埼玉県深谷市内の暴力団組員の男(60)が生活保護費を市から不正に受給していた疑いがあり、市が生活保護法違反容疑で埼玉県警に告発していたことが分かった。群馬県北部の温泉地にある医療機関まで約100キロの道のりをタクシーで通院したとして料金を請求するなど、妻(44)と2人の受給額は約1800万円に上るとみられている。
関係者によると、組員は07年10月、群馬県北部の医療機関で診察を受けたとして、自宅からの往復のタクシー代十数万円を生活保護費に含めて受け取っていたという。同月、県の監査で不正受給の疑いが発覚した。
生活保護を巡っては厚生労働省が06年3月、暴力団員に生活保護を支給しないよう通達を出し、暴力団員と疑われる者について、自治体が警察から情報提供を求めるよう指導していた。県警は、深谷市が組員に生活保護を支給してきた経緯も解明する方針。
北海道滝川市では07年11月、暴力団関係者が介護タクシーによる通院費約2億円を不正受給していたとして逮捕され、今月25日に懲役13年の実刑判決を受けている。
【浅野翔太郎、町田結子】
毎日新聞 2008年6月27日 2時30分(最終更新 6月27日 2時30分)