イタリア・フィレンツェの世界遺産地区の大聖堂に京都産業大(京都市北区)の学生3人が落書きした問題で、大学は27日、学生に対して停学2週間と再発防止教育の受講を課す処分を決めた。全学生に対しても、文化財保護の精神を高める授業や講演会、ハンドブック配布などでモラルの向上を目指す。
大学は同日、坂井東洋男学長や学部長らで構成する懲戒委員会などを開いて処分を決めた。退学に次ぐ重い停学処分について、坂井学長は記者会見で「世界の文化を理解し、世界から愛される日本人の育成を目指す建学精神にもとる行為。卒業生や在学生の名誉や誇りを傷つけた責任もある」と説明した。再発防止教育では心理カウンセラーが学生に個別面接する。
大学によると、3人の学生は「非常に反省している。ほかの落書きも消すため募金活動をしたい」と話しているといい、大聖堂の管理者への謝罪文送付のほか、自費で現地での落書きの消去に立ち会うことも検討する。
3人の学生は今年3月に観光旅行で訪れた「サンタ・マリア・デル・フィオーレ(花の聖母)大聖堂」の柱に名前や大学名などを落書きしていた。
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