留置場における生活

 警察の留置場における被留置者の生活については、逃亡や罪証隠滅を防止するために必要な制約はありますが、良好な生活環境となるように常に留置場の施設・設備の改善、整備に努めているほか、被留置者の適正な処遇のため、次のような配慮を行っています。




 居室

留置室の写真 留置室前面の写真

     留置室(被留置者は模擬)        留置室前面
(座った被留置者の頭だけが見えている)

就寝中の被留置者(模擬)の写真

就寝中の被留置者(模擬)
(寝具は昼間帯は収納庫に保管)


  居室は、被留置者のプライバシーを保護するため、従来の扇形の設置形態を並列型とすることに改め、居室の前面を不透明な板で遮断して、看守者から被留置者が常時監視されることがないようにしています。居室内には、畳又はじゅうたんが敷かれており、居室のトイレは、周囲を壁で囲ったボックス型としています。

 留置場は、通常、警察署の2階以上の階の南側に設置され、留置場内の通風、採光には十分な配慮がなされています。また、冷暖房装置などにより24時間快適な温度が保たれています。

 布団カバーは新規入場の都度及び定期的に交換され、寝具も定期的に消毒するようにしています。夜間は減光し、睡眠の支障とならないように配慮しています。







 日課


日課の時間割を示す掲示板の写真                 
貸し出し用図書の写真

  日課の時間割を示す掲示板  貸し出し用図書(被留置者は模擬)


 新たに収容された被留置者は、留置開始時に日課の時間割を告知されます。写真の掲示板は、標準的な時間割です。

 居室内での被留置者の行動は、他の被留置者の平穏に支障を及ぼしたり拘禁目的に反しない限り自由です。被留置者は、日刊新聞や備え付けの図書を閲覧することができるほか、食事時間等毎日一定の時間に、ニュース、音楽等のラジオ番組を聴取することができます。留置場には、六法全書が備え付けられており、被留置者は閲覧することができます。

 なお、取調べ等の捜査活動は、日課の時間割を尊重しつつ、留置場の外で行われます。







   食事

朝食の写真        昼食の写真

 

朝食
ご飯、納豆、厚焼卵、
がんもどき、佃煮、
味噌汁、おしんこ

               昼食
ご飯、コロッケ、
カレー、野菜炒め、
サラダ、おしんこ

夕食の写真

夕食
ご飯、焼き魚(鮭)、シュウマイ、野菜味噌いため、
オムレツ、うぐいす豆、おしんこ


 写真はある留置場で支給された標準的な食事の一例ですが、国民生活の実情等を勘案して十分なものであるように、資格のある栄養士が定期的に栄養のバランスをチェックしています。

 また、被留置者は、官給の食事以外に、食事、菓子等を自己の負担で購入することもできます。








   健康管理、衛生

運動の様子 浴室の写真

      運動(被留置者は模擬)              浴室

健康診断の様子 自動手指消毒器の写真

      健康診断(被留置者は模擬)         自動手指消毒器


被留置者の健康を保持するため、被留置者は、

(1)休日を含む毎日、戸外での運動が可能です。

(2)少なくとも5日に1回以上、原則として週2回以上入浴ができます。

(3)月2回、嘱託医による定期健康診断を受けるほか、負傷、病気の場合は、速やかに適切な措置を受けます。

 また、留置場内におけるエイズや肝炎等の感染症の伝染を防止するため、自動手指消毒器の整備を推進しています。







   外部との交通

弁護人との面会の様子

弁護人と面会中の被留置者(模擬)

接見室は、複数の弁護人や家族が被留置者
と面会でき、かつ、面会中の会話が室外に漏
れないような構造となっています。

 被留置者は、いつでも、留置担当官に弁護士又は弁護士会を指定することにより、 弁護人の選任を申し出ることができ、弁護人又は弁護人になろうとする者(弁護人等) とは、立会人なく面会することができるほか、逃亡、罪証隠滅の防止等に支障がない 範囲で、書類や物の授受をすることができます。

 被留置者と弁護人等との面会については、 その重要性にかんがみ、休日や夜間でもできるだけこれに応じるようにしています。

 家族等との面会や書類・物の授受についても、裁判所が逃亡や罪証隠滅を防止するために特に制限する場合を除き、原則として可能です。








   女性、少年、外国人被留置者への配慮

女性専用留置場の写真

女性専用留置場(被留置者は模擬)

(1) 女性や少年の被留置者は、男性や 成人の被留置者とは別の区画に収容され、室内にいるときはもちろん、運動や出入場のために 移動する際も、お互いに顔や姿が見えることはありません。

 女性被留置者の身体検査や入浴の立会いは、必ず女性警察官又は女性職員が行いますが、 さらに、女性被留置者の処遇全般を女性警察官が担当する女性専用留置場の設置を推進しています。

 女性被留置者は、身だしなみを整えるために必要な、化粧水、クリーム等の化粧品やくし、 ヘアブラシを洗面所等で使用することができます。


翻訳機の写真

翻訳機(被留置者は模擬)

(2) 外国人被留置者に対する処遇は、基本的 には日本人被留置者と同様ですが、言語や宗教、食生活、生活習慣等の違いに配慮した適正な処遇に 努めています。

 特に、留置場への新規入場に際しては、異国での身柄拘束に対する不安感を除去するため、通訳人やCD-ROMを使った自動翻訳機を活用して被留置者の処遇に関する事項を知らせ、十分な 意思疎通に努めているほか、食事、宗教活動等の面において、可能な限りそれぞれの習慣に従った処遇を行うように配慮しています。





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