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東播磨

加古川の深夜小児医療休止 36時間勤務に体力の限界 

 加古川夜間急病センターの診療時間短縮で、東播地域で深夜の小児科の受診が難しくなっている現状を受け、加古川市加古郡医師会の救急医療担当者や乳幼児医療担当者、地域の小児科救急を担う病院長らが神戸新聞社の取材に応じ、診療時間短縮の理由や今後の小児科医療のあり方について語った。

 枝川潤一・医師会副会長(内科) 通常の業務と夜間急病センターの当直をこなすと連続三十六時間勤務になる。小児科医十八人、その内六十五歳以上が四人という現状では体力的に不可能だった。

 最近は神戸大病院から応援をもらっていたが、それも正式な派遣ではなく、不安定な供給だった。何とかオールナイトの態勢を維持したかったが、今の医師数では不可能と判断した。

 石田明人・加古川市民病院長(小児科) 加古川市民病院には十二人の小児科医がおり、神鋼加古川病院や明石市民病院、高砂市民病院と協力しながら夜間の二次救急(重症患者)を担っている。二人ずつの当直で一人はNICU(新生児集中治療室)を担当していて、現在も厳しい状態でやっている。

 夜間急病センターの役割を市民病院が担ってほしいという要望もあったが、命にかかわる救急患者の受け皿という役割を維持したい。

 水野正之・医師会乳幼児保健委員長(小児科) 夜間急病センターの深夜の患者は、午前零時までに来てもらったら済む不急の場合が約四割になる。普段からかかりつけ医をつくるなど、医者のかかり方の意識改革をしてほしい。その手引きとして子どもの急病対応ガイドを作成した。子どもの様子を冷静に観察し、受診のタイミングを判断してほしい。夜間の相談窓口としては、看護師が電話相談に応じる県の♯8000もある。

 石田院長 「昼は仕事で来られない」などの理由で安易に受診する人がいるのも確か。深夜も専門医師の診察を求める患者が増えていることも、医師不足の原因になっている。

 枝川副会長 現場の医師の努力だけでは、支えられないところまできている。行政ももっと主体的に態勢づくりに取り組んでほしい。

(聞き手=田中伸明、黒田耕司)

(6/27 11:42)

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