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【連載】崩壊する介護(11) 介護事故 警察への連絡対応バラバラ 制度の不備指摘する声も

[福岡市政ニュース]

 今回は2枚の事故報告書をご覧いただきたい。平成19年6月と8月に、同じ南区内で起こった死亡事故である。

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 まず6月に起きた事故は、食事中の窒息、8月の事故も同じく食事中の窒息で死亡に至っている。
 問題は、<警察への連絡>欄である。8月の事故は施設側がきちんと警察への連絡をしているのだが、6月の事故については「無」に丸印が付けられている。つまり、警察への連絡はなされていない。双方とも食事中の窒息→救急搬送→搬送先病院で死亡確認と、死因はもちろん全く同じ経過をたどった介護事故であるにもかかわらず、警察への連絡には「有」・「無」で対応が分かれる。同様の事故で対応が違うというのは、明らかに制度上の不備が原因ではないだろうか。

 最初に報じたストレッチャー転落・死亡事故については、まさにこの警察への届け出が「無」と記入されていたことから、市側の指導を受けた特養側が警察へ連絡、刑事事件へと発展した。検証記事でも述べたが、<警察への連絡>欄が事実解明に役立ったケースである。
 検証の2番目に採り上げた入浴中の溺水事故は、入所者が死亡に至っていないことが救いではあるが、明らかに施設側の過失が認められる。同様の事故で万が一の事態に至った場合は、刑事事件として扱われる可能性も否定できない。
 パーキンソン病の入所者が亡くなった事故は、施設側ではなく、搬送先病院による警察への連絡で、検死や事情聴取が行なわれていた。
 介護事故の内容によっては、刑事事件化する場合があるということは、これまでのわずかな件数の事故報告書検証でも明らかである。
 同時に、警察への連絡の有る、無しは、介護事故の真相究明にも大きな影響を与えることが理解できるだろう。


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