福岡発で、世界に誇れる研究が相次いでいます。
物質の原子同士を融合させて、大きな熱エネルギーを作り出す核融合の研究を進める九州大学は、3年がかりで新しい研究施設「QUEST」を完成させました。
きょうは関係者が出席して点火式が開かれ、装置の中で初めてプラズマが発生しました。
「QUEST」は、核融合を可能にする超高温のプラズマ状態を長時間維持する実験をする装置です。
海外にも同じような装置がありますが、いずれも1秒以下のごく短い時間しかプラズマを維持できず、長時間維持する実験ができるのはこのタイプの装置では世界で初めてです。
核融合は、現在の原子力発電で使われる核分裂に代わる新しいエネルギー源として期待されていて、世界各国で実現を目指した研究が進んでいます。
九大はこの装置で得られるデータを基に、核融合の先進的な研究を推進したいとしています。
一方、福岡市中央区のベンチャー企業「IBC」が開発したのは、食中毒の病原菌などを測定する超小型の装置です。
この装置は縦10センチ、横5センチ高さ5センチとまさに手のひらサイズで、検査機関などで使われている従来の装置と比べると、およそ300分の1の大きさだということです。
光学機器メーカーと共同開発し、サンプルを分析する部分などを強度を落とすことなく小型化することに成功しました。
確認したいサンプルを注射器で本体に流し込み、陽性なら赤いライトが点滅するということで、食中毒菌だけではなくインフルエンザなどの病原菌の検出も可能です。
重さは300グラムほどで、持ち運びも簡単なことから、まずは学校給食の調理現場などで使用してほしいと話しています。