日経平均は大幅続落、売り一巡後は安値もみあい
[東京 27日 ロイター] 午前の東京株式市場で日経平均は大幅続落。26日の米株の大幅安や円高を嫌気し、朝方から大口の処分売りが出て一時1万3500円を割り込んだ。ただ、前日までに6日続落したこともあり、売り一巡後は安値もみあいとなった。
市場では「調整十分との見方から、小口の打診買いも入っているようだ」(大手証券)との声が聞かれた。
前場の東証1部の売買代金は9906億円と薄商い。前場の東証1部騰落は、値上がり169銘柄に対して値下がり1473銘柄、変わらずが80銘柄だった。
午前の国内株式はほぼ全面安となった半面、ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674.T: 株価, ニュース, レポート)など個別材料株がしっかりしており、「個人投資家の買い意欲は残っている」(国内証券ディーラー)という。「海外勢のフロー自体は大きくなく、様子見。短い資金の売りが一巡した後、国内年金勢などが突っ込みを買うかどうかが注目される」(欧州系証券トレーダー)との声もあった。
原油価格が上昇し、米国当局の思惑通りに「強いドル」が安定しない状況下、米国株式の調整が長引くとの見方も少なくない。グローバルにリスク回避姿勢が強まるなか、日本株の相対的な優位性が意識されている。SMBCフレンド証券の投資情報室次長、松野利彦氏は「日本株は米国と環境面が異なることを考えれば、過度の悲観は禁物」とみる。
「最近、後場に下げ幅が縮小する背景には、これまで日本株をショートに振っていたヘッジファンド筋がアジア市場をにらみながらアンワインドしている可能性がある」(楽天証券経済研究所チーフストラテジスト 大島和隆氏)との指摘もあった。
個別銘柄では、米株安と円高を嫌気してキヤノン(7751.T: 株価, ニュース, レポート)やソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)などのハイテク株・輸出株が売られた。
みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)や三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)などの大手銀行株も下落。ゴールドマン・サックスがシティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)とメリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)について、追加評価損を計上する可能性があるとの見方を示し、「日本の大手銀行はサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題の影響を相対的に受けにくいとみられてはいるが、これまで株価が堅調だっただけに、換金売りの対象になりやすい」(国内証券)との声があった。
国際石油開発帝石ホールディングス(1605.T: 株価, ニュース, レポート)が堅調。26日の米国市場で原油先物が一時史上初のバレル当たり140ドル台に乗せたことが好感された。東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)は26日、9月をめどに電気料金の値上げ方針を発表した。電力株は総じてしっかり。
(ロイター日本語ニュース 石渡亜紀子記者)
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