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グリーンカレー

2007年07月13日

■タイのカレーは、大きく分けてココナッツミルクが入るもの、入らないものの2つのタイプがあります。ココナッツミルク入りは少し濃度があり、ココナッツミルクを入れないものはさらっとしたスープ状に仕上げるものが多く、ご飯や麺にかけずにそれだけで食べる人もいます。今回のグリーンカレーは激辛で有名な緑色の小さなとうがらし、プリッキーヌーを使い、その色と爽やかな香り、ココナッツミルクの甘味が溶け合って辛い中にもマイルドさが漂うカレーです。またスパイスの香りを大切にするため、でき上がったカレーはすぐ食卓に運びましょう。

■煮込み過ぎに注意!

 ココナッツミルクを加えて作るカレーは、煮込みすぎないようにしてください。油が出て、しつこい味に仕上がってしまいます。

レシピ

材料(6人分)

鶏胸肉 400 g 、サラダ油 大さじ2〜3、にんにく 1片、こぶみかんの葉 6枚、グリーンカレーペースト(市販品でもよい) 70 g、ココナッツミルク 400 ml、丸なす 10個、すずめなす 250 g、グリーンペッパー 適量、牛乳またはココナッツミルク約200 ml、ナム・プラー 大さじ3、砂糖 大さじ1、ししとうがらし10本

チェリートマト 12個、バジルの葉 6〜12枚、ご飯(できればタイ米)適量

【グリーンカレーペースト】グリーンペッパー(生または冷凍)5 g、にんにく 80 g 、ホムデン(タイ産の小粒エシャロット)65 g、緑色のプリッキーヌー(小さくて辛い生とうがらし) 60 g、タクライ(レモングラス)40 g、カピ(エビの塩辛ペースト) 15 g、コリアンダー(香菜)の根 8 g 、こぶみかんの皮 4 g、カー(ガランガル)2 g、クミンパウダー 小さじ2、ナツメッグパウダー 小さじ2

調理器具

まな板 1枚、包丁 1本、ボウル 1個、浅手の鍋 1個、木ベラ 1本

1. グリーンカレーペーストの材料をすべて刻んでミキサーに入れ、水(約150 ml)を加え、なめらかになるまでつぶす。

2.鍋またはフライパンにペーストを移し、木ベラで混ぜながら、中火で余分な水分が蒸発するまで煮詰める。

3. 室温まで冷まし、クロック(石臼)に入れてサーク(石のつき棒)で叩きつぶし、なめらかなペースト状にする。(ミキサーでピューレにしただけでは材料の繊維が固く食感が悪いので、この作業は省かないように!)

4. 鶏肉は、皮を剥いで余分な脂を除き、一口大に薄く切る。(肉は、他に鶏もも肉や豚肉、牛肉など好みのものを使うと良い。また肉の固さに応じて、煮込み時間は加減する。)

5. にんにくは皮をむいてみじん切りにする。

6. こぶみかんの葉は葉脈を取り除き、大きければ適当にちぎる。(こぶみかんの葉は2枚つながっているように見えるが、これで1枚と数える。)

7. 丸なすは上下を切り落とし、食べやすい大きさに切り分けて水に浸け、アク抜きする。(一般的な日本のなすを使う場合は、必ず皮を全部むく。そうしないとカレーが真っ黒に仕上がる。)

8. すずめなすは軸から実をはずして水洗いし、水気をきっておく。(このなすは入手が難しいが、タイ料理関係の食材店では冷凍の物が売られている。)

9. ししとうがらしはヘタを切り落とし、縦半分に切り分けて種と筋を取り除く。(好みに応じて、ピーマンや生とうがらしに代えるのも良い。)

10. チェリートマトは、ヘタを取り除く。(普通サイズのトマトであれば、食べやすい大きさに切り分けて使う。)

11. 鍋に油とにんにくを入れて軽く炒め、さらにグリーンカレーペーストを加えて炒め、香りを出す。(にんにくは鍋も油も冷たい状態から加えて火にかけ、焦がさないように香りが出てくるまで炒める。)

12. ココナッツミルク400mlとこぶみかんの葉を加え、沸騰して表面に油がにじみ出てくるまで煮詰める。(ここでココナッツミルクを煮詰めるが、煮詰めすぎに注意する。)

13. 次に鶏肉をほぐしながら加え、全体を混ぜる。

14. 再び沸騰してきたら2種類のなすとグリーンペッパーを加え、ココナッツミルクまたは牛乳を注いで10分ほど煮込む。(液体量は、なすの頭が少し出ている位で良い。ココナッツミルクだけで仕上げるのが本来の作り方であるが、牛乳を加える事により、あっさりと仕上がる。ただし、時として牛乳の中の乳脂肪分が凝固する事がある。)

15. ナムプラーと砂糖で下味を付ける。(ココナッツミルクからも甘みが出るので、砂糖はこれ以上加えないようにする。)

16. 鶏肉に火が通り、なすが柔らかくなったら味を調え、ししとうがらしとチェリートマトを加える。ひと煮立ちさせて火を止める。

17. 器に盛り、バジルの葉を散らす。各自の皿に取り分け、ご飯と一緒に食べる。(米は入手可能であればタイ米を使い、炊飯器で炊くよりも、湯取り法で火を通す。)

湯取り法:スパゲッティのように米をたっぷりの熱湯(塩は加えない)でゆでて火を通し、湯を切る。

辻調グループ校って?辻調グループは、卒業生11万人の実績を誇る「料理と製菓のプロを育てる総合教育機関」です。大阪、東京、フランスに12の学校があります。
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プロフィール

三木 敏彦(MIKI TOSHIHIKO)
辻調グループ校 フランス料理・エスニック料理専任教授。 辻調グループ校で教鞭をとるかたわら、フランスのレストラン「ブーリヨ」、ポール・ボキューズ」、「ジョルジュ・ブラン」にて研修。クリスチャン・ブーリヨ氏(M.O.F.)、ポール・ボキューズ氏(M.O.F.)、ジョルジュ・ブラン氏という一流の料理人に師事。
1992年よりエスニック料理の研究をはじめ、ベトナム、タイなどのアジア諸国をめぐり、またアメリカ合衆国を横断して、さまざまな民族の料理(エスニック料理)を現地で味わった。その経験から、和・洋・中だけでなく、世界にはおいしい料理が数多くあることを伝えたいと願っている。

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