メールマガジン
山本善心の週刊「木曜コラム」
代表 山本善心
時局心話會
2006年9月28日発行
日本を取り巻く国際情勢 第100号
今週のテ−マ
中国・対日工作秘密文書
            part1
トップページ > 週刊コラム
99「本番・小沢劇場」
98「皇統断絶の回避」
97「安倍晋三の政策理念」
96「米・イランの代理戦争」
95「経営者の大局観」
94「8.15小泉参拝と靖国」
93「標的は天皇・靖国」
92「新台湾人の台湾共和国」
91「安倍政権と靖国」
90「四面楚歌の陳政権」
89「北ミサイルの発射事情」
88「北朝鮮テポドン騒動」
87「小泉改革の雑感」
86「外務省の実態」
85「靖国反対の虚構」
84「盧政権の断末魔」
83「台湾の終着駅」
82「中国の歴史依存症」
81「日韓歴史の曲がり角」
80「9条改正」
79「北朝鮮の対日シナリオ」
78「米中の野望と軍拡」
77「教育改革の壁」
76「小沢一郎の本性」
75「日教組の実態」
74「日本は弱体化する」
73「国は誰が守るのか」
72「尖閣・ガス田紛争」
71「陳総統発言の波紋」
70「肝心要な外交」
69「中台の対立と共存」
68「台湾海峡の虚像 partV
67「中台の変貌 partU」
66「台湾陳政権の展望
65「強い米国の憂鬱」
64「皇統崩壊のシナリオ」
63「上海総領事館員の死」
62「経済回復と弱者切り捨て」
61「2005,今年の総集編」
60「敵対的買収に壁」
59「国共合作で台湾吸収」
58「フジモリ復権の賭け」
57「皇位継承の伝統の危機」
56「ブッシュ来日と東アジア政策」
55「無気力な台湾・陳政権」
54「拉致・核廃棄を巡るウラ話」
53「楽天、TBSの主義主張」
52「日本企業、中国から撤退縮小」
51「フジモリ元大統領の挑戦」(10月20日)
50「李登輝訪米の途へ」(10月13日)
49「日中ガス田戦争」(10月6日)
48「6ヵ国協議の幻想」(9月29日)
47「改憲と日本の将来」(9月22日)
46「小泉政治の総括」(9月15日)
45「国旗、国歌と愛国心」(9月8日)
44「台湾有事と日米協調」(9月1日)
43「村山談話で謝罪宣言」(8月25日)
42「小泉改革の正念場」(8月18日)
41「小泉首相の靖国参拝」(8月11日)
40「覇権主義中国と改憲」(8月4日)
39「台湾の反日親中」(7月28日)
38「台湾国民党主席に馬英九氏」(7月21日)
37「6ヵ国協議、月末再開」(7月14日)
36「尖閣諸島・亡国外交」(7月7日)
35「どうなる朝鮮半島の行方」(6月30日)
34「中国配慮に靡く政策」(6月23日)
33「対北政策・中韓の亀裂」(6月16日)
32「靖国問題の総決算」(6月9日)
31「自衛隊の自立防衛と憲法改正」(6月2日)
30「中国の暴走と日米協調」(5月26日)
29「恐るべき国民党の本性」(5月19日)
28「台湾野党トップの訪中」(5月12日)
27「中国経済の明暗と歴史問題」(5月5日)
26「韓教授の日韓併合容認論」(4月28日)
25「反日デモの深層真理」(4月21日)
24「許文龍事件と中国経済」(4月14日)
23「靖国神社は近代史の鏡」(4月7日)
22「東アジアは米国が支配する」(3月31日)
21「反日と竹島問題と深刻な韓国経済」(3月24日)
S「『連−宋会談』で台湾に異変」(3月17日)
R「中国ビジネスの罠」(3月10日)
Q「中国の『反国家分裂法』に物申す」(3月3日)
P古代ギリシャに学ぶ日本の未来(2月24日)
O米軍撤退後の日本の安全保障(2月17日)
N中国の台湾侵攻は夢物語(2月10日)
M親日家を糾弾する盧武鉉政権(2月3日)
L韓国の共産主義化が始まった(1月27日)
K中国の歴史観(1月20日)
J財界人の奇怪な靖国神社認識(1月13日)
I靖国問題を巡る日中論争(1月6日)
H「李登輝前総統訪日」の真相(12月22日)
G選挙結果と「台湾化」の行方(12月16日)
F「21世紀は中国の時代」という錯覚(12月9日)
Eアメリカの真意は?(12月2日)
D世界から見た北朝鮮の行方(11月25日)
C中国は大国と言えるのか(11月18日)
A台湾に対する米国の見方考え方(11月4日)
@中国の世論工作を支える勢力(10月28日)








  本コラムは本稿で100回目を迎える。今回はこれを記念し、特別企画として中国共産党の秘密文書、「日本解放第二期工作要綱」を4週連続で掲載する。これは昭和47年の田中角栄内閣による日中国交正常化交渉以前に作られたものだ。これを読むことで日中間の問題とトラブル、あらゆる政治問題が起こる原因、中国側の意図と狙いを読み取ることができる。

A 基本戦略・任務・手段(原文掲載)

一、基本戦略
 我が党は日本解放の当面の基本戦略は、日本が現在保有している国力のすべてを、我が党の支配下に置き、我が党の世界解放線に奉仕せしめることにある。

二、解放工作組の任務
 日本の平和解放は下記の三段階を経て達成する。
 イ・我が国との国交正常化(第一期工作の目標)
 ロ・民主連合政府の形成(第二期工作の目標)
 ハ・日本人民民主共和国の樹立―天皇を戦犯の首魁として処刑(第三期工作の目標) 田中内閣の成立以降の日本解放第二期工作組の任務は上記の第ロ項、すなわち「民主聯合政府の形成」の準備工作を完成することにある。

三、任務達成の手段
 本工作組の任務は、工作員が個別に対象者に接触して、所定の言動を、その対象者に行わしめる事によって達成される。すなわち、工作者は最終行動者ではなく、隠れた使嗾者、見えざる指揮者であらねばならない。以下に示す要領は、すべて対象者になさしめる言動の原則を示すものである。本工作の成否は、終始、秘密を保持しうるかどうかにかかっている。よって、工作員全員の日本入国身分の偽装、並びに工作の秘密保持法については、別途に細則を以て指示する。
B 工作主点の行動要領

第一 群衆掌握の心理戦
 駐日大使館開設と同時になされなければならないのは、全日本人に中国への好感、親近感を抱かせるという、群衆掌握の心理戦である。好感、親近感を抱かせる目的は我が党、我が国への警戒心を無意識のうちに捨て去らせることにある。

 これは日本解放工作成功の絶好の温床となると共に、一部の日本人反動分子が発する「中共を警戒せよ!日本支配の謀略をやっている」との呼びかけを一笑に付し、反動極右は益々孤立するという二重の効果を生むものである。このために、以下の各項を速やかに、かつ継続的に実施する。

一、展覧会・演劇・スポーツ
 中国の書画、美術品、民芸品などの展覧会、舞劇団、民族舞踊団、民謡団、雑技団、京劇団の公演、各種スポーツ選手団の派遣を行う。第一歩は、日本人大衆が中国大陸に対し、今なお持っている「輝かしい伝統文化を持っている国」「日本文化の起源」「文を重んじ、平和を愛する民族の国」というイメージをかき立て、さらに高まらせることである。

 我が国の社会主義改造の誇るべき成果についての宣伝は、初期においては少ない方がよく、全然ふれなくてもかまわない。スポーツ選手団の派遣は、ピンポンのごとく、試合に勝ちうるものに限定してはならず、技術的に劣っている分野の選手団をも数多く派遣し、日本選手に学ぶという率直な態度を示して、好感を勝ち取るべきである。

二、教育面での奉仕
A・中国語学習センターの開設。 全国都道府県の主要都市のすべてに中国語学習センターを開設し、教師を無報酬で派遣する。教師は一名派遣の場合は女性教師、複数の場合は男女半々とし、すべて20代の工作員を派遣する。受講者資格は、もとより無制限とし、学費は無料または極めて少額とする。

B・大学への中国人中国語教師派遣の申し入れ。 中国語学習センターを開設し、日本人青年層に中国語学習熱が高まったところで、私立・公立の大学には個別に、国立大学については日本政府文部省へ中国人中国語教師の派遣を申し入れる。申し入れを婉曲に拒否した場合は「我が国の純然たる好意、奉仕の精神に対する非礼」を責めれば、日本のマスコミも大衆も、学生も許さないであろう。

 しかし、第一回で全勝を求める必要はなく、全国大学の過半数が受け入れればそれでよい。あとは自然に受け入れ校は増加していくものである。

C・委員会開設。 「中日文化交流協会」を拡充し、中日民間人の組織する「日中文化教育体育交流委員会」を開設して実施せしめ、我が大使館は、これを正式に支援する方式をとる。なお、本項のすべての項目は、初期においては、純然たる奉仕に終始し、いささかも政治工作、思想工作、宣伝工作、組織工作を行ってはならない。

第二 マスコミ工作
 大衆の中から自然発生的に沸き上がってきた声を世論と呼んだのは遠い昔のことである。次の時代は新聞、雑誌が世論を作った。今日では、新聞、雑誌を含めいわゆる「マスコミ」は、世論造成の不可欠の道具にすぎない。マスコミを支配する集団の意思が世論を作り上げるのである。

 偉大なる毛主席は「およそ政権を転覆しようとするものは、必ずまず世論を作り上げ、まずイデオロギー面の活動を行う」と教えている。田中内閣成立までの日本解放(第一期)工作組は、事実上この教えの正しさを証明した。日本の保守反動政府を幾重にも包囲して、我が国との国交正常化への道へと追い込んだのは日本のマスコミではない。日本のマスコミを支配下に置いた我が党の鉄の意志とたゆまざる不断の工作とがこれを生んだのである。

 日本の保守反動の元凶たちに、彼等自身を埋葬する墓穴を、彼等自らの手で掘らせたのは、第一期工作組員である。田中内閣成立以降の工作組の組員もまた、この輝かしい成果を継承して、さらにこれを拡大して、日本解放の勝利を勝ち取らねばならない。

一、新聞・雑誌
A・接触線の拡大。 新聞については、第一期工作組が設置した「三大紙」に重点を置く接触線を堅持強化すると共に、残余の中央紙及び地方紙と接触線を拡大する。雑誌、特に週刊誌については、過去の工作は極めて不十分であったことを反省し、十分な人員、経費を投入して掌握下に置かねばならない。接触対象の選定は「十人の記者よりは、一人の編集責任者を獲得せよ」との原則を守り、編集を主対象とする。

B・「民主連合政府」について。 「民主連合政府」樹立を大衆が許容する温床を作り上げること、このための世論造成、これが本工作を担当する者の任務である。「民主連合政府」反対の論調をあげさせてはならぬ。しかし、いかなる方式かを問わず、マスコミ自体に「民主連合政府」樹立の主張をなさしめてはならない。これは、敵の警戒心を呼び覚ます自殺行為に等しい。

 「民主連合政府」に関連ある事項を全く報道せず、大衆はこの問題について無知、無関心であることが最も望ましい状態である。本工作組の工作の進展につれて、日本の反動極右分子が何らの根拠もつかみ得ないまま焦慮に耐え得ず、「中共の支配する日本左派勢力は、日本赤化の第一歩として、連合政府樹立の陰謀を進めている」と絶叫するであろう。

 これは否定すべきであるか?もとより否定しなければならない。しかし、否定は真正面から大々的に行ってはならず、計画的な慎重な間接的な否定でなければならない。「極右の悪質なデマで取り上げるにも値しない」という形の否定が望ましい。

C・強調せしむべき論調の方向。
 I、大衆の親中感情を全機能を上げてさらに高め、蒋介石一派との関係は完全に絶つ方向へ向かわせる。
 II、朝鮮民主主義人民共和国ならびにベトナム民主共和国との国交樹立を、社説はもとより全紙面で取り上げて、強力な世論の圧力を形成し、政府にその実行を迫る。
 III、政府の内外政策には常に攻撃を加えて反対し、在野諸党の反政府活動を一貫して支持する。特に在野党の反政府共闘には無条件で賛意を表明し、その成果を高く評価して鼓舞すべきである。大衆が異なる政党の共闘を怪しまず、これになじむことは、在野諸党の連合政府樹立を許容する最大の温床となることを明記し、共闘賛美を強力になさしめるべきである。
 IV、人間の尊重、自由、民主、平和、独立の強調。ここに言う「人間の尊重」とは、個の尊重、全の否定を言う。「自由」とは、旧道徳からの解放、本能の開放を言う。「民主」とは、国家権力の排除を言う。「平和」とは、反戦・不戦・思想の定着促進を言う。「独立」とは、米帝との提携の排除、社帝ソ連への接近阻止を言う。(次号に続く)

 
このコラムは毎週木曜日に連載。次回は10月5日(木)

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