信長の野望 新家宝データ集
いつも登録している新家宝データが100を超え、200が手に届こうか…という頃になると、いちいち登録し直すのが面倒臭くなります。それに2ちゃんねるの信長の野望系スレを見ていると、新家宝データの需要が多いようです。ってなわけでテンプレっぽく作ってみる事にしました(もう500近いけどな)。
等級はあえて指定しません。参考にされた諸兄のお好みに任せようと思います。
名馬なんかはJRAの歴代名馬を10頭ほど放り込むのが常ですが、今回は史実・講談家宝のみに限定。
1.刀剣・鎗
名称 | 読み | 略歴 |
瓜実 | うりざね | 刃渡六寸三分の短い宝剣。天文22年、上洛した長尾景虎に、後奈良天皇が手ずから下賜した。 |
薄緑 | うすみどり | 元は源氏重代の太刀で、初名は「吼丸」。長円の作と伝わる。熊野湛増が所有していたが、 新緑の季節にこれを源義経に贈ったところ、義経がこの号をつけた。 |
覗き龍 | のぞきりゅう | 備前長船・初代景光の作。腰元に彫られ
た倶利伽藍がハバキから首を出している事に 由来。楠木正成の佩刀で楠公景光ともいう。のち明治天皇の軍刀となった。 |
笹丸 | ささまる | 備前一文字派・則宗の作。源氏重代の太刀で、足利尊氏の佩刀。刃渡り二尺六寸四分。 |
手掻包永 | てがいかねなが | 大和の刀工・初代包永の作。表裏で刃紋が違う。足利義晴から細川藤孝に下賜された。 のち児手柏と改名され、次男興元、徳川家康、水戸頼宣へと伝わった。 (関東大震災の折に行方不明となった。) |
一期一振 | いちごひとふり | 山城・粟田口の藤四郎吉光は短刀派の名工で、生涯唯一鍛えた太刀がこれ。 豊臣秀吉が二尺二寸八分に摺り上げた。尾張徳川家、孝明天皇と伝わり、現御物。 |
獅子王 | ししおう | 源頼政の佩刀と伝わる。刀身は平安時代の太刀。拵は鎌倉時代の黒漆糸巻拵。 柄巻が欠失している。現在は東京国立博物館が所蔵。重要文化財。 |
二念仏 | にねんぶつ | 源氏重代の太刀。念仏を二度唱えてからこれを振るうと体が真っ二つになったという。 |
髭切丸 | ひげきりまる | 源満仲の佩刀。罪人の首を打ち落としたところ、その髭まできれいに切れた事から この号を冠する。源氏重代の太刀。 |
不動行光 | ふどうゆきみつ | 鎌倉後期、相模の刀工・藤三郎行光の作。刀身に不動明王を刻む。 織田信長が最も愛した刀で、森蘭丸に下賜された。本能寺の変で焼失。 |
千住院長吉 | せんじゅいんながよし | 大和の刀工・千住院長吉の作。南朝の後村上天皇が伊予大三島の 大山祇神社に奉納した大太刀。現在も無傷のまま残る。 |
石見和貞 | いわみかずさだ | 石見の刀工・和貞の作。刃渡五尺六寸の大太刀。山中鹿介幸盛が初陣以来 佩刀としていたが、元亀年間、伊予大三島の大山祇神社に奉納された。 |
姫鶴一文字 | ひめつるいちもんじ | 備前一文字派の作。刃長は二尺三分六寸、鍔なし・大乱の刃紋が特徴。 雌鶴の霊が夢枕に現れ、擦り上げを拒んだ事に由来。上杉謙信の常刀。重要文化財。 |
三日月兼光 | みかづきかねみつ | 備前・長船兼光の作。刃渡は二尺六寸六分。上杉謙信の所有。 謙信は備前兼光が馬上から振るえる大太刀であることを好み、十振以上も持っていた。 |
水神切 | すいじんぎり | 備前・長船兼光の作。刃渡は二尺三分、刃紋は片落互の目。上杉謙信の所有。 上杉謙信は刀剣収集を好み、七百余振も持っていたという。 |
竹俣兼光 | たけのまたかねみつ | 備前・長船兼光の作。揚北衆・竹俣慶綱が帰順の証として、長尾景虎に献上。 雷公を二度も斬った伝説があり、雷切ともいう。のち一両筒という渾名もついた。 |
九字兼定 | くじかねさだ | 美濃の刀工・関和泉守兼定の作。刃渡二尺一寸二分、刃紋は湾れた互の目。 中鋒の平肉を落した鋭い造込み。茎に九字の印を刻む。 |
にっかり青江 | にっかりあおえ | 備中・青江貞次の作。後鳥羽院が近江粟田郡脇山の日吉社に奉納。 後豊臣秀吉の所有となったが、深夜刀身がにっかり笑ったと恐れられ、京極家へ下賜された。 |
久能山光世 | くのうざんみつよ | 筑後の刀工・三池光世の作。元和2年4月、徳川家康が久能山東照宮に奉納し、 切先を西に向けて立ち置くよう遺命した。家康の危惧と先見を体現した一振。 |
孫六兼元 | まごろくかねもと | 美濃の刀工・関孫六兼元の作。三本杉の刃紋。木下秀吉生涯の愛刀。 刃渡二尺二寸に摺り上げられ、金蛭巻朱塗打刀拵として、現在は東京国立博物館が所蔵。 |
狐ヶ崎 | きつねがさき | 備中の刀工・為次の作。正治2年、吉香友兼が梶原源太景季一党を駿河狐ヶ崎で 成敗した事に由来。重宝として後裔の岩国吉川家に伝わり、現在は国宝に指定。 |
鳴狐 | なりぎつね | 南北朝時代、山城粟田口の刀工・左衛門尉国吉の作。刃渡一尺六寸二分。 差表に銘を刻んだ、特異な短刀。現在は東京国立博物館が所蔵。重要文化財。 |
菊一文字則宗 | きくいちもんじのりむね | 備前一文字派の刀工・則宗の作。後鳥羽院より菊花紋の使用を 許され、茎にこれを切る。刃渡二尺二寸三分。のち沖田総司の愛刀となった。 |
山鳥毛一文字 | やまどりげいちもんじ | 備前一文字派の作。上杉謙信所有。一文字派の太刀は丁字乱と呼ばれる、 沈丁花の蕾が重なり合うさまに見立てられる華麗な刃紋が特徴。 |
長篠一文字 | ながしのいちもんじ | 備前一文字派の作。長篠城を守り抜いた奥平信昌に、 織田信長が感状と共に与えた一振。現在も国宝に指定されている。 |
瓶割一文字 | かめわりいちもんじ | 備前一文字派の作。丁字乱の刃紋の太刀。もと三嶋大明神の宝刀だったが、 伊藤一刀斎景久が譲り受け、さらに小野忠明に譲られた。号の伝に諸説あり。 |
御鬢所行平 | おびんどころゆきひら | 豊後の刀工・行平の作。行平は後鳥羽院の4月番鍛冶で、刀身に 倶梨伽羅、明王、鶴亀、桜花などの図柄を好んで彫った。上杉謙信所有。 |
小反り兼光 | こぞりかねみつ | 備前・長船兼光の作。謙信好みの兼光ではなく、末備前の小反り派の 同名異人の作。上杉謙信が所有し、輝虎時代に三寸摺り上げられた。 |
すえひろがり | すえひろがり | 備前・長船勝光の作。文明15年の福岡合戦で、後の刀工・長船祐定が使った。 どういう経緯か敵大将・松田元成の切腹に使用され、落城の仇を刀が討った。 |
荒見国行 | あらみくにゆき | 山城の刀工・来国行の作。元亀2年、織田信長が上洛した山中鹿介に、 四十里駒と共にこれを下賜した。 |
[金祖]国行 | はばきくにゆき | 山城の刀工・来国行の作。本阿弥家が刀のハバキを紛失して大騒ぎになった事に 由来する。伊達政宗が豊臣秀吉に「鶴取」を献上した答礼として贈られた。 |
高麗鶴 | こまづる | 備前・長船光忠の作。刃渡二尺四寸六分。小早川隆景の佩刀。 |
紅葉狩 | もみじがり | 備前・長船兼光の作。刃渡三尺五寸の大太刀。加藤清正の佩刀。文禄2年、 陥落した晋州城内で加藤清正が捕虜の試し切りを行い、切りすぎて駄目にした。 |
謙信助宗 | けんしんすけむね | 備前一文字派の刀工・助宗の作。助宗は則宗の弟。やはり菊花紋の使用を 許されていた。上杉謙信が所有していた事からこう呼ばれる。 |
近景銘太刀 | ちかかげめいたち | 備前・長船近景の作。刃渡二尺三寸六分。明智光秀の佩刀。 |
国俊銘太刀 | くにとしめいたち | 山城の刀工・来国俊の作。秋月種実が唐物楢柴肩衝と共に豊臣秀吉に献上し、 本領安堵された。 |
国長銘太刀 | くにながめいたち | 山城の刀工・来国長の作。武田信玄の佩刀。 |
永則銘太刀 | ながのりめいたち | 出雲の刀工・永則の作。柳生家重代の大太刀。宗厳が死の間際、一国一人の 認可状と共に、これを利厳に譲った。現在は徳川美術館所蔵。 |
兼常銘太刀 | かねつねめいたち | 美濃の刀工・関兼常の作。塚原卜伝はこれを携えて廻国修業の旅をした。 |
氏房銘太刀 | うじふさめいたち | 飛騨守氏房は初代若狭守氏房の子で、初め織田信長に仕えた。天正20年、 関白秀次の斡旋により飛騨守を受領し、その直前に氏房を襲名した。 |
祐定銘太刀 | すけさだめいたち | 末備前の刀工・長船祐定の作。山中鹿介などが所有。 |
祐定銘脇差 | すけさだめいわきざし | 末備前の刀工・長船祐定の作。山中鹿介が所有していた。 |
物干竿 | ものほしざお | 備前・長船長光の作。刃渡三尺一寸二分の大太刀。佐々木小次郎の愛刀。 |
人間無骨 | にんげんぶこつ | 美濃の刀工・関和泉守兼定の作。森長可愛用の十文字槍。 |
名称 | 読み | 略歴 |
二蓋笠入胴丸 | にがいかさいりどうまる | 柳生家に伝わる普通の胴丸。二蓋笠は元、備中坂崎家の家紋。坂崎直盛が 自害した後、柳生家がその遺族の面倒を見た事から、この家紋が柳生家に譲られた。 |
色々縅胴丸 | いろいろおどしどうまる | 白・朱・浅葱・黒四色の糸で綴られた、華やかな胴丸。亀井茲矩が 使用していたもので、津和野亀井藩に伝わり、現存している。 |
黒韋肩妻取威 | くろかわかたつまどりおどし | 黒韋を地の威とし、金物は鍍金枝菊文透、染韋に藻獅子韋を用いた 室町時代らしい胴丸。 |
朱塗黒糸威 | しゅぬりくろいとおどし | 酒井忠次の実用具足。二枚胴で全体を朱漆塗とし、黒糸で威し、 兜は筋兜で金箔鹿角を脇立てとしたもの。 |
色々威胴丸兜 | いろいろおどしどうまるかぶと | 酒井忠次の儀式用具足。兜は鉢32間南瓜形(あこだなり)総覆輪筋兜。重要文化財。 |
赤韋威鎧 | あかがわおどしよろい | 備中赤木家伝来。鉄板十枚を張り合わせ大きな無垢の厳星を打った星兜が 大袖と共に伴う。赤韋威中、本作品が近世以前に遡る現存唯一の遺例。 |
色々威腹巻 | いろいろおどしはらまき | 細川頼元所用のものと伝わる。鍋島家伝来、重要文化財。 |
仁王胴具足 | におうどうぐそく | 南蛮胴具足の一種。鉄板に肋骨を打ち出して、裸形の仁王像が象られている。 名古屋市博物館所蔵。(『へうげもの』で、兜は違うが秀吉が着用している。) |
金小札緋素懸 | きんこざねひすがけ | 金箔押の細長い革小札を、緋糸で二筋づつ並べて綴る、いわゆる素懸威の腹巻。 |
南蛮兜 | なんばんかぶと | 鉄地筋金象嵌桃形兜。ヨーロッパの兜を模した兜。鉄地を左右に張り合わせ、 鉢形を桃形に作り、中央に一条の筋を立てるなど南蛮兜の特徴をよく示している。 |
六十間筋兜 | ろくじっけんすじかぶと | 黒漆塗の兜。鉢金の頂点から放射状に60本の筋が出ている。 前立は金地の大きな円盤で、黒字で卍が描かれている。上杉景勝が使用した。 |
輪貫兜 | わぬきかぶと | 立花宗茂が終生愛用した兜。大きく平たい鉄輪が、兜を貫くようについている。 当ゲーム・シリーズを通じて宗茂の被り物となっている。 (最近のゲームでは「栗色革仏丸胴」の一部と看做されている。) |
名称 | 読み | 略歴 |
四十里駒 | しじゅうりこま | 元亀2年、尼子の残党が上洛して織田信長に尼子家再興の援助を依頼した際、 信長が山中鹿介に下賜した馬。 |
唐獅子 | からじし | 山内一豊が妻・千代のへそくり十両を渡されて買い求めたといわれる馬。斑葦毛の 巨躯が唐獅子を思わせる。が、この逸話はどうも作り話らしい。 |
名称 | 読み | 略歴 |
養生四要 | ようじょうしよう | 明の医家・万全の書。道教が説く房中採捕の術による不老長生を否定し、 寡欲を第一とする養生法を示したもの。儒家的な書である。 |
備急千金要方 | びきゅうせんきんようほう | 唐の道家・医家である孫思バクの著書。孫思バクは141歳まで生きたと言われ、 同書も109歳の時の著作と伝わる。貝原益軒の『養生訓』に影響を与えた。 |
洗冤録 | せんえんろく | 1247年、南宋の宋慈の著書。医書というよりは法医学書である。全4巻。 検死の方法や人工呼吸法などについて書かれた、法医学の先駆者的書物。 |
素女経 | そじょきょう | 著者・成立年不明。『玄女経』と共に、黄帝を相手に房中術を説いた書。 『カーマスートラ』(印度)・『匂える園』(アラビア)と並ぶ世界三大性典の一つ。 |
中蔵経 | ちゅうぞうきょう | 晋代の書。著者不明。後漢の名医・華佗の遺稿をまとめたものと言われる。 陰陽五行の天人合一思想が顕れた、道家的な医書。 |
摂生総要 | せっせいそうよう | 明の医家・洪基の著。内丹双修法による不老長生を説く。性交に及ぶ時は 女性の美醜ではなく、適齢や言葉遣いを重視せよと説いている。 |
理傷続断方 | りしょうぞくだんほう | 845年、唐の藺道人が著した。藺道人は接骨術を会得しており、 本書も接骨術・整形外科技術に関する指南書である。 |
諸病源候論 | しょびょうげんこうろん | 隋の巣元方の著書。遣隋使・小野妹子の随行員が隋で医学を学び、 帰国の際に持ち帰った。以後は国内医家の必読書とされた。 |
傷寒雑病論 | しょうかんざつびょうろん | 後漢の元長沙太守・張仲景が著した『傷寒卒病論』のうち、遺失した部分を 除いて王叔和が整理編集したもの。主に伝染病について纏められていた。 |
本草衍義補遺 | ほんぞうえんぎほい | 1116年、北宋の寇宗セキが『本草衍義』全20巻を著した。本書はそれに 元の朱震亨が補足したもの。 |
医心方 | いしんほう | 984年、丹波康頼が『諸病源候論』など隋唐以前の医書八十余種を参考に著した医書。 『外台秘要』に倣う。正親町天皇が半井瑞策に下賜し、家宝となった。 |
外台秘要 | げだいひよう | 遣隋使・小野妹子に随行した恵日、福因によって巣元方の『諸病源候論』が齎され、 それらの医書をもとに編纂された医書。 |
大同類聚方 | だいどうるいじゅうほう | 大宝律令・医疾令の五書をもとに日本で編纂された医書。 |
治瘡記 | ちそうき | 大宝律令・医疾令の五書をもとに日本で編纂された医書。 |
太素経注集 | たいそきょうちゅうしゅう | 大宝律令・医疾令の五書をもとに日本で編纂された医書。 |
新修本草 | しんしゅうほんぞう | 大宝律令内の医疾令により、医家の必読書と定められた五書のうちの一つ。 |
明堂脈訣 | めいどうみゃっけつ | 大宝律令内の医疾令により、医家の必読書と定められた五書のうちの一つ。 |
甲乙経 | こうおつきょう | 大宝律令内の医疾令により、医家の必読書と定められた五書のうちの一つ。 |
黄帝針経 | こうていしんきょう | 大宝律令内の医疾令により、医家の必読書と定められた五書のうちの一つ。 |
素問 | そもん | 大宝律令内の医疾令により、医家の必読書と定められた五書のうちの一つ。 |
名称 | 読み | 略歴 |
地球の舞台 | ちきゅうのぶたい | オルテリウスが著した、近代地図帳の嚆矢。南極が描かれている事でも著名。 1570年初版だが年内に四刷までいき、日本へは天正遣欧使節が1冊持ち帰った。 |
交歓大楽賦 | こうかんだいがくふ | 正式には『天地陰陽交歓大楽賦』。白居易の弟・白行簡の著と伝わる。 上流社会の若い男女の初夜、その後の性生活、技巧法などを緻密に描写した書。 |
名称 | 読み | 略歴 |
先天酒 | せんてんしゅ | 女性が性交の際に洩らす津液の一つ。母
乳、もしくは乳房付近の汗。唐末・五代の 崔基範は「先天の気と後天の気を取れば酔ったようになる」と述べている。 |
後天酒 | こうてんしゅ | 女性が性交の際に洩らす津液の一つ。愛液の事を道家はこう呼ぶ。「津」とは 「湧き出す・漏れ出す」の意である。戦場で女に溺れれば危うい事この上ない。 |
天地水 | てんちすい | 女性が性交の際に洩らす津液の一つ。唾液の事を道教ではこう呼ぶ。 道家は女性が性交の際に洩らす津液を丹薬の材料と看做し、不老長生の妙薬と考えた。 |
名称 | 読み | 略歴 |
茄子 | 京茄子型の茶入。茶入の格式は茄子をもって最上とする。 | |
紹鴎茄子 | じょうおうなす | 漢作唐物の大名物。紹鴎茄子と呼ばれる大名物茶入は3つあり、残る2つは それぞれ「澪標」「松本茄子」の別名を持つ。 |
茜屋茄子 | あかねやなす | 漢作の大名物。宋代のものと伝わる。銘は所持者の茜屋吉松に因む。ねっとりとした 土で小振りながら薄手に作られ、艶のある黒褐色をしている。 |
京極茄子 | きょうごくなす | 漢作の大名物。東山の頃から茶人の間に伝来されて、評判記の絶えない茶入。 豊臣秀吉から織田可休、徳川家康、柳営御 物などを経て、紀州徳川家へ伝わった。 |
福原茄子 | ふくはらなす | 唐物茶入は茄子を最上とする。福原の銘は所持者に由来すると思われるが不詳。 伊達綱村が新庄越前守に懇望して以来、伊達家の重宝となった。漢作の大名物。 |
北野茄子 | きたのなす | 漢作の大名物。全体に黒褐色の釉がかかり、口の近辺に僅かに傾れが見られる。 松本宗不、豊臣秀吉、徳川将軍家などを経て野村家へ伝わり、野村美術館所蔵。 |
宗悟茄子 | そうごなす | 漢作唐物の大名物。銘は武野紹鴎の茶師・十四屋宗悟所持に因む。大ぶりで 茜屋茄子に似る。口造りの捻り返し強く、飴釉が濃く光沢がある。 |
七夕茄子 | たなばたなつめ | 漢作唐物の大名物。「棗(なつめ)」は薄茶用の茶入だが、これはこう読む。 五つ茄子の一つに数えられる。 |
兵庫茄子 | ひょうごなす | 漢作唐物の大名物。 |
朱張茄子 | --なす | 漢作唐物の大名物。佐野弥高亭旧蔵品。 |
利休物相 | りきゅうもっそう | 漢作唐物の大名物。別名「木葉猿茄子」。千利休、柳営御物、伊達政宗などを転伝。 時代と共に七種の箱が添うようになった。 |
利休小茄子 | りきゅうこなす | 漢作唐物の名物。五つ茄子の一つに数えられる。 |
豊後茄子 | ぶんごなす | 漢作唐物の名物。五つ茄子の一つに数えられる。 |
曙茄子 | あけぼのなす | 漢作唐物の名物。五つ茄子の一つに数えられる。残る一つは富士茄子。 |
種子茄子 | たねなす | 漢作唐物茶入。種子島左近、島津家久、島津家家宝を経て公爵忠重に伝わる。 |
本行坊茄子 | ほんぎょうぼうなす | 唐物の大名物。 |
尊教院茄子 | そんきょういんなす | 唐物の大名物。 |
花瓶口茄子 | かびんぐちなす | 唐物の大名物。 |
宗瓦茄子 | そうがなす | 唐物の大名物。 |
宗怡茄子 | そういなす | 唐物の大名物。 |
月山茄子 | がっさんなす | 唐物の大名物。 |
内藤茄子 | ないとうなす | 唐物の大名物。 |
玄哉茄子 | げんやなす | 唐物の大名物。 |
円性茄子 | えんじょうなす | 唐物の大名物。 |
出雲茄子 | いずもなす | 唐物の大名物。 |
峰屋茄子 | みねやなす | 唐物の大名物。 |
珠光茄子 | しゅこうなす | 唐物の大名物。 |
浄珍茄子 | じょうちんなす | 唐物の大名物。 |
朱帳茄子 | --なす | 唐物の大名物。朱張茄子に同じか。 |
住吉茄子 | すみよしなす | 唐物の大名物。 |
鳥井茄子 | とりいなす | 唐物の名物。 |
八重葎茄子 | やえむぐらなす | 唐物の名物。 |
飛鳥河 | あすかがわ | 古高取の茄子茶入。黒田家に鼓と茶の湯で仕えた杉山家に代々伝わり、 杉山茂丸が松永耳庵に譲った。以前は古金襴の仕服が一枚あるだけだった。 |
文琳 | 茄子に次ぐ格式。林檎型の茶入。といっても当時なので姫林檎。唐代?、 李瑛が皇帝に林檎を献上して文琳の間を賜ったので、以後林檎の異名となった。 | |
白玉文琳 | はくぎょくぶんりん | 漢作唐物の大名物。口も甑も締って小さく、肩より品よき丸味にて盆付に納まる 姿は、まさに玉の如くである。丸屋林斎、東本願寺、伊達家などへと伝わった。 |
羽室文琳 | はむろぶんりん | 漢作唐物の大名物。銘は公家の羽室家が所蔵していた事に由来。後、第三代 長崎奉行・長谷川藤広が所持した事から、現在は長谷川文琳の名で呼ばれる。 |
長谷川文琳 | はせがわぶんりん | 漢作唐物の大名物。羽室文琳とはまた別のもの。 |
大文字屋文琳 | だいもんじやぶんりん | 漢作唐物の大名物。 |
笘屋文琳 | とまやぶんりん | 漢作唐物の大名物。「苫屋」の誤植か。 |
文茄 | ぶんな | 漢作唐物の大名物。茄子と文琳のちょうど中間の形をしている事に因む。 命銘者は武野紹鴎とも千利休とも伝わる。 |
田村文琳 | たむらぶんりん | 漢作唐物の名物。 |
織田文琳 | おだぶんりん | 漢作唐物の名物。 |
宇治文琳 | うじぶんりん | 漢作唐物の名物。 |
奈良文琳 | ならぶんりん | 漢作唐物の名物。 |
岩城文琳 | いわきぶんりん | 漢作の中興名物。銘は岩城貞隆所持に由来する。別名は「上天文琳」。天覧に 供したからとも、無上の逸品だからともいわれる。山並みのような流れ釉が特徴。 |
吹上文琳 | ふきあげぶんりん | 漢作の中興名物。古今集の秋歌に因んだ命銘。吹上は紀伊国の名所である。 白玉文琳とともに掌中の珠玉を思わせる小壷。酒井宗雅、松平治郷へと伝わった。 |
若草文琳 | わかくさぶんりん | 漢作唐物茶入。名物並。別名「国師文琳」は以心崇伝に因む。東山御物、 南禅寺本光(金地院)国師崇伝、日置清兵衛などを転伝。 |
横山文琳 | よこやまぶんりん | 漢作唐物茶入。銘は前田家家老横山長知所持に因む。のち主家に献上された。 |
平野文琳 | ひらのぶんりん | 漢作唐物茶入。唐物とする事もある。銘は平野道是所持に因む。 道是から安芸浅野家に伝わり、家宝となった。 |
水戸文琳 | みとぶんりん | 漢作唐物茶入。唐物とする事もある。徳川綱吉所持の前後が不明だが、のち 水戸徳川家に伝わり、この銘を得た。 |
三島文琳 | みしまぶんりん | 漢作唐物茶入。銘は伊豆三島の代官が所持していた事によるが、何者か不明。 のち加賀前田家に伝わった。 |
筑紫文琳 | ちくしぶんりん | 漢作唐物茶入。唐物とする事もある。津田宗達、江月和尚などを経て今は 龍光院が所蔵。 |
佐竹文琳 | さたけぶんりん | 漢作唐物茶入。唐物とする事もある。秋田佐竹藩に伝わりこの銘を得た。 のち神戸の田村市郎の所有となった。 |
道蓮文琳 | --ぶんりん | 漢作唐物茶入。 |
半月文琳 | はんげつぶんりん | 漢作唐物茶入。 |
霜夜文琳 | そうやぶんりん | 古瀬戸茶入。 |
山里文琳 | やまざとぶんりん | 古瀬戸茶入。 |
藻塩文琳 | もしおぶんりん | 古瀬戸茶入。 |
破被文琳 | --ぶんりん | 古瀬戸茶入。 |
肩衝 | 茶入の肩がしっかりと張っているもの。いちばん多い型。 | |
唐物小肩衝 | からものこかたつき | 漢作の大名物。口縁の捻り返しはやや浅く、肩がきっかりと衝く。変化に富んだ 景色を呈し、稀有な唐物小肩衝の中でも逸品。徳川家康、伊達政宗などを転伝。 |
種村肩衝 | たねむらかたつき | 漢作の大名物。銘の由来である種村刑部少輔は近江佐々木氏の臣という。 明暦の大火を経て狩野探幽の所持となり、松平治郷、野村得庵へと伝わった。 |
油屋肩衝 | あぶらやかたつき | 漢作の大名物。唐物茶入の釉色の麗しさ、見事さは、この茶入をもって最上とする。 油屋から秀吉、福島正則、柳営御物、土井利勝、松平治郷などを転伝した。 |
日野肩衝 | ひのかたつき | 漢作の大名物。甑高く胴は素直に伸びて裾の締りよく、風格高き容姿をしている。 日野資輝から大文字屋、前田利家などを経て、松平治郷(不昧)へ伝わった。 |
北野肩衝 | きたのかたつき | 漢作の大名物。口作り玉縁よく甑際に納まり、肩衝の張りほどよく、胴張り少ない。 足利義政から天王寺屋、烏丸光弘、三井本家、若狭酒井家へと伝わった。 |
残月肩衝 | ざんげつかたつき | 漢作唐物の大名物。銘は幸い月の残ったような釉溜りがある事による。東山御物から 織田有楽斎、前田利家、徳川家康、榊原康政などを経て松平治郷へ伝わる。 |
樋口肩衝 | ひぐちかたつき | 漢作唐物の大名物。銘は樋口知秀所持に拠る。別名山井肩衝の由来は古瀬戸 山の井肩衝と同じ。大ぶりで堂々、総体に黒釉。伊達家と徳川将軍家を二度往来。 |
有明 | ありあけ | 漢作の大名物。元代、福建省の焼造。肩口にかかる点釉が、有明の海の上方に 輝く満月を想起させる。足利将軍家、大友宗麟、徳川将軍家などを転伝した。 |
雲山肩衝 | うんざんかたつき | 漢作唐物茶入。銘は仕服の雲山裂による。もと楊貴妃の油壺だったという。 豪商が叩き割ったのを別人が貰って繕って後、初めて利休に激賞された。 |
富士山肩衝 | ふじさんかたつき | 漢作の中興名物。小肩衝ながら胴下脇におおきやかな力を見せ、富士山の如き 釉がかりを正面に置く。銘は僧江月の詩賦に由来する。 |
松飾肩衝 | まつかざりかたつき | 漢作唐物肩衝。臼に似ている事から餅つきと松飾を連想しての命銘と推測される。 高橋箒庵旧蔵。 |
勢高肩衝 | せいたかかたつき | 漢作唐物茶入。背が高い事からこの銘を冠するが、投頭巾肩衝より6mm低い 8.8cmである。 |
青木肩衝 | あおきかたつき | 漢作唐物茶入。 |
伊木肩衝 | いぎかたつき | 漢作唐物茶入。 |
大坂肩衝 | おおさかかたつき | 漢作唐物茶入。 |
大隅肩衝 | おおすみかたつき | 漢作唐物茶入。 |
かわづ肩衝 | かわづかたつき | 漢作唐物茶入。 |
木津屋肩衝 | きづやかたつき | 漢作唐物茶入。 |
玉堂肩衝 | ぎょくどうかたつき | 漢作唐物茶入。 |
久我肩衝 | くがかたつき | 漢作唐物茶入。 |
佐伯肩衝 | さえきかたつき | 漢作唐物茶入。 |
酒井肩衝 | さかいかたつき | 漢作唐物茶入。 |
師匠坊肩衝 | ししょうぼうかたつき | 漢作唐物茶入。 |
宗半肩衝 | そうはんかたつき | 漢作唐物茶入。 |
道阿弥肩衝 | どうあみかたつき | 漢作唐物茶入。 |
鍋屋肩衝 | なべやかたつき | 漢作唐物茶入。 |
白雲丸肩衝 | はくうんまるかたつき | 漢作唐物茶入。 |
平手肩衝 | ひらてかたつき | 漢作唐物茶入。 |
平野肩衝 | ひらのかたつき | 漢作唐物茶入。 |
伯耆肩衝 | ほうきかたつき | 漢作唐物茶入。 |
松山肩衝 | まつやまかたつき | 漢作唐物茶入。 |
味噌屋肩衝 | みそやかたつき | 漢作唐物茶入。 |
薬師院肩衝 | やくしいんかたつき | 漢作唐物茶入。 |
蘆庵肩衝 | ろあんかたつき | 漢作唐物茶入。 |
堪忍肩衝 | かんにんかたつき | 漢作唐物茶入。 |
靱肩衝 | ともかたつき | 漢作唐物茶入。 |
繁雪肩衝 | はんせつかたつき | 漢作唐物茶入。 |
常陸帯肩衝 | ひたちおびかたつき | 漢作唐物茶入。 |
箆目肩衝 | へらめかたつき | 漢作唐物茶入。 |
不動肩衝 | ふどうかたつき | 漢作唐物茶入。 |
星肩衝 | ほしかたつき | 漢作唐物茶入。 |
木目肩衝 | もくめかたつき | 漢作唐物茶入。 |
八雲肩衝 | やくもかたつき | 漢作唐物茶入。 |
侘助肩衝 | わびすけかたつき | 漢作唐物茶入。 |
朱衣肩衝 | --かたつき | 漢作唐物茶入。 |
瘤肩衝 | こぶかたつき | 唐物の大名物。南宋〜元の作。樽形に近い撫肩衝。胴にある瘤状の突起から この銘を得た。佐々孫介所有の時期があり、佐々肩衝ともいう。 |
柴戸小肩衝 | しばのとこかたつき | 唐物、燕庵名物。釉薬は鶉斑見事に表れ、置型は肩から畳付の上で止まる。 芋子に似るが僅かに肩を衝く。古田織部から薮内剣仲に譲られた。 |
投頭巾肩衝 | なげずきんかたつき | 一見焼きの荒い粗末な茶入だが、銘は村田珠光が初見の折、頭巾を投げ捨てて 感動した事による。豊臣秀吉が明使の饗応に使用。明暦の大火で焼失。大名物。 |
六条肩衝 | ろくじょうかたつき | 古瀬戸の大名物。釉、胴筋とも唐物茶入の如く表れているが、古瀬戸らしい調和を 保っている。久我大納言、宗対馬守などを経て松平治郷へ伝わった。 |
山の井肩衝 | やまのいかたつき | 古瀬戸の大名物。銘は沢庵宗恩の詠歌に因む。形は締り腰筋深く、瀬戸釉独特の 陰陽濃淡を見せている。松井康之、細川忠興、細川丹後守、松平治郷を転伝。 |
鎗の鞘肩衝 | やりのさやかたつき | 古瀬戸の大名物。口作り低く肩に迫り、肩先に近く、肩より裾に至るやや 膨らみの線が見事に伸びて端正な姿となり、銘の如く、鎗の鞘を連想させる。 |
出雲肩衝 | いずもかたつき | 古瀬戸の名物。金森出雲守可重が所持していたのでこの銘がある。のち細川忠興に 譲られた。厚作りで柿釉が冴え、黒の斑が非常に美しく金気が見事である。 |
在中庵肩衝 | ざいちゅうあんかたつき | 中興名物。在中庵は道休の庵号。古瀬戸茶入中申し分のない肩衝形をなし、 釉景ともに小堀遠州好みの茶入。これがため遠州は自らの茶室を在中庵と名づけた。 |
伊予簾 | いよすだれ | 古瀬戸の中興名物。尻膨の小肩衝茶入。銘は歌銘による。銘の如く古瀬戸中の 侘び物の逸品。小堀遠州から土屋相模守、松平伊賀守を経て赤星家へ伝わった。 |
白肩衝 | しろかたつき | 古瀬戸肩衝茶入。銘は白い小石の粒が茶入全面に散点する事による。 黒釉地に柿金気色の鶉斑が表れて景色をなす。現在静嘉堂文庫所蔵。 |
浅井肩衝 | あざいかたつき | 古瀬戸茶入。 |
浅野肩衝 | あさのかたつき | 古瀬戸茶入。 |
生駒肩衝 | いこまかたつき | 古瀬戸茶入。 |
大島肩衝 | おおしまかたつき | 古瀬戸茶入。 |
加藤小肩衝 | かとうこかたつき | 古瀬戸茶入。 |
金森肩衝 | かなもりかたつき | 古瀬戸茶入。 |
神谷肩衝 | かみやかたつき | 古瀬戸茶入。 |
高根肩衝 | たかねかたつき | 古瀬戸茶入。 |
茶屋肩衝 | ちゃやかたつき | 古瀬戸茶入。 |
徳永肩衝 | とくながかたつき | 古瀬戸茶入。 |
奈良肩衝 | ならかたつき | 古瀬戸茶入。 |
成高肩衝 | なりたかかたつき | 古瀬戸茶入。 |
畠山肩衝 | はたけやまかたつき | 古瀬戸茶入。 |
長谷川肩衝 | はせがわかたつき | 古瀬戸茶入。 |
林肩衝 | はやしかたつき | 古瀬戸茶入。 |
平手肩衝 | ひらてかたつき | 古瀬戸茶入。 |
平野肩衝 | ひらのかたつき | 古瀬戸茶入。 |
本阿弥肩衝 | ほんあみかたつき | 古瀬戸茶入。 |
山内肩衝 | やまうちかたつき | 古瀬戸茶入。 |
横田肩衝 | よこたかたつき | 古瀬戸茶入。 |
浅茅肩衝 | あさじかたつき | 古瀬戸茶入。 |
麻地肩衝 | あさじかたつき | 古瀬戸茶入。 |
黄河肩衝 | こうがかたつき | 古瀬戸茶入。 |
除夜肩衝 | じょやかたつき | 古瀬戸茶入。 |
故郷肩衝 | こきょうかたつき | 古瀬戸茶入。 |
紹高肩衝 | じょうこうかたつき | 古瀬戸茶入。 |
浪花肩衝 | なにわかたつき | 古瀬戸茶入。 |
釣舟肩衝 | つりふねかたつき | 古瀬戸茶入。 |
臨月肩衝 | りんげつかたつき | 古瀬戸茶入。 |
村雲肩衝 | むらくもかたつき | 古瀬戸茶入。 |
可中肩衝 | よしなかかたつき | 古瀬戸茶入。 |
八重桜肩衝 | やえざくらかたつき | 古瀬戸茶入。 |
女郎花肩衝 | おみなえしかたつき | 古瀬戸茶入。 |
朝寝髪肩衝 | あさねがみかたつき | 古瀬戸茶入。 |
古瀬戸小肩衝 | こせとこかたつき | 古瀬戸茶入。 |
池島肩衝 | いけじまかたつき | 瀬戸焼、春慶・朝日手の茶入。銘は池島立全所持による。薄い鉄釉がかかり、 肩から胴の上部に、黄や橙色の飛釉が弧を描くように配されている。 |
河菜草 | かわなぐさ | 瀬戸真中古窯の名物茶入。野田手といわれる形容。銘は古今集の「かはなくさ」に 由来する。神尾元陳、松平治郷などを経て住友吉左衛門へ伝わった。 |
野田 | のだ | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。野田手本歌。前田家に伝わるが、焼失。 |
面影 | おもかげ | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。野田の焼失後、野田手本歌とされた。 |
猿若 | さるわか | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。野田手。 |
月迫 | つきさこ | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。野田手。 |
山桜 | やまざくら | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。野田手。 |
宮城野 | みやぎの | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。野田手。 |
橋姫 | はしひめ | 瀬戸真中古窯の中興名物。肩衝ながら筒形は橋姫手の特徴で、土も堅く見える。 野田手面影と並び釉の景色の多い茶入。小堀遠州から京都三井家へ伝わった。 |
恐 | おそれ | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。橋姫手。 |
布引 | ぬのびき | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。橋姫手。 |
佐久間面取 | さくまめんとり | 瀬戸真中古窯の中興名物。高さと胴径がほぼ同寸法のずんぐりとした形で、 口が大きく肩ががっしりと衝く。肩先に幅広く面を取っているため、面取手という。 |
面取 | めんとり | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。面取手本歌。 |
面取引貯 | めんとりひきため | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。面取手。 |
染色 | -- | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。面取手。 |
吸江 | -- | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。面取手。 |
転合 | -- | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。面取手。 |
庵 | いおり | 瀬戸真中古窯の肩衝茶入。面取手。 |
青柳 | あおやなぎ | 瀬戸真中古窯、藤四郎手の中興名物。銘は甑際から傾れた青い釉が細雨に煙る 青柳の趣がある事に由来するといわれる。明治維新後は岩崎家に納まった。 |
春山蛙声 | しゅんざんあせい | 瀬戸真中古窯の中興名物で柳藤四郎手。平味の強い肩衝。春山は色に因み、 蛙声は形に因んだ銘といわれる。形・土・釉ともに他に類を見ず、黄瀬戸の先駆。 |
三笠山 | みかさやま | 瀬戸金華山窯、飛鳥川手の中興名物。もと奈良にあったことから奈良茶入とも いわれた。中興名物とは主に、小堀遠州の選定によるものである。 |
白露 | しらつゆ | 瀬戸金華山窯、大津手の肩衝茶入。中興名物。置形で傾れをなす黒釉の露先に 白い斑。朽木昌綱所持の時、義弟松平治郷が二百両での譲渡を願うも断られた。 |
増鏡 | ますかがみ | 瀬戸金華山窯、玉拍手の中興名物。小堀遠州が拾遺集の柿本人麻呂の歌より 引用して命銘した。土橋政直から諸伝を経て松平治郷へ伝わった。 |
広沢 | ひろさわ | 瀬戸金華山(稲葉山)窯の中興名物。広沢手本歌。形が裾張りになっているのが、 金華山の中でも変わり形といわれる。小堀遠州が蓋の裏の貼紙に銀を用いた。 |
飛鳥川 | あすかがわ | 瀬戸金華山窯の中興名物。飛鳥川手本歌。形一様に穏やかなる肩衝で、 前に一筋、やや薄く流れ釉が置き形を作る。小堀遠州から酒井忠勝へ伝わった。 |
岩藤 | いわふじ | 瀬戸金華山窯、生海鼠手の肩衝茶入。柿釉に黒釉が斑に現れる中、黒釉が一筋 下方に流れる景色に引銘か。生海鼠手本歌中興名物「三輪山」に酷似という。 |
橋立 | はしだて | 瀬戸破風窯の中興名物。橋立手本歌の肩衝茶入。破風窯としては希少で、形も珍しく 胴下に膨らみを持たせている。流れ釉を景勝・天橋立に見立てた逸品。 |
凡 | およそ | 瀬戸破風窯の中興名物。凡手本歌。撫肩をした風変わりな肩衝。「凡そこれに 及ぶものあるまじ」の意と、凡の文字がこの茶入の姿に似ていることに由来する。 |
玉津島 | たまつしま | 瀬戸破風窯・凡手の肩衝茶入。四代藤四郎の作と伝わる。中興名物。銘は 『玉葉和歌集』崇徳院の歌による。金気のある栗色釉地に、幅広い黄釉が景色をなす。 |
藻塩 | もしお | 瀬戸破風窯・渋紙手の肩衝茶入。中興名物。古今集の歌に因んで県宗知が命銘。 肩は直角に近く、多少胴が張り、竪箆が見られる。腰から下は土見せで細く窄まる。 |
山桜 | やまざくら | 中興名物の肩衝茶入。瀬戸渋紙手。茶入の景色に因んで小堀遠州が命銘したと いわれる。胴に三本の堅箆が見られ、共釉の傾れと相俟って味のある景色をなす。 |
利休地蔵 | りきゅうじぞう | 中興名物の肩衝茶入。利休瀬戸の代表的作品。胴の一面に地蔵形の箆がある 事から、小堀遠州が命銘した。地蔵の面の左下方には火間も見られる。 |
生野肩衝 | いくのかたつき | 丹波焼の中興名物。小堀遠州が丹波焼に因み同国の名所を銘とした。古来雑器 ばかりを焼いていた丹波焼に、遠州が好みで焼かせた茶入のうち、唯一の完品。 |
染川 | そめかわ | 高取焼の中興名物。銘は伊勢物語の歌に因む。黒田長政のために焼かれ、 千個のうち染川一つを残して他は全て割り捨てられた。「秋の夜」と一つ箱に納まる。 |
秋の夜 | あきのよる | 中興名物の高取茶入。錦風に山の木々色づきたる趣の上に、肩から紅葉の 深い山かげまでも望んだような景色が、染川と対象して釉薬の奇を賞している。 |
堅田肩衝 | かただかたつき | 中興名物。甑は高く、捻り返しは鋭い。甑の座のあたりに浮筋が見られる。 釉は艶のない茶褐色で、釉止まりは高く、三分の一が土見せとなっている。 |
大海 | 口広く胴張って平らかな型。「たいかい」とも読む。古くは内海と書いた。 内海は今では大海に似て小ぶりなものをいい、小大海ともいう。「ないかい」とも読む。 | |
八島大海 | やしまだいかい | 漢作唐物茶入。 |
山桜大海 | やまざくらだいかい | 漢作唐物茶入。 |
八重桜大海 | やえざくらだいかい | 漢作唐物茶入。 |
唐大海 | からだいかい | 漢作唐物茶入。 |
若草 | わかくさ | 唐物大海茶入。松木の盆がついており、その裏には織田有楽斎の筆と伝わる 「文」の朱文字がある。 |
敷島大海 | しきしまだいかい | 古瀬戸茶入。 |
大鳥大海 | おおとりだいかい | 古瀬戸茶入。 |
金森大海 | かなもりだいかい | 古瀬戸茶入。 |
谷大海 | たにだいかい | 古瀬戸茶入。 |
節季大海 | せっきだいかい | 古瀬戸茶入。 |
置紋大海 | おきもんだいかい | 古瀬戸茶入。 |
八重桜大海 | やえざくらだいかい | 古瀬戸茶入。 |
白鼠大海 | しろねずみだいかい | 古瀬戸茶入。主人を大黒に比し、自らをその使いに見立てた銘か。 『山上宗二記』には、この時代、大海は既に廃れたと書かれている。 |
玉村 | たまむら | 瀬戸・真中古窯、大覚寺手の大海茶入。和歌「うつろはで庭おもしろき初雪に おなじ色なる玉村のさと」から引銘。総体金気釉の中、光沢麗しい変化あり。 |
高取大海 | たかとりだいかい | 福岡・高取焼、白旗山窯の作。唐物大海の祖形とは大きく異なり、口造は 外に開き、甑際に締る。撫肩で胴は張り出し、裾に向けて窄まる。中興名物。 |
瓢箪 | 千成瓢箪型の茶入。 | |
白雲 | はくうん | 膳所瓢箪茶入。中興名物。甑はなく、上段と下段にふくよかな膨らみ。 くびれ部分下方に白濁した釉がかかり、白雲が山腰に巡る景色ありと、小堀遠州が命銘。 |
春慶瓢箪 | しゅんけいひょうたん | 瀬戸焼の瓢箪茶入。中興名物。堀田正盛絶っての懇請で、正保2(1645)年の 大福茶で使用された。小堀遠州、堀田正盛、土屋政直、若狭酒井家を転伝。 |
玉津島 | たまつしま | 漢作の中興名物。天下六瓢箪の第三。小堀遠州の命銘といわれる。形はやや小振りで、 胴のくびれが強く親しみの持てる瓢箪型をなす。現在も徳川家が所蔵。 |
佐久間瓢箪 | さくまひょうたん | 漢作の瓢箪茶入。天下六瓢箪の第四。佐久間家から前田対馬守へ伝わった。 現存しない。 |
真珠庵瓢箪 | しんじゅあんひょうたん | 漢作の瓢箪茶入。天下六瓢箪の第五。天徳寺真珠庵が所蔵していたことに由来する。 現存しない。 |
茶屋瓢箪 | ちゃやひょうたん | 漢作の瓢箪茶入。天下六瓢箪の第六。本阿弥光的、茶屋長以、宗古、本多安茂を転伝。 現存しない。 |
丸壷 | ||
利休丸壷 | りきゅうまるつぼ | 漢作の大名物。銘は千利休所持に由来。形、口作り一文字で、甑真直ぐに 立ち上がり、壷の丸形少しく平味に、円満なる相好。金森家から水野勝成へ伝わった。 |
早苗丸壷 | さなえまるつぼ | 大名物茶入。銘は小堀遠州の命銘によるが由来は不明。茶入の若やいだ形容に因んだか。 小堀遠州から平野屋宗珠、平野屋を経て山口家に伝わった。 |
唐丸壷 | からまるつぼ | 漢作唐物の大名物。この名で呼ばれる丸壷は2個ある。 |
志野丸壷 | しのまるつぼ | 志野の名を冠するが漢作唐物の茶入。大名物。 |
金森丸壷 | かなもりまるつぼ | 漢作唐物の大名物。 |
寺沢丸壷 | てらさわまるつぼ | 漢作唐物の大名物。 |
土田丸壷 | つちだまるつぼ | 漢作唐物の大名物。 |
青山丸壷 | あおやままるつぼ | 漢作唐物の名物。 |
石河丸壷 | いしこまるつぼ | 漢作唐物の名物。 |
石黒丸壺 | いしぐろまるつぼ | 漢作唐物の名物。 |
天下一丸壷 | てんかいち | 漢作唐物の名物。 |
龍光院丸壷 | りょうこういん | 漢作唐物の名物。 |
木下丸壷 | きのしたまるつぼ | 漢作唐物の中興名物。 |
二村丸壷 | ふたむらまるつぼ | 漢作唐物茶入。二村某、前田利常、前田家家臣因幡に伝わり、 前田家に戻った後、侯爵利為まで伝わる。 |
時鳥 | ほととぎす | 漢作唐物の丸壷茶入。竹蔵屋紹滴、毛利家代々と伝わり、公爵元昭に至る。 |
六角堂丸壺 | ろっかくどうまるつぼ | 唐物の大名物。 |
本阿弥丸壺 | ほんあみまるつぼ | 唐物の大名物。 |
奈良屋丸壺 | ならやまるつぼ | 唐物の大名物。 |
昭高院丸壺 | しょうこういんまるつぼ | 唐物の大名物。 |
右衛門太夫 | うえもんだゆう | 唐物の大名物丸壺。 |
道安丸壺 | どうあんまるつぼ | 唐物の大名物。銘は千道安に因む。 |
治郎丸壺 | じろうまるつぼ | 唐物の大名物。 |
竹越丸壺 | たけごしまるつぼ | 唐物の大名物。 |
宗三丸壺 | そうさんまるつぼ | 唐物の大名物。銘は三好宗三に因む。 |
後藤丸壺 | ごとうまるつぼ | 唐物の大名物。 |
水野丸壺 | みずのまるつぼ | 唐物の大名物。 |
佐野丸壺 | さのまるつぼ | 唐物の大名物。 |
善念丸壺 | ぜんねんまるつぼ | 唐物の大名物。別名「珠光丸壷」。 |
勢至丸壺 | せいしまるつぼ | 唐物の大名物。 |
森丸壺 | もりまるつぼ | 唐物の大名物。 |
橘丸壺 | たちばなまるつぼ | 唐物の大名物。焼失。 |
柏原丸壺 | かしはらまるつぼ | 唐物の名物。 |
松原丸壺 | まつばらまるつぼ | 唐物の名物。 |
松本丸壺 | まつもとまるつぼ | 唐物の名物。別名「みつの山丸壷」。 |
菊屋丸壺 | きくやまるつぼ | 唐物の名物。 |
平野丸壺 | ひらのまるつぼ | 唐物の名物。 |
相坂丸壷 | おうさかまるつぼ | 古瀬戸の中興名物。古今集の歌に因んで小堀遠州が命銘。 その釉掛かりの様は、まるでくすんだ黄金のようである。 |
鶴首 | 甑が鶴の首のように長いもの。 | |
利休鶴首 | りきゅうつるくび | 漢作の大名物。銘は千利休所持に由来する。土は赤みを帯びて胴下を顕し、 本糸切り整然と見える。松平忠輝、徳川家、島津家などを転々とした。 |
養老鶴首 | ようろうつるくび | 漢作唐物茶入。 |
本願寺鶴首 | ほんがんじつるくび | 漢作唐物茶入。 |
龍光院鶴首 | りょうこういんつるくび | 漢作唐物茶入。 |
漱芳鶴首 | そうほうつるくび | 漢作唐物茶入。 |
漢鶴鶴子 | かんづるつるこ | 漢作唐物茶入。 |
その他 | まだまだ様々な形状の茶入があります。 | |
胴高 | どうだか | 島物茶入。島物とは呂宋など南方の島から伝来したものだが、漢作唐物とされる。 |
島物耳付 | しまものみみつき | 島物茶入。漢作唐物とされる。 |
霊亀 | れいき | 島物茶入。漢作唐物とされる。 |
利休尻膨 | りきゅうしりぶくら | 大名物。北野大茶湯にも用いられた。千利休から家康へ渡り、細川忠興が 関ヶ原の役の軍功により秀忠から拝領した。以後は細川家第一の重宝となった。 |
翁 | おきな | 中興名物。翁手本歌。背は低く胴がやや締って裾が角張りを見せた形は、どことなく 翁の顔を思わせる。瀬戸破風窯中の出来物と言い伝える。 |
雨宿 | あまやどり | 古瀬戸芋子茶入。中興名物。銘は『詞花集』藤原公任の歌によるといわれる。 光沢ある柿釉に黒釉がかかり、置形は土見せで一筋となって盆付付近で止まる。 |
黄頽 | おうたい | 古瀬戸芋子茶入。 |
勢至 | せいし | 古瀬戸芋子茶入。 |
山桜 | やまざくら | 古瀬戸芋子茶入。 |
不聞猿 | きかざる | 瀬戸後窯の名物茶入。宗伯の作と伝わる。茶入の耳の姿が耳を覆う手に見え、 三猿の一「聞か猿」を連想するため、この銘を得た。同形の茶入が複数存在する。 |
大江 | おおえ | 膳所焼の中興名物。窯元の地名を取って小堀遠州が命銘したと思われる。胴張り で轆轤目細かく表れ、濃い飴釉が正面に傾れ、均整の取れた典雅な姿を示す。 |
唐物耳付 | からものみみつき | 漢作唐物茶入。同名のものが2個ある。 |
唐物釣付 | からものつりつき | 漢作唐物茶入。 |
唐物擂茶 | からものるいざ | 漢作唐物茶入。 |
唐物円座 | からものえんざ | 漢作唐物茶入。 |
唐物驢蹄 | からものろてい | 漢作唐物茶入。 |
唐瓶子 | からへいし | 漢作唐物茶入。 |
冬木絃付 | ふゆきいとつき | 漢作唐物茶入。 |
餓鬼腹 | がきばら | 漢作唐物茶入。 |
茜屋柿 | あかねやがき | 漢作唐物茶入。 |
皆口 | みなくち | 漢作唐物茶入。 |
柑子 | こうじ | 漢作唐物茶入。 |
鮟鱇 | あんこう | 漢作唐物茶入。 |
野中 | のなか | 漢作唐物茶入。 |
古瀬戸胴高 | こせとどうだか | 古瀬戸茶入。 |
古瀬戸耳付 | こせとみみつき | 古瀬戸茶入。 |
瀬戸柿 | せとがき | 古瀬戸茶入。 |
尻膨 | しりぶくら | 尻が膨らんでいる。尻張(しりはり)ともいう。 |
勢高 | せいたか | |
瓜 | うり | |
芋子 | いものこ | 里芋型の茶入。小ぶりでごろりとした感じ。 |
芋頭 | いもがしら | 里芋型の茶入。 |
柿 | かき | 西条柿型の茶入。 |
橘 | たちばな | |
釣鐘 | つりがね | |
瓶子 | へいし | |
餌畚 | えふご | 「ふご」は正しくはたけかんむりに「維」。 |
湯桶 | ゆとう | |
飯桶 | はんとう | |
蝋燭手 | ろうそくで | |
手瓶 | てがめ | |
四滴 | してき | |
達磨 | かだつま |
皆口 | みなくち | |
広口 | ひろくち | |
驢蹄口 | ろていぐち | |
十王口 | じゅうおうぐち | |
鮟鱇 | あんこう | |
擂座 | るいざ | 擂茶、累座とも書く。半球形の小粒の貼付により、器物の装飾としたもの。 茶入では甑の周りに配される。 |
大肩衝 | おおかたつき | |
小肩衝 | こかたつき | |
春慶肩衝 | しゅんけいかたつき | |
撫肩 | なでがた | |
面取 | めんとり | 肩先を箆で潰して面を取っているもの。 |
二段肩 | にだんがた | |
車軸 | しゃじく | |
耳付 | みみつき | 肩先に取っ手のようなもの(耳)がついているもの。 |
胴高 | どうだか | |
飯胴 | はんどう | |
胴締 | どうじめ | |
太鼓 | たいこ | |
捻貫 | ねじぬき | |
糸目 | いとめ | |
餓鬼腹 | がきばら | |
円座 | えんざ | |
台座 | だいざ | |
面取 | めんとり | 底に面を取っているもの。 |
面不取 | めんとらず | |
上底 | うえぞこ | |
丸底 | まるぞこ | |
尊 | そん | |
水滴 | すいてき | |
常陸帯 | ひたちおび |
雪柳手 | ゆきやなぎで | |
破風手 | はふで | |
下髪手 | さげかみで | |
椿手 | つばきで | |
渋紙手 | しぶかみで | |
生海鼠手 | なまこで |
名称 | 読み | 略歴 |
唐物 | ||
珠光青磁 | しゅこうせいじ | 櫛目紋や花紋を陰刻した下手な青磁を総称してこう呼ぶ。村田珠光がこの手の青磁を 愛蔵した事に因む。宋代、福建省同安及び泉州碗窯郷の作。 |
筒井筒井戸 | つついづついど | 喜左衛門井戸、細川井戸と並ぶ、大井戸茶碗中の絶品。 |
紹鴎井戸 | じょうおういど | 大名物。青井戸茶碗の名作の一つ。枇杷色の土に柔らかい釉薬が全面に掛かり、 荒い貫入が走っている。武野紹鴎、具足屋治兵衛、平瀬家、藤田家を転伝。 |
隼井戸 | はやぶさいど | 青井戸茶碗。 |
蝉丸井戸 | せみまるいど | 青井戸茶碗。 |
朝香山井戸 | あさかやまいど | 青井戸茶碗。 |
山の井井戸 | やまのいいど | 青井戸茶碗。 |
宝樹庵井戸 | ほうじゅあんいど | 青井戸茶碗。 |
合甫 | がっぽ | 李朝初期の鶏龍山刷毛目茶碗。鼠色の素地に白泥の化粧釉を厚く内外に一気に 刷毛で塗り、高台の部分のみを残している。藤田美術館蔵。 |
池水 | いけみず | 片身替伊羅保茶碗。この手は朝鮮伊羅保の中でも古伊羅保に分類される。 肌がザラついて苛々する事から伊羅保の名称を得たと伝わる。 |
夏山 | なつやま | 片身替伊羅保茶碗。 |
虹 | にじ | 片身替伊羅保茶碗。 |
ひかハリ | ひがわり | 片身替伊羅保茶碗。漢字に直すと「日替」か「緋変」か。 |
初雁 | はつかり | 片身替伊羅保茶碗。 |
秋の山 | あきのやま | 釘彫伊羅保茶碗。高台内部に釘でつけたような渦状の素朴な彫りがある事に因む。 大ぶりで深く、砂混じりの肌は荒々しい。口造の山路も大きく波を成す。 |
両彦 | りょうひこ | 釘彫伊羅保茶碗。 |
上田暦手 | うえだこよみで | 名物。朝鮮古三島茶碗の暦手。上田宗箇所持による命銘と伝わる。 鶏龍山三島の典型的作例で、最も有名。姫路酒井家、根津家を転伝。 |
大津 | おおつ | 高麗柿蔕茶碗中の随一で、大津の矢西家所持による命銘。のち栗田、貝塚、藤田の 各家を転伝。柿蔕茶碗としては大ぶりで風格は堂々、枯淡な趣を示している。 |
綵雲 | さいうん | 本手魚屋茶碗。魚屋茶碗中最も景色の美しい名碗。魚屋(ととや)はまた魚々屋、 斗々屋とも書き、堺の商家の屋号である。 |
御本立鶴 | ごほんたちづる | 本手立鶴ともいう。徳川家光が鶴の絵を描き、小堀遠州が切形をもって釜山窯に 注文したので、御本茶碗と呼ぶ。家光が細川三斎に、正月の大福茶碗として贈った。 |
疋田筒 | ひきたづつ | 別名「大文字屋筒」。銘は京都の茶人大文字屋疋田宗観の所持による。 朝鮮雲鶴茶碗のうちの、狂言袴茶碗に分類される。大名物。 |
挽木鞘 | ひきぎのさや | 朝鮮狂言袴茶碗。狂言袴の名称は、青磁雲鶴手茶碗に狂言の袴の紋に似た 丸紋がある事に因む。丸紋以外にも亀甲紋を象嵌したものもある。 |
和物 | ||
白天目 | はくてんもく | 大名物。瀬戸白天目と称せられるが、志野長石釉の初期のものと考えられ、大萱産と する説もある。武野紹鴎、前田利家の伝来が伝わる。徳川美術館蔵、重要文化財。 |
菊花天目 | きっかてんもく | 中興名物。瀬戸釉の上から黄瀬戸釉を流し掛けにして、菊花紋風にしたものと 思われる。銘は小堀遠州に依り、松平伊賀守、藤田家へ転伝。重要文化財。 |
赤楽検校 | あからくけんぎょう | 利休内七種の一。利休七種はまた、長次郎七種ともいう。 |
赤楽木守 | あからくきまもり | 利休内七種の一。 |
鉢開 | はちひらき | 利休内七種の一。残り四種は早船、臨済、東陽坊、大黒。 |
雁取 | がんどり | 利休外七種の一。 |
閑居 | かんきょ | 利休外七種の一。 |
太郎坊 | たろうぼう | 利休外七種の一。 |
横雲 | よこぐも | 利休外七種の一。 |
小黒 | こぐろ | 利休外七種の一。 |
一文字 | いちもんじ | 利休外七種の一。 |
聖 | ひじり | 利休外七種の一。 |
赤楽獅子 | あからくしし | 長次郎焼。長次郎とは楽焼始祖の名前で、通称田中長次郎だが、宗慶、宗味の作も 長次郎焼に含める。見分けがつけられないのが現実。 |
赤楽道成寺 | あからくどうじょうじ | 長次郎焼。 |
赤楽無一物 | あからくむいちぶつ | 長次郎焼。 |
勾当 | こうとう | 飴釉の長次郎焼。赤楽検校に次ぐという意味でこの銘を得た。 |
黒楽鉄拐 | くろらくてっかい | 楽焼2代常慶の作。銘は鉄拐仙の意。 |
黒楽千鳥 | くろらくちどり | 楽焼3代道入(通称ノンコウ)の作。ノンコウ七種の一。 |
黒楽獅子 | くろらくしし | 楽焼3代道入の作。ノンコウ七種の一。 |
黒楽升 | くろらくます | 楽焼3代道入の作。ノンコウ七種の一。 |
黒楽稲妻 | くろらくいなづま | 楽焼3代道入の作。ノンコウ七種の一。 |
赤楽若山 | あからくわかやま | 楽焼3代道入の作。ノンコウ七種の一。 |
赤楽鳳林 | あからくほうりん | 楽焼3代道入の作。ノンコウ七種の一。 |
赤楽鵺 | あからくぬえ | 楽焼3代道入の作。ノンコウ七種の一。 |
桔梗 | ききょう | 楽焼3代道入の作。ノンコウ加賀七種の一。 |
青山 | あおやま | 楽焼3代道入の作。ノンコウ加賀七種の一。 |
善福寺 | ぜんぷくじ | 楽焼3代道入の作。ノンコウ加賀七種の一。 |
霞 | かすみ | 楽焼3代道入の作。ノンコウ加賀七種の一。 |
香久山 | かぐやま | 楽焼3代道入の作。ノンコウ加賀七種の一。 |
此花 | このはな | 楽焼3代道入の作。ノンコウ加賀七種の一。 |
今枝 | いまえだ | 楽焼3代道入の作。ノンコウ加賀七種の一。 |
不二山 | ふじさん | 光悦楽茶碗。口縁から胴にかけて白く、それより下は火変わりで黒く、 雪を戴いた富士山に似る事からこの銘を冠する。光悦七種の一。 |
障子 | しょうじ | 光悦七種の一。 |
雪片 | せっぺん | 光悦七種の一。 |
雪峰 | せっぽう | 光悦楽茶碗。光悦七種の一。 |
七里 | しちり | 光悦七種の一。 |
鉄壁 | てっぺき | 光悦黒楽。光悦七種の一。光悦七作の一つにも数えられる。 |
毘沙門堂 | びしゃもんどう | 光悦七種の一。 |
有明 | ありあけ | 光悦七作の一。 |
紙屋 | かみや | 光悦七作の一。 |
雨雲 | あまぐも | 光悦黒楽。光悦七作の一。 |
時雨 | しぐれ | 光悦七作の一。 |
喰違 | くいちがい | 光悦七作の一。 |
加賀光悦 | かがこうえつ | 光悦七作の一。 |
πιον | ぴおん | 無銘の黒織部沓形茶碗。幾何模様が描かれているというのが慣習だが、実は ギリシア語の小文字で「πιον(飲むこと)」と書かれている。 |
XP | きりすと | 無銘の黒織部沓形茶碗。胴部の釘彫りの文様「*」は、キリストのギリシア語表記 「ΧΡΙΣΤΟ」の頭2文字のモノグラムと見る説があるが、確証はない。 |
冬枯 | ふゆがれ | 黒織部筒茶碗だが、片身替のように黒釉と白釉が掛け分けられている。白釉の 部分には刀と盾を持つ武士が描かれ、高台内には「Q]と読める印が捺してある。 |
峯紅葉 | みねのもみじ | 鼠志野茶碗。鬼板を塗った後亀甲紋を掻き落し、志野釉をかける事で 白く文様を浮き立たせている。五島美術館所蔵、重要文化財。 |
振袖 | ふりそで | 志野茶碗の代表作の一つ。天正年間に流行した半筒形茶碗だが、口作りに山路風の 変化をつけ、胴に少し張りを持たせている。形、釉、景色三拍子揃った名碗。 |
玉川 | たまがわ | 竹の子文志野筒茶碗。向付として作られたものだが茶碗として用いられた。 銘は新古今集の歌に因み、小堀遠州の三男権十郎が命銘した。 |
橋姫 | はしひめ | 志野橋文茶碗。大振りで筒形の力強い造形に、奔放な筆致で橋と苫屋が描かれている。 |
名称 | 読み | 略歴 |
玉ぶりぶり | たまぶりぶり | 織田有楽斎作の茶杓。平安時代からある爆竹「振々毬杖(ぶりぶりぎっちょう)」 に由来か。江戸時代にも玉ぶりぶりという玩具があった。現在根津美術館所蔵。 |
千鶴 | ちづる | 浅野長政の子で赤穂藩祖の浅野長重が作った茶杓。長重は三斎流。 |
茶瓢 | ちゃふくべ | 村田珠光作の茶杓。節上と節下が膨らみ、節で締る姿が瓢箪に似る事から、 千宗旦が命銘したと思われる。薬匙の名残を留めている。煤竹製。 |
松風 | まつかぜ | 千宗旦作の茶杓。 |
紫 | むらさき | 小堀遠州作の茶杓。 |
五月雨 | さみだれ | 片桐石州作の茶杓。 |
孤峰 | こほう | 本阿弥光悦作の茶杓。 |
羽淵 | はねぶち | 羽淵宗印作の茶杓。中興名物。羽淵宗印は武野紹鴎の茶杓師。 |
名称 | 読み | 略歴 |
高砂 | たかさご | 古芦屋茶釜。黒田如水以来、今も黒田家に伝わる。 |
芦屋霰地真形 | あしやあられじしんなり | 古来芦屋釜の優品として知られた釜。利休所持と伝承され、 利休の文が添えられている。五島美術館蔵。 |
園城寺霰釜 | おんじょうじあられがま | 古芦屋の霰釜。肩に園城寺の文字が鋳出されている事に因む。 姥口で肩は緩く張り、優美な姿を示す。のち松平不昧の所持となった。 |
浜松図真形釜 | はままつずしんなりかま | 芦屋釜。口造は繰口で,胴の下方に雄勁な鬼面鐶付をつける。下方に霰で 洲浜を表し,そこに屈曲の多い枝ぶりの松を繊細な調子で鋳出している。 |
五匹馬地文 | ごひきうまじもん | 「遠山五匹馬地文真形釜」。古芦屋釜。繰口の堂々たる名作で、 芦屋独特の鋭い箆使いで遠山に五匹の奔馬を、二方に表す。 |
古天明梶 | こてんみょうかじ | 天明産の茶釜。室町時代には芦屋・天明の茶釜が珍重された。高い甑口の 丸釜で、微かな樹木らしき地文がある。銘は鐶付が舟の梶に似ている事に因む。 |
筋釜 | すじかま | 鋳鉄の茶釜。肩下から胴にかけて四本の段をもつ筋を鋳出している事に因む。 古天明釜の一種と思われる。天明は現在の栃木県佐野市。 |
三刀屋弾正釜 | みとやだんじょうがま | 尼子家家臣、三刀屋弾正久祐所有の茶釜。 |
八角釜 | はっかくがま | 八角形の茶釜。織田信長が明智光秀に下賜した。天正10(1582)年正月、 光秀は信長直筆の書とこの八角釜を使用して茶会を開いた。 |
四方釜 | よほうがま | 千利休所有の方形茶釜。 |
名称 | 読み | 略歴 |
銹絵富士山 | さびえふじさん | 香炉。 |
三足の蛙 | みつあしのかえる | 漢作の香炉。本能寺の変の朝、この蛙が鳴いて信長に危機を報せたという。 今も本能寺に残っている。 |
名称 | 読み | 略歴 |
青磁雲龍水指 | せいじうんりゅうみずさし | 足利義教が病気の時、後花園天皇から禁中御苑の御茶・鎌倉茄子・花山天目と 共に下賜された。この茄子・天目は放火によって失われ、水指も共蓋を砕失した。 |
青磁太鼓胴 | せいじたいこどう | 砧青磁の最高傑作と言われる。南宋龍泉窯のもので、胴部や蓋表の牡丹唐草紋、 及び擂座は陽刻で、貼付手法が取られている。元来は蓋物鉢だが水指に見立てた。 |
抱桶 | だきおけ | 東山御物。大名物。ムガル帝国の打出紋銅器を蓋物水指に見立てたもの。 抱桶とは水を入れて手許に置き、暑さを凌ぐ為のもの。 |
古染付葡萄棚 | ふるそめつけぶどうだな | 白磁古染付水指。共蓋で八角に面を取られており、各面それぞれに棚から 葡萄が垂れている。夏用。 |
絵高麗水草紋 | えごうらいみずくさもん | 北宋磁州窯の水指で、銹絵による水草紋が二段に描かれている。 白化粧を施した上に黒絵付をした陶器は「絵高麗」と総称される。 |
高霊仁寿府 | こうれいにんじゅふ | 李氏朝鮮、三島暦手の芋頭水指。芋頭は里芋型をしている事からの呼称で、 南蛮物や古染付にも見られる型。 |
南蛮櫛目 | なんばんくしめ | 南蛮芋頭水指の一種だが、胴全体に櫛目が糸目のように整然とつけられ、肩に 耳があり、ハンネラ蓋が添えられている。紹鴎糸目水指と同時代の物と考えられる。 |
南蛮縄簾 | なんばんなわすだれ | 南蛮水指。縄簾は鉄分の多い細やかな土を用いる為、口造が引き締まる。 またこの手は、景色のない全面が茶色一色に焼き上がった物が多い。 |
柴庵 | しばのいおり | 信楽焼の水指の中でも古格を代表する逸品。厚みのある一重口を僅かに肩で 絞め込み、胴に罅割れが生じる。千利休が所持し、曾孫の千江岑が銘を漆書する。 |
青海 | せいがい | 武野紹鴎所持の古備前水指。古銅かと見紛う黒褐色で無釉。素直な桶形で、 底部から上部にかけて僅かに末広状に広がる。徳川義直以後、尾張徳川家に伝来。 |
黄釉沙金袋 | おうゆうさきんぶくろ | 高取焼白旗山窯の水指。薄造りで軽快、釉調も洗練されて瀟洒な味わいを見せる。 胴に巡らした糸目の刻文も繊細。江戸初期の新しい様式を代表する作品。 |
古岸 | こがん | 織部好みの志野芦絵水指で、志野橋絵水指と双璧をなす。首強く引き締り 腰は張り、堂々たる風姿。口造の矢筈と畳付には面が取られている。 |
遠州高取 | えんしゅうたかとり | 遠州好みの高取水指。胴には糸目、正面を凹ませ、白濁釉を上釉の上から 流し掛けている。小石原窯。 |
金屋 | きんおく | 中興名物。遠州瀬戸、一重口の水指。釉薬の掛け方やその成形から、 遠州の切形によると思われる。 |
伊賀共蓋 | いがともぶた | 織部好みの伊賀水指。伊賀焼は織部に茶を学んだ筒井定次により始められた。 これは破袋型に似る。太く大きい甑に箆で自由に線刻され、擂座が配されている。 |
備前種壷 | びぜんたねつぼ | 種壷は農家で種子の貯蔵や発芽に用いられたとされる雑器で、室町〜桃山時代に 盛んに焼造された。これは備前焼で、水指に見立てたもの。 |
耳付壷 | みみつきつぼ | 漢作の水指。茶壷として作られたように見えるが、今は水指として使われている。 黒田家に伝わる。 |
名称 | 読み | 略歴 |
古染付高砂 | ふるそめつけたかさご | 明・天啓年間の景徳鎮窯の白磁花生。砧形で鯉耳がつく。銘は能「高砂」に 由来し、日本からの注文品と思われる。現在出光美術館所蔵。 |
青磁浮牡丹文 | せいじうきぼたんもん | 正しくは「青磁浮牡丹文瓢形花入」。南宋〜元の龍泉窯の作。現在畠山記念館所蔵。 |
顔回 | がんかい | 千利休作の瓢花入。利休が、粗末な暮らしながら天命を楽しんだ顔回に侘びの理想を 見出して命銘したと伝わる。現在永青文庫所蔵。 |
竹一重切 | たけひとえきり | 千利休作の花入。孟宗竹の一節分を切り抜いて花入としたもの。 |
達磨 | だるま | 千宗旦作の瓢花入。銘は姿が達磨に似る事に因む。宗旦が蘆葉達磨の狂歌を、 宗旦の禅師・清巖宗渭が一筆を、直書きしている。 |
空也 | くうや | 新兵衛瓢箪花入。下部に斜格子の線刻がある。空也が瓢を持って念仏唱歩した事に 因んで小堀遠州が命銘。中興名物。 |
月新 | げっしん | 小堀遠州作の瓢手付花入。手付花入は小堀遠州に始まると伝わる。上半分の左右を 切り取って手付とし、蔓の部分を渡しに残す。斑色が景色を添える。 |
名称 | 読み | 略歴 |
山水図 | さんすいず | 南宋中期の画院画家、夏珪の作。近衛家煕の「槐記」に記載される作品といわれ 唐絵の最上のものとして珍重された。夏珪は山水画に優れ、馬遠と並び称された。 |
高士観眺図 | こうしかんちょうず | 伝孫君沢筆。この高士観眺図は南宋の馬遠、夏珪の院体山水画風を継承し、 やがて元の孫君沢に繋がる表現を示す。大徳寺塔頭養徳院旧蔵品。 |
秋冬山水図 | しゅうとうさんすいず | 雪舟筆。 |
四季山水図 | しきさんすいず | 伝雪舟筆。全長10mを超える長大な画面に四季の景観を展開させたもの。 毛利報公会に伝わる「山水長巻」に対し、俗に「山水小巻」と呼ばれる。 |
山水図 | さんすいず | 周徳筆。周徳は雪舟の弟子の一人で、惟馨とも号した。 雪舟亡き後の雲谷軒を継いだとも伝えられる画僧である。 |
蔬果図 | そかず | 野菜の静物画。雪村周継晩年の作。雪村は室町末期の人物で、常陸佐竹氏の 長子ながら禅僧画家となった。雪舟等陽に私淑しての号と言われる。 |
伝名和長年像 | でんなわながとしぞう | 長谷川等伯筆。帆掛船の家紋がある事から名和長年の肖像画であるとされているが、 大坪流馬術の名手斎藤好玄や甲斐武田の家臣を描いたとする説もある。 |
松林図屏風 | しょうりんずびょうぶ | 長谷川等伯筆。草稿ともいわれるが、靄に包まれた松林の何気ない風情は、 観る者にとって禅の境地とも,侘の境地とも受けとれる閑静で奥深い表現となっている。 |
弁慶昌俊図 | べんけい・まさとしず | 長谷川等伯最晩年の大作。画題は、源義経の命を狙った土佐坊昌俊のもとに 武蔵坊弁慶が討ち入った挙句、昌俊を堀川の屋敷へ引っ立てて行く場面。 |
春耕図 | しゅんこうず | 長谷川等伯が若い頃の作品で、当時の号「信春(しんしゅん)」の署名がある。 |
檜図屏風 | ひのきずびょうぶ | 伝狩野永徳筆。もとは天正18年12月落成の八条宮邸の襖絵の一部だった。 狩野永徳は同年9月に没しており、製作に最後まで立ち会えたかは不明である。 |
許由巣父図 | きょゆうそうほず | 伝狩野永徳筆。掛軸水墨画の代表格。許由・巣父とも中国の伝説的高士で、 権力を汚穢とした。 |
花下遊楽図 | かかゆうらくず | 狩野長信筆の屏風。背景に金碧を用いず,水墨画の技法を生かしているのは、 長信の祖父元信が花鳥図に用いた手法である。 |
観楓図屏風 | かんぷうずびょうぶ | 室町時代、狩野秀頼筆。洛北・高雄で紅葉狩を楽しむ人々の姿が描かれる。 遠く雲間に神護寺の伽藍や,雪の愛宕社も望まれる。 |
群仙図屏風 | ぐんせんずびょうぶ | 伝雲谷等顔筆。中国の仙人を六曲一双の画面に描く。両隻の左右の上端に 文字を削り取った形跡があり、何らかの理由で署名、落款が消されたと思われる。 |
東山御物 | ひがしやまぎょぶつ | 足利将軍家、特に義政の所有であった事を示す。 |
柳営御物 | りゅうえいぎょぶつ | 徳川将軍家の所有であった事を示す。 |
豊公御物 | ほうこうぎょぶつ | 豊臣秀吉の所有であった事を示す。 |
御物 | ぎょぶつ | 時の天皇陛下の所有であった事を示す。 |
大名物 | おおめいぶつ | 千利休以前から名物と呼ばれていたもの。 |
名物 | めいぶつ | 千利休が選んだ、または利休と同時代に名物とされたもの。 |
中興名物 | ちゅうこうめいぶつ | 小堀遠州(一政)のコレクション。 |
八幡名物 | はちまんめいぶつ | 松花堂昭乗のコレクション。 |
唐物 | からもの | 支那・朝鮮で作られたもの。 |
漢作唐物 | かんさくからもの | 唐物茶入の中でも特に轆轤が伸びやかで作行の優れたもの。 また支那製でも特に年代の古いものともいう(下限は宋・元代)。 |
古瀬戸 | ふるせと | 瀬戸焼の初代藤四郎景正(春慶)の作、及び同種の天目釉のもの。 本来は「こせと」と読むが、「小瀬戸」と区別するためこう読む慣習がある。 |
金華山 | きんかざん | 瀬戸焼のうち、稲葉山(金華山)に窯を移したもの。 |
破風 | はふ | 瀬戸焼。金華山・破風のものを併せて中古物という。 |
真中古 | まちゅうこ | 瀬戸焼。中古物より一手古いのでこう呼ばれる。 |
名称 | 誤 | 正 |
九十九髪茄子 | 名物 | 大名物 |
珠光文琳 | 名物 | 大名物 |
珠光文琳 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
楢柴肩衝 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
紹鴎茄子 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
松本茄子 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
似たり茄子 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
国司茄子 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
国司茄子 | 八幡名物 | 大名物・八幡名物 |
富士茄子 | 唐物 | 漢作唐物 |
酸漿文琳 | 唐物 | 漢作唐物 |
九鬼文琳 | 唐物 | 漢作唐物 |
本能寺文琳 | 唐物 | 漢作唐物 |
本能寺文琳 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
本願寺肩衝 | 唐物 | 漢作唐物 |
本願寺肩衝 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
宮王肩衝 | 唐物 | 漢作唐物 |
筑紫肩衝 | 唐物 | 漢作唐物 |
松屋肩衝 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
松屋肩衝 | 名物 | 大名物 |
打雲大海 | 名称 | 打曇大海 |
宗無肩衝 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
竹中小肩衝 | 生産国:日本 | 生産国:明 |
有楽井戸 | …織田有楽斎の名で 知られる織田信包… | 〜織田長益〜 |
春秋佐氏伝 | 名称 | 春秋左氏伝 |