県や大村市などが出資する第3セクター「長崎空港ビルディング」(大村市、河端理社長)が2000年9月に同市内に約4億4000万円かけて建設した「NABICビル」を昨年末、約500万円で民間業者に売却していたことが25日、分かった。
ビルは市役所近くの市中心部にあり、鉄骨4階建て(延べ床面積約1100平方メートル)。開業時は同社旅行センターや、子会社が運営する中華とステーキの2つのレストランなどが入居していた。
レストランは競合店進出の影響などで年間約4000万円の赤字を出し、06年3月で閉店。07年9月には旅行センターも市内の別の場所に移転し、ビルを閉鎖した。
ビル解体には約3000万円かかり、このまま放置しても借地料がかかることから、格安での売却に踏み切ったという。売却先の業者はビルを改修し、8月にホテルを開業する見込み。
建設からわずか7年余りで格安の価格で売却したことについて、同社の星野孝通専務は「空港ビルの売り上げが減少する中での積極的な事業展開だったが、結果として甘い計画だった」と話した。
=2008/06/26付 西日本新聞朝刊=