6月定例岡山県議会は最終日の27日、議事日程終了後の石井正弘知事のあいさつをめぐり、一部議員が激しく反発し紛糾した。一時休憩を挟んだ上、議長が発言内容を注意して閉会する極めて異例の事態となり、今後の県政への影響も懸念される。本会議は午前10時半に再開され、総額1億6700万円の補正予算案、消防防災ヘリコプター契約議案など18議案を原案通り可決。議事日程終了後のあいさつで石井知事は、倉敷チボリ公園問題や県の財政危機問題について説明した。その中で石井知事は、20日のチボリ・ジャパン(チ社)取締役会について「坂口正行社長から会社の解散を諮りたいと提案した」と発言。財政危機についても「今議会での提案を財政構造改革に生かしたい」などと述べた。これに対し、議場から「今の知事の説明は閉会のあいさつになっていない」「内容が事実と違う」などと不規則発言が続出。議会運営委員会開催を求める声もあり、議場が騒然としたため、古山泰生議長は午前11時26分、休憩を取った。休憩中、議会運営委員会メンバーによる「懇談会」が非公開で開かれ、石井知事から発言の説明を求めるかどうかなどを協議。出席者によると「あいさつで見解を述べる際は、議会運営委員会で了承を取る必要がある」「取締役会の中身は公表しないのが委員会審議での当局の説明。それが知事の口から出るのはおかしい」などの意見が出た。しかし、チボリ問題は総務委員会での今後の議論に任せ、議長から知事に注意することでまとまったという。これを受け、本会議は午後0時28分に再開。古山議長が知事あいさつについて「政策的に重要な問題にまで踏み込んで申し述べるのは、いかがなものかと注意したい。内容についてもそれぞれのこともあるが、議会運営の上で適宜、慎重に努力を尽くして対応したい」と述べ、閉会を宣言した。閉会後の定例記者会見で、石井知事は「一般質問終了後に大きな問題で動きがあったら、あいさつの中で報告している」と説明。議長が注意する事態になった点には「重く受け止めさせていただきたい。議会への説明には注意していきたい」と神妙に話した。県議会事務局は「議場が騒然となって休憩に入るのは最近では記憶になく、極めて珍しい」としている。