2008年6月27日 19時5分更新
12年前、福岡県内でいじめを苦に自殺した中学生の父親が27日、志摩町の中学校で講演し、「いじめはなくならいが、とめることはできる」と生徒や教師たちに訴えました。
講演を行ったのは「全国いじめ被害者の会」の代表で、大分県佐伯市に住む大澤秀明さんです。
大澤さんの息子の秀猛君は、中学3年生だった平成8年1月、福岡県の旧城島町、現在の久留米市で同級生から恐喝やいじめの被害にあい自殺しました。
講演の中で、大澤さんは当時、学校がいじめに気づきながら適切な対応をしなかったため、いじめがより深刻になったことなどを説明しました。
そして、「学校には子どもの安全を守る義務があり、けんか両成敗のような指導をするのではなく、いじめた生徒だけを厳しくしかり、必要に応じて児童相談所や警察に届けるべきだ」と語りました。
そのうえで、「人間がいる限り、いじめはなくならないが、とめることはできる」と訴えました。
会場には500人あまりの生徒や教師が集まり、大澤さんの話に涙を流す生徒の姿も見られました。中学3年生の女子生徒は「いじめを自分でとめることは出来ないかもしれませんが、見て見ぬふりをせず、誰かに相談したり、話を聞いてあげたりしたいと思う」と話していました。
大澤さんは「いじめはとめることができます。いじめで子どもを亡くすというつらい思いをする人がいなくなるように訴え続けていきたい」と話していました。