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今回メタル斬りするのは、マーティのギタリスト魂を刺激するアーティストたち。 布袋寅泰が参加したスペシャルユニット「The THREE」、さらに「9mm Parabellum Bullet」「Base Ball Bear」と、ギターが印象的な3組の新譜を取り上げます。果たしてコメントは超辛口となるのか!?
また、現在発売中の「日経エンタテインメント!」6月号(表紙・綾瀬はるか)では「Superfly」「福原美穂」「monkey majik」を分析しています。こちらもどうぞ。
日本の音楽シーンには、うまいギタリストはいっぱいいるんだけど、個性の濃いギタリストっていうことになると、実はあんまりいないような気がします。
「個性が濃い」っていうのは、言い換えると「聴いた瞬間に誰が弾いてるのかすぐ分かる」ってこと。例えばクイーンのブライアン・メイのギタープレーを聴いたら、フレディ・マーキュリーが歌ってないパートでも、すぐに彼が弾いてるってわかるじゃん。僕は、それってギタリストにとってすごく大事なことだと思ってます。
日本で「個性が濃いギタリスト」の代表っていったら、B'zの松本さん、Charさんと、あと忘れちゃいけないのが布袋寅泰さんだよね。特に布袋さんの場合、例えば今井美樹の『PRIDE』とかみたいに、誰と共演しても、どんなコラボでも、必ず布袋さんならではの味が出るじゃん。
映画『隠し砦の三悪人』の主題歌『裏切り御免』は、布袋寅泰×KREVA×亀田誠治が結成したスペシャルユニット「The THREE」の曲です。実は、この曲を最初に聴いたとき、僕はその情報を知らなかったんだけど、すぐに「布袋さんが弾いてるな」って気づきました。布袋さんのギターの一番の特徴は、プレイが「タイト」なこと。たまたまその音を弾いてるんじゃなくて、「絶対にこの音を鳴らすんだ!」って気持ちで、わざとらしいくらい攻撃的に弾いてくれるから、すごく目立ってかっこいい。向こうのブルースベースのギタリストはもっとルーズなんだよね。布袋さんと比べたら、エリック・クラプトンなんか、ちょー適当もいいところだよ(笑)。
この曲では、特にサビの部分のギターフレーズに、布袋さんならではのタイトな味を感じました。Aメロはブルージーなノリなのに、サビでいきなりバラードみたいに美しいメロディーが爆発するなんて、パクりたいくらい最高!しかもKREVAのラップとの絡みも絶妙だから、2倍でおいしいサビになってます。実は布袋さんとはまだ一度も会ったことがないんだけど、いつかコラボできる機会があるといいなって、この曲を聴いて改めて思いました。
The THREE<布袋寅泰×KREVA×亀田誠治>
映画『隠し砦の三悪人』主題歌。「アメリカのラップって歌詞が本当に怖いんだよ。そのラップ中心のサビに美しいギターフレーズが入るのが僕にはすごく面白い」。
『裏切り御免』 |