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2008年6月27日

 霞が関の「居酒屋タクシー」問題は、151人の処分者が出た。大半が幹部候補職員とは待遇が違う「ノンキャリア」組と呼ばれる人である

現金や商品券は論外としても、コンビニ調達の缶ビールやおつまみという「袖の下」は、もっと大掛かりな黒い交際が蒸し返される霞が関では、いじましく映る。連夜の残業に追われ、疲れた体を座席に沈める役人の悲哀さえ漂う

タクシー券を自粛した国交省では、終電を目掛けて急ぐ残業組の姿が増え、それをテレビカメラが追いかける。何やら芝居くさい気がしないでもないが、反省と自粛に努めるという姿勢の訴えに懸命のようである

湯水のようなタクシー代の無駄遣いは、誰の目にも分かりやすい。が、たとえば、同じ霞が関にあるという「埋蔵金」なる仕掛けは、見つけて掘り出すには相当骨が折れる。もっと有効に使えるはずのお宝は、いじましい接待がらみのタクシー代とは桁違いの金額になるのだが

しっぽを切られたくらいでは、トカゲはさっさと逃げていく。改めなければならないのは、缶ビール接待のたぐいだけではないはずである。


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