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米国産牛肉:無法地帯と化した夜の光化門(下)

 ソウル都心の交通が1カ月もマヒし、商店街や飲食店は早めに店じまいを余儀なくされ、タクシー運転手は客が見つからないことを憂いた。生活が楽ではない庶民が無気力な政府の代わりに苦痛を受けているのだ。

 デモ隊が掌握している都心部の鍾路区平倉洞に住む男性(67)は「平倉洞と付岩洞は夜になると完全に孤立してしまう。高齢者が多く、夜中に病気になったら誰が責任を取るのか」と嘆いた。

 同区三清洞に住む会社員も「公共交通機関が乗り入れられず、歩いて帰ってくるのが日常だ。不法デモだといっておきながら1カ月も都心占拠を放置するなど理解できない」と話した。

 2006年に韓国開発研究院(KDI)は光化門で不法デモが行われた場合に生じる交通の乱れ、営業損失、警察力の投入費用、国民の心理的負担などを合算した社会的費用が1日当たり776億ウォン(約79億5500万円)に達すると試算した。ただでさえ苦しい経済状況で役に立たない政府のためにこれまで3兆ウォン(約3076億円)以上が吹っ飛んだ計算になる。

 高永宙(コ・ヨンジュ)弁護士は「李明博政権は卑劣だ。場当たり的に危機を乗り切ろうとするだけで、大衆におもねり妥協してばかりだ」と不満を口にした。

 デモ隊がソウル都心で「反政府闘争」を掲げたのと同様、今こそこれまで耐えてきた一般市民も政府の存在意義とは何か、という問いを投げかけている。

崔普植(チェ・ボシク)社会部長

【ニュース特集】米国産牛肉輸入問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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