【サンティアゴ=石田博士】捕鯨への賛否が激しく対立している国際捕鯨委員会(IWC)は27日、議論正常化のため設置で合意した作業部会の初会合を9月に英国で開くことを決めた。
同日、チリでの総会終了後に有志国が協議した。来年6月の次回総会をめどに、捕鯨賛成・反対両派が合意できる包括案づくりをめざす。
日本代表団の森本稔代表は総会終了後の記者会見で、作業部会設置について「機能不全に陥っているIWCを改善するための大きな進展だ」と評価した。だが、賛否両派の溝は深く、包括案づくりは難航するとみられるだけに、水産庁の中前明次長は「第二の道も考えなければならない」と、捕鯨支持国だけによる新機関設立に含みを残した。