60年代のテレビ番組表 その2-A

1966(昭和41)年1月2日(日) 朝&昼の部


 今年(1999年)の3月20日に、1月1日(土)の夜の部をアップさせていただき、その際、「今後は、月に2回くらいは更新していくことにしようと思います」と書かせていただきましたが、また、それから、既に、2カ月も経ってしまいました。
 今回は、その翌日、1966年1月2日(日曜日)の新潟日報に掲載された番組欄のうち、朝とお昼の分を紹介させていただき、夜7時以降のゴールデンタイムを含む夜の分は、次回で取り上げさせていただきます。 

click here!
Cyber Click!

 ということで、番組表の対象の日付は1月2日ですが、実際に掲載されているのは、1月1日の元旦の新聞紙上でありました。
 さすがに、まだ、正月2日でありますから、NHK総合では、朝の6時台で、「テレビ体操」に続き、「謡曲『船弁慶』(宝生流)」などという番組が入り、その直後に、東京をつくる『交通問題』磯村英一」という固めの番組が来ておりまして、通常番組と正月番組が、微妙なアンバランスの雰囲気を醸し出しております。
 それはそれとして、まず、目につきますのが、BSNの朝8時から放送された「歌の花ごよみ 舟木一夫ショー」であります。

 この時期、舟木一夫は、いわゆる御三家の中でも、頭ひとつ抜け出したような感じで、人気のピークを迎え、この1966(昭和41)年には、レコード大賞の歌唱賞を受賞することになります。番組が放映された頃は、以前、「お便りコーナー」で紹介させていただいたシングル盤ディスコグラフィーをご覧いただいてもお分かりになるように、ちょうど、前年の秋に「高原のお嬢さん」が大ヒットし、年末に「東京百年」が発売され、この年の2月には「哀愁の夜」がリリースされるというような時期でありました。
 番組解説にもある通り、まさしく「人気絶頂」の時期であり、歌に合わせて七変化の衣装を身につけ、ヒット曲などを歌いまくるというような趣向だったようです。映画「哀愁の夜」で共演した和泉雅子さんが、この番組にも出演されております。
 また、NHK総合で9時から10時までの1時間枠に入っている「うたのお正月」と「人形劇」は、元旦と同じでありまして、正月三が日のシリーズ企画だったようです。元旦に続いて、元スリーファンキーズの高橋元太郎さんのお名前も見えます。
 再び、BSNに戻りまして、10時30分からは、私も毎週見ておりました「狼少年ケン」が、正月2日にも関わらず、通常通り、放送されました。
 さらに、11時30分からは、新潟県が生んだ昭和の歌謡界を代表する歌手の一人でいらっしゃる三波春夫さんの新春特番が組まれております。
 さすがに、新潟日報は、解説欄でも、この番組を取り上げておりまして、それによりますと、「三波春夫を中心に各地の民謡と踊りをはなやかなステージ構成によって繰り広げ」たものだそうで、若山弦蔵さんが「初日の出今昔話」を紹介し、花柳徳兵衛社中が踊るという豪華な内容でありました。
 ところで、三波春夫さんといえば、東京オリンピック(1964年)の際の「東京五輪音頭」、大阪万博(1970年)の際の「世界の国からこんにちは」など、高度成長期の日本を代表するビッグイベントのテーマソングを歌った方でもいらっしゃるわけですが、実は、私が先日来、繰り返し聞いている「植木等的音楽」というCDの中で、三波さんは植木等さんとのデュエットで「新二十一世紀音頭」という歌も歌っていらっしゃいます。
 今世紀最後のビッグイベントであり、100年に一度どころか1000年に一度という巡り合わせの2001年という節目は、地球規模のミラクルビッグイベントであり、その新世紀へのカウントダウンのテーマソングを、60年代の歌謡界を代表する三波・植木という両巨頭が歌うこの歌は、三波さんご自身が作曲されたものでもあり、大変に興味深いものがあります。
 この曲については、改めて、別の機会にも、詳細に取り上げさせていただこうと思っておりますが、伊藤アキラさんの詞の中には、21世紀の開幕をひとつのビッグイベントとして見事に捉えた「オープン初日の21世紀」という鋭いフレーズや、「世界平和だ インターネット 茶飲み話が 国境越える」などという慧眼に満ちた表現も出てまいります。
 ちょっと話が飛んでしまいましたが、BSNでは、12時15分から「スチャラカ社員」、12時45分からは「歌のアルバム」と、60年代の長寿人気番組が続きました。
 一方、NHKの日曜日のお昼といえば、長寿お化け番組である「のど自慢」ということになるわけですが、この正月2日の番組欄を見ると、「初笑いのど自慢大会」という番組名になっており、「事件記者チーム」「お笑い三人組チーム」「マンガ・チーム」などと続いておりますので、NHKの人気番組の出演者がチームを組み、番組対抗“のど自慢大会”というような構成だったのでしょうか。
 現在も、民放では、この手のツマらない(ことの多い)番組が横行しておりますが、そのルーツは、実は、NHKにあったようであります。
 NHK総合では、続いて、宝塚モノの1時間番組や、教養番組風の「初夢博覧会」、ショパン特集のクラシック音楽コンサートが組まれ、夕方4時からは、小野田勇さんの「おもろい女」が登場、再放送ながら、森光子、藤山寛美の顔合わせは、なかなか魅力的であります。さらに、夕方5時40分からは、元旦に続いて、以前、「60年代通信」の「お便りコーナー」でも話題になっていた「長靴下のピッピ」が放送されておりまして、この辺は通常の番組枠のようですから、「不思議な少年」とか「銀河少年隊」、あるいは、「チロリン村とクルミの木」などといった番組も、この辺の時間帯だったということでしょうか。
 さて、再び、BSNに目を転じまして、午後3時からは、正月らしく「東西寄席」ということで、あの染之介・染太郎師匠が登場しております。実に、40年近くにわたり、演芸界の第一線で活躍されていらっしゃるわけであります。
 続きまして、午後4時からは、「クレイジーと遊ぼう」ということで、ブルコメがバックを務めていた鹿内タカシさんや尾藤イサオさん、現在も活躍されていらっしゃる奥村チヨさんや布施明さんなど、ナベプロの当時の新進タレントだった皆さんのお名前が見えております。以前、「お便りコーナー」で話題になった槇みちるさんのお名前もありますから、槇みちるさんも、ナベプロの所属タレントでいらっしゃったようです。
 そして、夕方5時からは、これまた、私が毎週見ていた「ワンダー・スリー」の登場でありまして、白石冬美さんや近石真介さんが声の出演をされておりました。
 さらに、6時からは、たしか、アメリカのアニメだったと思いますが、「どら猫大将」という番組が放送されており、「月光仮面」に出演されていた谷幹一さんのほかに、立川談志師匠や三遊亭歌奴師匠なども吹き替えをおやりになっていらっしゃったようで、これも、ビデオが入手可能なのであれば、是非、一度、見てみたいものであります。
 それから、その後に続いている「バックナンバー333」という番組も、新聞の番組欄を見て、改めて、思い出しましたが、確か、「隠密剣士」の後番組のような番組で、スポンサーこそ武田薬品ではありませんでしたが、「隠密剣士」と同様に、大瀬康一さんの主演で、「月光仮面」や「豹の眼」の頃のことを殆ど覚えておらず、「隠密剣士」の大瀬さんのイメージが強かった私は、背広を着た大瀬さんの姿に、非常に強い違和感を覚えた記憶が蘇ってきました。
 ということで、今回は、NHK教育の番組には、一切、触れさせていただきませんでしたが、ご興味・ご関心のおありになる皆様は、それぞれ、ご自分で、番組表を仔細にご覧いただき、何か、ありましたら、また、フィードバックしていただければと思います。


BSN(新潟放送) NHK総合 NHK教育
06:00 00 [N][天]◇17テレビ体操
22 謡曲「船弁慶」(宝生流)
45 東京をつくる「交通問題」磯村英一
07:00   00 [N]◇12ローカル[N]
16 テストパターン 16 [天]◇18ローカル[天]
  20 新春党首訪問(2)日本社会党中央執行委員長・佐々木更三
30 皇太子ご夫妻と浩宮さま
08:00 00 歌の花ごよみ 舟木一夫ショー「火消し若衆」「浜の若衆」ほか 00 [N]◇06ローカル[N][天]
30 新春放談 細川隆元 小汀利得 10 初春の譜(2)(長唄)曙獅子松崎倭佳▽君が代松竹梅
  40 新春訪問 小絲源太郎
09:00 00 なんでも百年「むかし別ぴん・いまグラマー」 00 うたのお正月 高橋元太郎 水谷玲子 砂川啓介 00 番組のおしらせ
30 皇室アルバム 30 [色]人形劇「せむしの小馬」ボニー・ジャックス 06 新春狂言▽福部の神(大蔵流)茂山七五三 茂山千之承▽縞八揆(和泉流)野村万蔵ほか
45 医療の新しい世界 武見太郎  
10:00 00 歌のタイトルマッチ 司会ロイ・ジェームス 00 日本の春▽日本一の大牧場で働く若者達(北海道駒ケ岳山麓)▽白鳥一家の三代目(新潟・瓢湖)▽宮中参賀 00 ことしのホープ(邦楽)▽長唄「松の緑」▽舞囃子「高砂」▽新内「尾上伊太八」新内直登太夫▽筝曲「桜川」藤田都志ほか
30 狼少年ケン (声)西本雄二 青木勇 水垣洋子
11:00 00 男は太郎「義を見てせざるは」長谷川哲夫 青柳三枝子ほか 00 新春親子座談会 画家生沢朗 00 ピアノ・バイオリンおひきぞめ会▽ビバルディ作曲「バイオリン奏鳴曲イ長調」▽ショパン作曲「ポロネーズハ短調」
30 三波春夫の初春民謡ショー「百年桜」「鹿児島小原節」ほか 20 大地の表情 語り手・光枝明彦
    50 番組のお知らせ◇55[天]
12:00 00 日報[N]◇15スチャラカ社員「初春の歌声」 ダイマル ラケット ミヤコ蝶々 金語桜 奥村チヨ 長門勇 東山明美 00 [N]◇10ローカル[N] 00 NHK杯争奪将棋トーナメント(1回戦第1局)名人大山康晴対九段塚田正夫 解説・八段加藤治郎 きき手・作家倉島竹ニ郎
45 歌のアルバム 舟木一夫 西郷輝彦 美樹克彦 井沢八郎 水前寺清子 15 [色]初笑いのど自慢大会▽事件記者チーム 原保美ほか▽お笑い三人組チーム 貞鳳ほか▽マンガ・チーム 小島功ほか
13:00 30 ゲーム・ゲーム・ショー 高橋圭三 スリーファンキーズ キューティーQ ヤングシスターズ 小林治子 ゲスト・東京少年合唱隊 00 オープニングショー1966 水代玉藻 水穂葉子 真帆志ぶき 那智わたる 麻鳥千穂 如月美和子 内重のぼる 加茂さくら 上月晃 甲にしき 30 ことしの将棋界を語る 十四世名人木村義雄 八段渡辺東一 八段坂口充彦
14:00 30 ビッグ・ヒット・ショー 坂本九 九重佑三子 00 初春博覧会 徳川夢声 中村メイコ 科学評論家相島敏夫 早稲田大学講師大高正人 東京大学教松尾孝嶺ほか 00 [色]劇場中継「積恋雪関扉」中村鷹治郎 中村歌右衛門 松本幸四郎 常盤津千東勢太夫 常盤津菊三郎 常盤津連中
15:00 00 東西寄席▽第1部 桂文楽 海老染之助 染太郎▽第2部 平和ラッパ 平和日佐丸 かしまし娘 00 新春コンサート(ショパン名曲集) ピアノ・安川加寿子▽バラード第1番ト短調作品23▽夜想曲変ニ長調ほか 30 寿命100年(1)大阪市立大学教授堀内一弥 京都府立医科大学教授山田博 東京大学教授時実利彦
16:00 00 クレイジーと遊ぼう 田辺靖雄 鹿内タカシ 奥村チヨ 望月浩 尾藤イサオ 槇みちる 布施明 なべおさみ ほか 00 ドラマ(再)「おもろい女」小野田勇・作 森光子 藤山寛美 井上孝雄 林美智子 小倉徳七 白井正明 天王寺虎之助 山田桂子 永田光男 30 テレビ討論(2)「政治と知識人の役割」 作家武田泰淳 評論家福田恒存 弁護士戒能通孝 東京大学教授京極純一 司会・政治評論家萩原延寿
17:00 00 ワンダー・スリー「消された一日」(声)白石冬美 近石真介  
30 ニュースコープ 古谷綱正 30 [N]◇36番組みのお知らせ
  50 日曜テレビ夕刊 40 [色]人形劇「長くつ下のピッピ」(2)劇団クラルテ ほか
18:00 00 どら猫大将「百万ドル」 (声)谷幹一 向井真理子 立川談志 三遊亭歌奴 00 ドラマ「おらんだ正月」 田村幸ニ・作 池田秀一 宗方勝巳 露口茂 岩下浩 東恵美子 勝間典子 加代キミ子 今村原兵 桑山正一ほか 30 自然の記録「さけの一生」 語り手・前川アナ
30 バックナンバー333 「大空を駈ける大介」 大瀬康一 原田糸子 神戸瓢介 入川保則ほか 50 今晩の番組から◇54[天]


舟木一夫ショー
和泉雅子相手に歌いまくる
★歌の花ごよみ(B前8・0)
 人気絶頂の舟木一夫のすべてを特集。タキシードから学生服、セーター・ルック、いなせな若衆姿、火消し姿など場面ごとに七変化しヒット曲を歌いまくる。
 お相手に映画でもおなじみの和泉雅子。曲目は「高原のお嬢さん」「火消し若衆」「浜の若衆」「東京百年」ほか。

リレー中継「日本の春」
新潟からは白鳥一家
(N前10・0)
 皇太子の第二子礼宮文仁親王誕生ともあいまって、例年より多くの参賀者が予想される皇居をはじめとして十カ所からリレー中継「日本の春」。正月行事や風景の単なる紹介にとどまらず、あすをになう若い世代を中心に社会性の強い問題をとりあげてゆく。
 まず、宮中大内山の初春に始まり、ついで北海道にとび函館郊外駒ケ岳のふもとにある日本一の大牧場で大きな夢をもって働く若者たちを紹介する。
 新潟からは白鳥一家の三代目の話題を紹介する。二百羽近い白鳥がシベリアからやってくる瓢湖(北蒲・水原町)で毎日父親とともに白鳥の世話をする青年を紹介する。

郷土色豊かに
三波春夫の初春民謡ショー
(B前11・30)
 新春の朝のひととき、三波春夫を中心に各地の民謡と踊りをはなやかなステージ構成によって繰り広げる。
 三波春夫のうたう北から三波までの各地の民謡を中心に、地方色豊かな民謡踊り、そして、各地の初日の出風景を、写真またはフィルムによってインサートし、若山弦蔵が初日の出今昔話を紹介する。いながらにして楽しめる郷土色豊かな民謡パレード。踊りは花柳徳兵衛社中。【曲目】▽百年桜▽江差追分▽鹿児島小原節▽秩父音頭▽佐渡おけさ▽花笠おどり▽よさこい節。

「積恋雪関扉」
幸四郎、歌右衛門で
★劇場中継(N教後2・0)
 舞踊劇「積恋雪関扉」通称“関の扉”を名古屋御園座の十二月顔見世興行からカラー中継録画でおくる。出演は、義峰少将宗貞を中村鴈治郎治郎、小町姫と傾城墨染を中村歌右衛門、関守関兵衛実は大伴黒主を松本幸四郎と、東西の役者が顔を合わせる。常盤津は、常盤津千東勢太夫、常盤津菊三郎ほかのみなさん。
 筋は顔見世物の常として、荒唐無けいで、幻想的な芝居だが、作曲、振り付けともにすぐれ「双面(ふたおもて)」「候籠(きどりかご)」とともに常盤津の三名曲として知られる。また、「娘道成寺」と並んで、多くの舞踊の中でも、傑作として、いまだにひんぱんに上演されている。

あばれまくるクレイジー
笑い呼ぶバラエティー
★バラエティーショー(B後4・0)
 クレイジーキャッツを囲んでゲストの新進歌手と、視聴者が新しい年の船出を祝って思うぞんぶんあばれまくり、愉快にすごす一時間「クレイジーと遊ぼう」。
 自衛隊の音楽隊のファンファーレで幕があく。クレイジーの人気はいまや絶頂。ハナ肇とクレイジーキャッツは、独自の持ち味をフルに発揮しようと、色々な衣装…(以下不明)…車の曲乗りなどバラエティーに富んだ曲芸がはじまる。
 やがてゲストの園まり、田辺靖男、ザ・ドリフターズが加わってまさに爆笑の連続。こうして笑いを呼ぶバラエティーに富んだショーが展開される。



CSJ Banner Exchange

皆さんも、甦ってきた記憶や確かめたい事実など、何でも結構ですので、お便り下さい
E-mail:kiyomi60@bb.mbn.or.jp

(C)1999 Kiyomi Suzuki

トップページへ 「60年代のテレビ番組」INDEXページへ このページのトップへ