特許庁は27日、吉田松陰ら歴史上の人物名を無関係の第三者が商標登録できないようにするため、登録の審査基準を見直すと発表した。
同庁によると、現行の商標法には、歴史上の人物の商標登録を禁止する規定は明文化されておらず、無関係の企業が商標登録して故郷の自治体などが異議を申し立てるケースが増えている。
そこで、出願の経緯や人物との関係などを審査し、名声に便乗して利益を得ようとしていたり、地域の産業に悪影響を与える恐れがあったりする場合は登録を認めないようにする。
吉田松陰ら幕末の志士が東京の企業に登録され、特許庁に異議を申し立てた山口県萩市の野村興児市長は「基準が見直されることは喜ばしい。できるだけ早く適正な取り扱いがはかられるよう期待する」と歓迎している。