国の緊急臨時的医師派遣システムに基づき、県が国に医師派遣を要請していた鰺ケ沢町の町立中央病院に対し、厚生労働省は27日、内科医1人を日本赤十字社から派遣することを決めた。期間は7月から6カ月程度。町は一息ついた格好だが、半年後には再び同様の状況に陥る可能性があり、苦境はしばらく続きそうだ。
同病院は04年には9人の常勤医がいた。しかし、07年までに小児科医が1人、整形外科医が2人からいずれもゼロになり、今年1月には3人の内科医が2人に減った。現在は、内科医2人、外科医3人の計5人が常勤で、非常勤の整形外科医が1人いる。
このため、町は「このままでは救急病院とへき地医療拠点病院の指定中止も考えざるを得ない」と判断。国の同システムを活用し、早期に内科医2人と整形外科医1人を派遣するよう、3月に県へ要請書を提出した。県は今月20日、要請書を国に発送した。
県医療薬務課は「医師不足の現状が継続すれば、入院制限も考えられ、経営をさらに圧迫するだろう」と話している。【塚本弘毅】
毎日新聞 2008年6月28日 地方版