事件・事故・裁判

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

生活保護費不正受給:一部、組に上納か 元組員ら逮捕

 生活保護費を不正受給したとして、埼玉県警捜査4課と深谷署は27日、韓国籍で深谷市上野台、稲川会系暴力団元組員、崔鳳海(チェボンへ)(60)▽妻の育代(44)両容疑者を生活保護法違反容疑で逮捕した。5年間で約1800万円を受給していたとみられ、県警は一部を暴力団に上納していた可能性もあるとみて追及する。

 調べでは、崔容疑者らは07年10月下旬、群馬県みなかみ町の接骨院で9月に診療を10回受けたとうその申請をし、施術費のほか、タクシー代や電車代など交通費補助を含む計約14万円を不正受給した疑い。崔容疑者の足の障害を理由に03年から生活保護費を受給。多い月は生活扶助が約10万円あり、「治療にかかった」として交通費を含む医療扶助を受け取ることもあったという。

 厚生労働省は06年3月、暴力団員に生活保護を支給しないよう全国の自治体に通達。暴力団員と疑われる場合は警察に問い合わせるよう求めた。だが、深谷市は県警に相談しておらず、市福祉事務所の職員は「風ぼうや言動が荒っぽく、ライターを机に投げつけることもあった。(厚労省の)通達後も報復が怖かったので警察に相談しなかった」と釈明した。【浅野翔太郎、町田結子】

 ◇「処遇難しい人」担当者引き継ぐ

 深谷市は27日、茂呂敏行市福祉事務所長らが会見した。生活保護法の要領では、施術費は接骨院に直接払い、受給者に渡さないことになっているが「断っても、暴力団員のような言葉遣いで脅され、払い続けてしまった。職員が自宅まで現金を届けることが状態化していた」と説明。市担当者間では「(崔容疑者は)処遇が難しい人」と引き継がれていたという。また、県警に告発後の調査で、03年3月に交通事故の保険金2200万円の収入があったことが分かり、生活保護費全額を返還するよう今年5月に通知していたという。

毎日新聞 2008年6月27日 15時00分(最終更新 6月27日 15時00分)

事件・事故・裁判 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報