロイター通信とのインタビューで、「牛肉輸入反対デモが長期的に韓国経済の成長を阻害することがあり得る。キャンドル集会デモで李明博(イ・ミョンバク)政権が推進する政府系企業の民営化が遅延し、米議会での韓米自由貿易協定(FTA)批准も危うくなる」と指摘した。その上で、「(米国産牛肉の輸入を阻止する)民族主義的なムードが外国人の経済参加を阻み、金融システム改革が難しくなる可能性がある」との認識を示した。

李陳錫(イ・ジンソク)記者

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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