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米国産牛肉:無法地帯と化した夜の光化門(上)

 今、李明博(イ・ミョンバク)政権の姿が見えない。過去1カ月にわたり米国産牛肉の輸入に反対するデモ隊に占拠されたソウル都心部が無法地帯と化し、市民への影響や不安は頂点に達しているが、現政権は無責任かつ無気力に顔色ばかりをうかがっている。

 26日未明にはデモ隊が警察に泥やレンガを投げつけ、戦闘警察のバスのガラス窓が割られ、バスにロープをかけて引っ張る「1980年代式」の暴力デモが繰り広げられた。

 現場でデモ隊に囲まれた戦闘警察は盾やヘルメットを奪われ、地面に倒れ込んだところを何十回も踏まれたり、けられたりした。戦闘警察が「盾とヘルメットを返してくれ。それがないと営倉行きになる」とデモ隊に哀願する姿も見られた。

 デモ隊は組織的に朝鮮日報と東亜日報を攻撃し、新聞社のロゴをはがして小便をかけたり、汚物を投げたりした。翌日未明まで、ソウル都心は公権力が及ばない「解放区」と化したまま放置された。

 治安の総責任者である魚清秀(オ・チョンス)警察庁長が「傷ついた法秩序が回復するまで法と原則に従い厳正に対処する」と国務会議(閣議)で報告したのはその前日だった。李明博大統領も不法・暴力デモに厳正対処する考えを示していた。しかし、現場でデモ隊は「平和デモは昨日で終わった」と叫んだ。

 口先だけで騒ぐ政府と大統領は既にデモ隊による冷笑を買っている。経済学専門の孔柄淏(コン・ビョンホ)博士は「今やキャンドル集会が問題ではなく、李明博政権が問題だ」と指摘した。これまで政府は大統領府(青瓦台)に通じる世宗路交差点と周辺道路を戦闘警察のバスで築いたバリケードで封鎖する形でデモ隊に対処してきた。デモ隊と妥協し、大統領府だけを守ればいいと考え、一般市民の生活は最初から念頭になかった。

崔普植(チェ・ボシク)社会部長

【ニュース特集】米国産牛肉輸入問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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